旭化成株式会社 3407

化学 JP 健全性: S (88点)

データ取得日: 2026-06-27 | 過去15年分の財務データを掲載

AI 業績サマリー 生成: 2026-05-09 / claude-opus-4-6-v2
旭化成はマテリアル・住宅・ヘルスケアの3領域を柱とする総合化学メーカー。石化・繊維から半導体関連素材、戸建住宅のヘーベルハウス、医薬品・医療機器まで幅広い事業ポートフォリオを持つ。リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア」で世界的なシェアを持ち、EV普及に伴う成長が期待される。

売上3兆373億円(前年比+9.1%)と大幅な増収。営業利益2,119億円(営業利益率7%)、純利益1,350億円と高い利益水準を達成。半導体関連素材の回復とヘーベルハウスの安定受注が業績を牽引した。ROE7.1%と良好な資本効率。

自己資本比率46.3%、財務健全性スコア73点。営業CF3,015億円と巨額のキャッシュ創出力だが、大型投資でFCFマイナス797億円。EPS98円に対しPER10.7倍、配当38円で配当性向は約39%。EV向けセパレータの需要爆発と半導体素材の成長が中長期のドライバーであり、3事業の多角化が景気変動への耐性を支えている。
English version
Asahi Kasei is a comprehensive chemical manufacturer with three core segments: Material, Housing, and Healthcare. The company operates diverse businesses from petrochemicals and fibers to semiconductor-related materials, Hebel House residential construction, and pharmaceuticals/medical devices. It holds global market share in lithium-ion battery separator "Hypore" with growth expected from EV proliferation. Sales of 3,037.3 billion yen surged 9.1% YoY on a strong basis. Operating profit of 211.9 billion yen (7% margin) and net profit of 135 billion yen achieved high profit levels, driven by semiconductor-related material recovery and stable Hebel House orders. ROE of 7.1% reflects good capital efficiency. The equity ratio of 46.3% and financial health score of 73 points are adequate. Operating CF of 301.5 billion yen demonstrates massive cash generation, though large-scale investments resulted in negative FCF of 79.7 billion yen. At 98 yen EPS with PER of 10.7x and dividend of 38 yen (39% payout ratio), valuations are reasonable. EV separator demand explosion and semiconductor material growth represent medium-to-long-term drivers, with three-business diversification providing resilience against economic cycles.

※ EDINET DB API が生成・提供する AI要約です。投資判断は必ず一次情報(有価証券報告書・決算短信)をご確認ください。

業績推移

業績予想 次期通期予想(2026-05-12 発表)

項目 予想値 直近通期実績(2026年度) 増減
売上高 32,540億円 30,745億円 +5.8%
営業利益 2,480億円 2,312億円 +7.3%
純利益 1,600億円 1,588億円 +0.8%
EPS 119.65円 116.97円 +2.3%
1株配当 (DPS) 44.00円 42.00円 +4.8%
予想PER* 12.6倍 12.9倍 (実績)
予想配当利回り* 2.92% 2.78% (実績)

※ 業績予想は企業発表値です。期末決算と同時に発表された次期予想です。 * 印は当サイトが PBR×BPS から推定した株価をもとに独自計算した参考指標です。

財務指標(2026年度)

主要指標

ROE 7.8%
PER 12.9倍
PBR 0.98倍
配当利回り 2.78%
配当性向 35.9%

収益性

ROA 3.8%
売上総利益率 32.8%
営業利益率 7.5%
純利益率 5.2%

成長性

前年比 3Y CAGR 5Y CAGR
売上高 +1.2% +4.1% +7.9%
営業利益 +9.1%
純利益 +17.6%
EPS +19.4%

安全性

自己資本比率 52.3%
流動比率 235.2%
D/Eレシオ 0.65倍

派生指標 参考

時価総額* 14,389億円
ネットキャッシュ* ▲10,278億円
Net Debt/EBITDA* 2.61倍
EV/EBITDA* 6.3倍
FCFマージン* 6.4%
DOE* 2.73%

* 印は当サイトが EDINET から取得した財務データをもとに独自に計算した参考指標です。 EDINETから直接取得した数値ではないため、実際の市場値や各種データソースの公表値と乖離する場合があります。 投資判断は必ず一次情報をご確認ください。

業種比較 業種: 化学 日経225内同業 16社

指標 自社 日経225 同業平均
(16社)
EDINET 全体平均
(200社)
同業平均との偏差
ROE 7.8% 5.6% 7.4% +2.20pt
PER 12.9倍 21.4倍 -8.49
PBR 0.98倍 1.27倍 -0.29
配当利回り 2.78% 3.48% -0.70pt
配当性向 35.9% 55.2% -19.26pt
ROA 3.8% 3.5% +0.31pt
売上総利益率 32.8% 31.3% +1.51pt
営業利益率 7.5% 9.1% 8.3% -1.54pt
純利益率 5.2% 5.2% +0.00pt

※「日経225 同業平均」は当サイトで日経225採用銘柄から自前集計した値。 「EDINET 全体平均」は EDINET DB API が返す上場企業全体(中小・赤字含む)の平均で、ROE と営業利益率のみ提供されます。 偏差はパーセンテージポイント(pt)または倍率差。

キャッシュフロー(2026年度)

営業CF 3,031億円
投資CF ▲1,069億円
財務CF ▲2,454億円
設備投資 2,223億円
現金等残高 3,721億円
年度 営業CF 投資CF 財務CF フリーCF 設備投資 現金等残高
2026 3,031億円 ▲1,069億円 ▲2,454億円 1,962億円 2,223億円 3,721億円
2025 3,015億円 ▲3,812億円 1,446億円 ▲797億円 2,110億円 3,900億円
2024 2,953億円 ▲1,426億円 ▲943億円 1,527億円 1,837億円 3,335億円
2023 908億円 ▲2,136億円 1,118億円 ▲1,228億円 1,749億円 2,479億円
2022 1,833億円 ▲2,210億円 423億円 ▲377億円 1,866億円 2,429億円
2021 2,537億円 ▲1,578億円 ▲959億円 959億円 1,537億円 2,162億円
2020 1,245億円 ▲3,182億円 2,219億円 ▲1,937億円 1,541億円 2,048億円
2019 2,121億円 ▲1,989億円 174億円 131億円 1,362億円 1,805億円
2018 2,499億円 ▲1,103億円 ▲1,344億円 1,396億円 1,486億円
2017 1,690億円 ▲899億円 ▲740億円 790億円 1,441億円
2016 2,162億円 ▲2,853億円 1,014億円 ▲691億円 1,453億円
2015 1,376億円 ▲1,005億円 ▲740億円 371億円 1,123億円
2014 2,442億円 ▲1,038億円 ▲1,051億円 1,404億円 1,431億円
2013 1,260億円 ▲2,785億円 1,662億円 ▲1,525億円 1,040億円
2012 1,413億円 ▲895億円 ▲910億円 518億円 964億円

※ フリーCF = 営業CF + 投資CF(投資CFは通常マイナス)。設備投資額は絶対値で表示。

損益計算書(2026年度)

項目 金額 売上比
売上高 30,745億円 100.0%
売上原価 20,659億円 67.2%
売上総利益 10,086億円 32.8%
販管費 7,774億円 25.3%
営業利益 2,312億円 7.5%
経常利益 2,304億円 7.5%
純利益 1,588億円 5.2%

※ 会計基準: 日本基準 (JP GAAP) / 有報提出日: 2026-06-24 13:25。 売上原価・売上総利益・販管費が「—」の項目は EDINET に該当データが無いことを示します(金融・通信・IFRS企業など)。

貸借対照表(2026年度)

項目 金額 総資産比
資産
総資産 41,379億円 100.0%
現金等 3,721億円 9.0%
その他資産 37,659億円 91.0%
負債・純資産
総負債 19,723億円 47.7%
有利子負債 13,999億円 33.8%
その他負債 5,724億円 13.8%
純資産 21,656億円 52.3%
自己資本 14,683億円 35.5%
うち利益剰余金 12,947億円 31.3%
非支配株主持分等 6,974億円 16.9%

※「その他資産」「その他負債」は EDINET 取得値から計算で算出(その他資産 = 総資産 − 現金等、その他負債 = 総負債 − 有利子負債)。 利益剰余金は自己資本に含まれる内訳項目です。 総資産 = 総負債 + 純資産 が成立しない場合はデータの整合性をご確認ください。

事業規模・コスト構造(2026年度)

従業員数 47,895人 1人当たり売上 64百万円
研究開発費 1,105億円 売上比 3.60%
減価償却費 1,626億円 売上比 5.29%

※「1人当たり売上」「売上比%」はサイト内で計算した派生指標です。 研究開発費は製造業以外では非開示の場合があります(サービス業・金融業など)。

信用評価履歴 EDINET DB スコア(過去15年分)

健全性スコア (2026年度) 88点 ランク S
業種ベンチマーク 強みが多いが、一部改善の余地がある 強み 2項目 / 弱み 0項目
直近の評価コメントを見る (2026年度)

信用評価

自己資本比率 50.5%。財務基盤は非常に堅い

投資評価

PER 12.9倍で割安圏。複数の好材料あり

※ EDINET DB API が独自の指標と業種ベンチマークから算出するスコア・ランク・コメントです。 S = 90点以上 / A = 75-89点 / B = 60-74点 / C/D = それ未満。

直近の決算短信

開示日時タイトル区分売上高前年比 営業利益前年比 純利益前年比EPS PDF
2026-05-12 12:30 Q4 30,745億円 +1.2% 2,312億円 +9.1% 1,588億円 +17.6% 117.0 PDF
2026-02-04 Q3 22,613億円 +0.1% 1,739億円 +6.2% 1,206億円 +22.7% 88.8 PDF
2025-11-05 2026年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結) Q2 14,864億円 1,075億円 663億円 48.8 PDF
2025-07-31 2026年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) Q1 7,383億円 537億円 197億円 14.5 PDF
2025-05-09 2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結) Q4 30,373億円 2,119億円 1,350億円 97.9 PDF
業績概況・今後の見通し(2026-05-12 発表分) 約558字
旭化成グループ(以下、「当社グループ」)の当期における連結業績は、エッセンシャルケミカル事業の定期修理の影響や在庫受払差の影響等を受けた「マテリアル」は減益となりましたが、医薬事業の利益成長が寄与した「ヘルスケア」、国内住宅事業が堅調に推移した「住宅」は増益となったことから、売上高は3兆745億円で前期比372億円の増収となり、営業利益は2,312億円で前期比193億円の増益となりました。経常利益は2,304億円で、持分法による投資利益の増加などにより前期比370億円の増益となりました。また、前期比で事業構造改善費用は増加しましたが、税金費用が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,588億円で、238億円の増益となりました。当期の単独業績は、売上高は6,508億円で前期比757億円の減収、営業損失は35億円で前期比41億円の減益、経常利益は640億円で前期比477億円の増益、当期純利益は1,130億円で前期比760億円の増益となりました。売上高、営業利益については、下記「マテリアル」セグメントに属する事業の業績悪化により、減少しました。経常利益、当期純利益については、連結子会社からの受取配当金が前期に比べて増加したことや関係会社株式売却益を計上したことなどにより、増加しました。

出典: 決算短信PDF(外部リンク)

大量保有報告書(5%超の株主)

報告日 提出者(グループ) 個別保有者 保有割合
個別 / 合計
株数 保有目的 種別
2026-03-19 野村アセットマネジメント株式会社 ノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC) 0.12%
計 5.01%
160万株 証券業務に係わる商品在庫として保有している。 新規
2026-03-19 野村アセットマネジメント株式会社 (同左) 4.89%
計 5.01%
6,674万株 信託財産の運用として保有している。 新規
2026-03-19 野村アセットマネジメント株式会社 ノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC) 0.12%
計 5.01%
160万株 証券業務に係わる商品在庫として保有している。 新規
2026-03-19 野村アセットマネジメント株式会社 (同左) 4.89%
計 5.01%
6,674万株 信託財産の運用として保有している。 新規
2026-03-19 野村アセットマネジメント株式会社 ノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC) 0.12%
計 5.01%
160万株 証券業務に係わる商品在庫として保有している。 新規
2026-03-19 野村アセットマネジメント株式会社 (同左) 4.89%
計 5.01%
6,674万株 信託財産の運用として保有している。 新規
2025-10-04 ブラックロック・ジャパン株式会社 (同左) 1.79%
計 7.33%
2,451万株 純投資(投資一任契約に基づく顧客の資産運用および投資信託約款に基づく資産運用目的… 変更
2025-10-04 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・アドバイザーズ・エルエルシー(BlackRock Advisers, LLC) 0.14%
計 7.33%
196万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-10-04 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・フィナンシャル・マネジメント・インク(BlackRock Financial Management, Inc.) 0.24%
計 7.33%
327万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更
2025-10-04 ブラックロック・ジャパン株式会社 ブラックロック・インベストメント・マネジメント (オーストラリア)リミテッド(BlackRock Investment Management (Australia) Limited) 0.10%
計 7.33%
140万株 純投資(顧客および投資信託等の資産運用目的) 変更

※「個別保有者」が「(同左)」の行は提出者本人による保有。複数行が同じ提出者なら共同保有グループの内訳を表します。 保有目的が長い場合は冒頭40字のみ表示し、ホバーで全文表示します。

財務データ推移

年度売上高営業利益純利益 総資産純資産EPS配当
2026 30,745億円 2,312億円 1,588億円 41,379億円 21,656億円 117.0 42.0
2025 30,373億円 2,119億円 1,350億円 40,152億円 19,139億円 97.9 38.0
2024 27,849億円 1,407億円 438億円 36,627億円 18,486億円 31.6 36.0
2023 27,265億円 1,277億円 ▲919億円 34,539億円 16,954億円 -65.8 36.0
2022 24,613億円 2,026億円 1,619億円 33,491億円 17,188億円 116.7 34.0
2021 21,061億円 1,718億円 798億円 29,189億円 14,945億円 57.5 34.0
2020 21,516億円 1,773億円 1,039億円 28,223億円 13,835億円 74.9 34.0
2019 21,704億円 2,096億円 1,475億円 25,752億円 14,027億円 105.7 34.0
2018 20,422億円 1,985億円 1,702億円 23,072億円 13,052億円 121.9 34.0
2017 18,830億円 1,592億円 1,150億円 22,545億円 11,681億円 82.3 24.0
2016 19,409億円 1,652億円 918億円 22,117億円 10,574億円 65.7 20.0
2015 19,864億円 1,579億円 1,057億円 20,145億円 10,977億円 75.6 19.0
2014 18,978億円 1,013億円 19,151億円 9,258億円 72.5 17.0
2013 16,666億円 537億円 18,002億円 8,245億円 38.4 14.0
2012 15,732億円 558億円 14,106億円 7,193億円 39.9 14.0

事業の状況(有価証券報告書より)

最新の有価証券報告書から、事業内容・リスク・経営方針・経営成績の概況を掲載します。各セクションをクリックして展開してください。

沿革 FY2025 / 約2,723字
2 【沿革】年月事項1922.5旭絹織株式会社(ビスコース・レーヨン糸を製造・販売)設立1929.4日本ベンベルグ絹絲株式会社(キュプラ繊維「ベンベルグ®」を製造・販売)設立1931.5延岡アンモニア絹絲株式会社(アンモニア、硝酸等化成品を製造・販売)設立(当社(現、旭化成株式会社)の設立:1931年5月21日 資本金1,000万円)1933.7延岡アンモニア絹絲株式会社は、日本ベンベルグ絹絲株式会社及び旭絹織株式会社を合併し、社名を旭ベンベルグ絹絲株式会社と改称1935.9グルタミン酸ソーダを製造開始、食品事業へ進出1943.4旭ベンベルグ絹絲株式会社は、日本窒素火薬株式会社(ダイナマイト等を製造・販売)を合併し、社名を日窒化学工業株式会社と改称1946.4日窒化学工業株式会社は、社名を旭化成工業株式会社と改称1949.5東京、大阪及び名古屋の各証券取引所の市場第一部に株式を上場1952.7米国ダウ・ケミカル社と合弁で旭ダウ株式会社設立1957.2旭ダウ株式会社、ポリスチレンを製造開始、合成樹脂事業へ進出1959.5アクリル繊維「カシミロン™」の本格製造開始、合成繊維事業へ本格展開1960.9「サランラップ®」を販売開始、樹脂製品事業へ進出1962.6アクリロニトリルを製造開始1967.8軽量気泡コンクリート(ALC)「へーベル™」を製造開始、建材事業へ本格進出1968.7山陽石油化学株式会社設立、水島地区で石油化学事業へ本格進出1971.2旭シュエーベル株式会社設立、ガラス繊維織物事業へ進出1972.4水島で山陽エチレン株式会社による年産35万トンのエチレンセンターが完成1972.9「ヘーベルハウス™」を本格展開、住宅事業へ本格進出1972.11旭化成ホームズ株式会社設立1974.7旭メディカル株式会社(現、旭化成メディカル株式会社)設立、人工腎臓を生産開始、医療機器事業へ進出1976.4株式会社旭化成テキスタイル設立、テキスタイル事業の強化1976.9旭化成建材株式会社設立1980.7宮崎電子株式会社(現、旭化成電子株式会社)設立、ホール素子事業へ進出1982.10旭ダウ株式会社を合併、合成樹脂事業を強化1983.8旭マイクロシステム株式会社(現、旭化成マイクロシステム株式会社)設立、LSI事業へ本格展開1992.1東洋醸造株式会社と合併、医薬・医療事業を強化、酒類事業へ進出1994.10株式会社旭化成テキスタイルを合併、繊維事業を強化1999.7食品事業を日本たばこ産業株式会社へ譲渡2000.7新日鐵化学株式会社より欧米コンパウンド樹脂生産子会社を譲受2001.1旭化成工業株式会社から、旭化成株式会社へ社名変更2002.9焼酎及び低アルコール飲料事業をアサヒビール株式会社及びニッカウヰスキー株式会社へ譲渡2003.7清酒・合成酒関連事業をオエノンホールディングス株式会社へ譲渡2003.10持株会社制へ移行。持株会社(当社)と7事業会社(旭化成ケミカルズ株式会社、旭化成ホームズ株式会社、旭化成ファーマ株式会社、旭化成せんい株式会社、旭化成エレクトロニクス株式会社、旭化成建材株式会社、旭化成ライフ&リビング株式会社)からなるグループ経営体制へ移行2007.4旭化成ケミカルズ株式会社が旭化成ライフ&リビング株式会社を吸収合併2008.10旭化成ファーマ株式会社の子会社であった旭化成クラレメディカル株式会社及び旭化成メディカル株式会社を、当社が直接出資する事業会社に再編2009.4当社、旭化成ケミカルズ株式会社及び旭化成エレクトロニクス株式会社のエレクトロケミカル関連事業を、旭化成イーマテリアルズ株式会社に吸収分割により承継2012.4旭化成メディカル株式会社が旭化成クラレメディカル株式会社を吸収合併2012.4米国ZOLL Medical Corporationを買収及び連結子会社化し、クリティカルケア事業へ進出 年月事項2013.12名古屋・札幌・福岡証券取引所の市場第一部の株式上場廃止2014.10本店の所在地を大阪から東京に移転2015.8米国Polypore International, Inc.(現、Polypore International, LLC)を買収及び連結子会社化し、バッテリーセパレータ事業を拡大2016.2旭化成ケミカルズ株式会社水島製造所のエチレンセンターを停止2016.4当社、旭化成ケミカルズ株式会社、旭化成せんい株式会社及び旭化成イーマテリアルズ株式会社を吸収合併、事業持株会社に移行2017.10単元株式数を1,000株から100株に変更2018.9米国Sage Automotive Interiors, Inc.を買収及び連結子会社化し、自動車分野向け事業を拡大2020.3米国Veloxis Pharmaceuticals, Inc.を買収(1月)及び連結子会社化し、米国医薬品市場における事業基盤を獲得2022.4東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行2023.7簡易吸収分割により、フォトマスク用ペリクル事業を三井化学株式会社へ承継2023.10共同新設分割により、スパンボンド不織布事業を三井化学株式会社との新設会社へ承継2023.10旭化成パックス株式会社の容器事業をアァルピィ東プラ株式会社へ譲渡2024.4旭化成パックス株式会社のフィルム事業を住友ベークライト株式会社へ譲渡2024.9スウェーデン製薬企業Calliditas Therapeutics ABを買収及び連結子会社化し、米国医薬品事業を強化2024.10簡易吸収分割により、リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア™」事業を、旭化成バッテリーセパレータ株式会社に承継2025.4旭化成メディカル株式会社のバイオプロセス事業等を新たに設立した旭化成ライフサイエンス株式会社に承継し、血液浄化事業等を行う旭化成メディカル株式会社をアイエーホールディングス株式会社へ譲渡2025.4旭化成エヌエスエネルギー株式会社を吸収合併2025.5メタクリル酸メチル(MMA)等の事業撤退を決定2025.7旭化成ファーマ株式会社の診断薬事業等を長瀬産業株式会社に譲渡2025.12鉛蓄電池用セパレータ「Daramic®」事業をKingswood Capital Management, LPへ譲渡2026.3UVC(深紫外)LED事業の終了を決定 (注) 旭化成ファーマ㈱は、2026年4月1日付で旭化成セラピューティクス㈱に社名変更しています。
配当政策 FY2025 / 約808字
3 【配当政策】当社の株主還元の基本的な考え方として、累進配当を特に重視した上で、還元水準の継続的向上を図っています。株主還元に関する基本方針は次の3点です。 ① 中期的なフリー・キャッシュ・フローの見通しから、株主還元の水準を判断する。 ② DOE3%を目安とした、中長期的な累進配当を目指す。 ③ 自己株式取得は資本構成適正化に加え、投資案件やキャッシュ・フロー、株価の状況等を総合的に勘案して検討・実施する。 3つの方針の中でも、特に②の累進配当の方針を重視しており、その方針をフォローするため、DOEを指標とした上で、その水準として3%を目安に中長期的な累進配当を実現させていく予定です。2025年度は上記の方針から、1株当たり年間配当金として42円と4円増配します。2026年度以降も引き続き配当金維持・向上を予定しています。 株主還元を含めたキャピタルアロケーションについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針・経営戦略等 ② 当社グループ全体の経営方針・経営戦略等 <経営方針・経営戦略>●「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」の概要 ⅳ 財務・資本政策 ■ 資金の源泉と使途の枠組み」を併せてご参照ください。内部留保については、「ヘルスケア」「住宅」「マテリアル」の3領域において、M&Aを含む戦略的な投資や、新事業創出のための研究開発費など、将来の収益拡大の実現に必要な資金として充当していきます。当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことにしており、剰余金の配当の決定機関は取締役会としています。当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。決議年月日配当金の総額(百万円)1株当たり配当額(円)2025年11月5日取締役会決議27,193202026年5月12日取締役会決議29,91222
監査の状況 FY2025 / 約6,229字
(3) 【監査の状況】① 内部監査及び監査役監査、会計監査の状況Ⅰ 内部監査の状況ⅰ 組織及び体制社長直轄の組織として監査部(28名、2026年3月31日現在)を設置しています。これに加え、海外事業の拡大への対応として、中国及び北米の地域統括会社内に内部監査拠点を設置し各地域での内部監査活動を推進しているほか、業務監査組織を持つ事業部門(マテリアル領域、事業会社等)及び関係会社や自主監査活動を行うスタッフ部門組織との間で個別に分担や連携の仕組みを設定するなど、効果的な内部監査体制の整備及び運用に努めています。ⅱ 活動当社内部監査基本規程に基づき年次監査計画を立案し、当社社長の承認を得て当社グループの内部監査を実施しています。本事業年度は、関係会社16社を含む26の事業部門組織を対象とした内部監査のほか、品質保証及び全社的課題を対象としたテーマ監査4件を実施しています。内部監査はグループ内の事業部及び連結子会社を対象にリスクベースで実施され、個々の監査結果は対象組織及びその所管部門に報告されます。対象組織による改善計画の策定、実行に加え、改善結果についてのフォローアップ監査を一連のプロセスとして設定しており、所管部門及びスタッフ部門がこのプロセスを支援するとともに再発防止策を横展開することで、着実な改善の実施と内部統制の維持向上を図っています。当社監査部は、内部監査活動の品質確保を目的として、内部監査人協会(IIA)が定める「専門職的実施の国際フレームワーク(IPPF)」に準拠した内部監査を実施しており、本事業年度においては、組織体外の独立した外部評価者による外部品質評価を受審し、当社の内部監査活動がIPPFに適合していることが認められました。また、当社内部統制管理規程に基づき、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び報告を監査部で実施しています。当事業年度は当社、連結子会社158社及び持分法適用会社9社を対象として全社的な内部統制及び決算・財務プロセスの評価を行い、当社グループの事業の中核をなす当社、事業会社、当社事業との関連性が高く一体的な運営をしている連結子会社1社、及び売上高や総資産等を考慮し比較的財務報告上のリスクが高いと思われる連結子会社及び持分法適用会社の43社を対象として業務プロセス及びIT統制の評価を行いました。ⅲ 報告内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計画及び結果は、社長、内部統制担当役員、リスク・コンプライアンス担当役員に加えて、当社の取締役会、監査役会に報告されます。また、事業部門(マテリアル領域、事業会社等)及びグループ内部統制所管部門(コンプライアンス所管部門、経理・財務部門、人事部門、IT部門、購買・物流部門、環境安全・品質保証部門等)と内部監査部門との年次トップミーティングをはじめとする連携活動の中でも報告され、各ライン間のコミュニケーションを継続的に推進し、各部門による内部統制推進に向けた自律的な取り組みを支援することでグループ全体の内部統制水準の向上に努めています。 Ⅱ 監査役監査の状況ⅰ 監査役会の開催状況と活動内容各監査役は、監査役会が定めた監査方針のもと、取締役会への出席、業務状況の調査などを通じ、取締役の職務遂行の監査を行っています。当事業年度において当社は監査役会を月2~3回程度の頻度で開催しており、個々の監査役の出席状況については以下のとおりです。 <各監査役の当事業年度に開催した監査役会、取締役会の出席状況>役職氏 名監査役会取締役会常勤監査役柴田 豊 (注) 112/12回(100%)4/4回(100%)真柄 琢哉34/34回(100%)15/15回(100%)出口 博基 (注) 222/22回(100%)15/15回(100%)(注) 3社外監査役望月 明美33/34回(97%)15/15回(100%)浦田 晴之33/34回(97%)15/15回(100%)落合 義和34/34回(100%)15/15回(100%) (注) 1 2025年6月25日付 で退任しています。   2 2025年6月25日付 で就任しています。   3 2025年6月25日の取締役退任までに取締役として出席した取締役会の回数を含めて算定しています。 (監査役会の活動)当事業年度における監査役会の事項は、決議・同意事項37件、審議・協議事項74件、報告事項23件でした。主な内容は、以下のとおりです。決議・同意事項 37件監査計画、監査状況報告、監査役会の実効性評価、会計監査人の相当性評価及び報酬、監査役会監査報告書 等審議・協議事項 74件取締役会の振り返り、監査役報酬、内部統制報告、期末監査関連事項、ヒアリングの論点 等報告事項 23件社外取締役との意見交換会レビュー、会計監査人の非保証業務、監査活動報告 等 ⅱ 重点監査項目と監査活動状況当事業年度において監査役会が定めた重点監査項目と監査のポイントは以下のとおりです。コーポレート ガバナンス取締役会の実効性、グループ経営基盤の強化、主要関連会議(経営会議、領域会議、委員会等)の審議内容の確認、グループガバナンスの状況把握等全社リスク マネジメントリスクマネジメント体制構築状況の確認、海外拠点を含めた子会社のリスクマネジメント状況の確認、IT統制の実施状況の確認等サステナビリティ経営新中期経営計画、生産性向上、人財・人的資本、事業ポートフォリオ転換の推進状況等 上記重点監査項目に対する主な監査活動は以下のとおりです。 • 取締役会その他重要な会議に出席し、必要に応じて意見表明 • 取締役、ヘルスケア・住宅・マテリアル各領域担当役員、執行役員、重要な子会社の社長、グループ内部統制所管部門(IT部門、環境安全・品質保証部門、購買・物流部門等)に対する定期的なヒアリング • 主にリスクベースの観点から重要と認識する製造拠点、海外拠点について直接確認 • 内部監査部門、会計監査人との三様監査連絡会の実施 • 監査上の主要な検討事項(KAM)の選定について、会計監査人の検討プロセスが適正であることを確認  <監査活動の概要>項目内容常勤監査役社外監査役1) 取締役会取締役会の意思決定、実効性の監査〇〇2) 取締役の職務執行監査取締役会長、代表取締役社長との面談〇〇上記以外の取締役に対するヒアリング〇〇3) 取締役会以外の重要会議経営会議〇-各種委員会等〇(注)社外取締役との意見交換会〇〇4) 執行役員他業務執行の調査領域担当役員、本部長、支社長、製造所長、コーポレート役員のヒアリング〇〇5) 子会社の経営管理状況の調査(国内、海外)子会社社長との面談及び拠点往査〇〇6) 内部通報制度の整備・運用状況の確認内部通報定期報告〇〇7) 内部監査部門との連携内部監査部門の定期報告〇-内部統制システム評価報告〇〇内部監査部門、子会社監査役との定例報告会〇〇8) 会計監査人との連携会計監査人の監査計画、財務諸表監査報告、内部統制システム評価報告〇〇会計監査人の監査品質レビュー〇〇会計監査人との意見交換(KAM等)〇〇 (注) リスク・コンプライアンス委員会に出席 (監査役会の実効性評価) 当社の監査役会は、監査活動の実効性を継続的に向上させることを目的に、監査役会の実効性評価を実施しています。当事業年度において、監査役会の実効性について自己評価を実施するとともに、評価結果の検証、課題の抽出、翌事業年度の監査計画への反映等、PDCAサイクルを回し、実効性の更なる向上に努めています。<評価方法>記名式かつ自己評価による全18項目のアンケートに沿って、各監査役に対し5段階評価及びその理由について意見表明を求めました。 <実効性評価結果に基づいて実施した当事業年度の取り組み例>三様監査の連携・内部監査部門、会計監査人との連携をより強化すべきとの意見に対し、特定のテーマに対して深掘りした議論を行うため、三様監査連絡会を定期開催(8回/年)しました。・三様監査連携の強化に向けて、内部監査部門、会計監査人に対してインタビューを実施し、具体的な改善事項を抽出しました。・海外子会社の会計監査人に対してヒアリングを行い、対象会社の状況及び当社会計監査人とのコミュニケーション状況を確認しました。・内部監査部門等との情報共有、意見交換に基づいた監査活動への反映等、深度ある議論を行うための会議体として「内部統制を考える会」を開始しました。社外取締役との連携・社外取締役との意見交換会の時間を拡充し、往査・ヒアリングで認識した現場課題についての情報共有や、内部統制についての意見交換を行っています。テーマを監査役会で事前審議することで、監査役会としての課題認識が社外取締役と効果的に共有化され、議論が活発化しています。取締役の職務遂行の監査・監査役会において、取締役会の振り返りを実施し、監査視点・課題認識の共通理解を図っています。・取締役会へのフィードバックについて、期中に監査状況報告を追加し、監査上の重要事項・視点を共有する機会を増やしています。その他・不正・不祥事等、ステークホルダーに不利益をもたらす可能性のある有事における基本的な対応方針として、監査役(会)の有事対応ガイドラインを策定しました。 <評価結果及び今後に向けての課題認識>・ 監査役間でオープンかつ深度ある議論が行われ、監査役会全体としての実効性は確保されていると認識しています。・ 海外拠点を含む当社グループ全体の内部統制システムの運用状況のモニタリングを充実させるため、三様監査等との連携を一層強化していきます。 Ⅲ 会計監査の状況ⅰ 監査法人の名称PwC Japan有限責任監査法人 ⅱ 業務を執行した公認会計士当連結会計年度において監査業務を執行した公認会計士の氏名は以下のとおりです。指定有限責任社員 業務執行社員:好田 健祐指定有限責任社員 業務執行社員:五代 英紀指定有限責任社員 業務執行社員:新田 將貴 ⅲ 監査業務に係る補助者の構成監査業務に係る補助者の構成は、公認会計士28人、その他103人であり、監査法人の監査計画に基づき決定されています。 ⅳ 継続監査期間1970年以降上記の継続監査期間は、プライスウォーターハウスクーパース(又はプライスウォーターハウス)のネットワークに属し、従前に当社の監査を実施していた、旧中央青山監査法人、旧青山監査法人及びその前身である旧プライスウォーターハウス公認会計士共同事務所並びに旧プライスウォーターハウス会計事務所内の個人事務所の監査期間を含めて算定しています。 ⅴ 会計監査人との連携三様監査(内部監査部門、監査役会、会計監査人)の相互連携については、内部監査部門、監査役会及び事業会社等の監査役が、定期的な連絡会等を通じて連携を強化し、当社グループとしての法令等の遵守及びリスク管理等に関する内部統制システムの有効性について確認しています。監査役会は、内部監査部門、会計監査人との間で監査計画の確認と意見交換を行うとともに、当社グループの期中レビュー並びに監査結果報告を受けています。また、監査上の主要な検討事項(KAM)についても意見交換を行い、確認しています。 ② 会計監査人の選定方針と理由当社の監査役会は、会計監査人の評価基準を定め、これに基づき会計監査人を評価した結果、当社の会計監査人として適切であると判断しています。会計監査人が会社法第340条第1項の各号のいずれかに該当すると認められる場合、当社の監査役会は監査役全員の同意により会計監査人を解任します。また、上記の場合のほか、会計監査人が職務を適正に遂行することが困難と認められる場合、監査役会は会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定し、取締役会は、当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出します。 ③ 監査役会による会計監査人の評価当社の監査役会が定める会計監査人の評価基準は、監査業務の品質管理の状況、外部機関による検査等の結果、監査チームの独立性及び専門性、報酬水準の妥当性、経営者、内部監査部門等とのコミュニケーションの状況、国内外の子会社への監査の状況並びに不正リスクに対する職業的懐疑心の発揮状況等を項目としています。さらに、当社の監査役会は、会計監査人から定期的な報告を受けるなど、年間を通じて会計監査人が適正に職務を執行しているかを監視、検証しています。 ④ 監査報酬の内容等Ⅰ 監査公認会計士等に対する報酬の内容区  分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)提出会社3105730655連結子会社181-184-合計4915749055 監査公認会計士等が実施した非監査業務の内容は以下のとおりです。(前連結会計年度)各種アドバイザリー業務等 (当連結会計年度)各種アドバイザリー業務等 Ⅱ 監査公認会計士等と同一のネットワーク(プライスウォーターハウスクーパース)に属する組織に対する報酬(Ⅰを除く)区  分前連結会計年度当連結会計年度監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく報酬(百万円)提出会社-11-8連結子会社817109873112合計817120873121 監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織が実施した非監査業務の内容は以下のとおりです。(前連結会計年度)提出会社: 税務関連業務、各種アドバイザリー業務等連結子会社:税務関連業務等 上記の他に、当社の非連結子会社が支払った又は支払うべき報酬があります。上記の金額に、当該非連結子会社に係る報酬を加えると、監査公認会計士等と同一のネットワークに属する者に対する、当連結会計年度の当社及び当社の子会社の監査証明業務に基づく報酬の額は819百万円、非監査業務に基づく報酬の額は121百万円になります。 (当連結会計年度)提出会社: 税務関連業務等連結子会社:税務関連業務等 上記の他に、当社の非連結子会社が支払った又は支払うべき報酬があります。上記の金額に、当該非連結子会社に係る報酬を加えると、監査公認会計士等と同一のネットワークに属する者に対する、当連結会計年度の当社及び当社の子会社の監査証明業務に基づく報酬の額は875百万円、非監査業務に基づく報酬の額は123百万円になります。 Ⅲ その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容(前連結会計年度)該当事項はありません。 (当連結会計年度)該当事項はありません。 Ⅳ 監査報酬の決定方針該当はありませんが、監査日数等を勘案した上で決定しています。 Ⅴ 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積の算出根拠などが適切であるかどうかについて必要な検証を行ったうえ、相当であると判断し、会計監査人の報酬等の額について同意しました。
設備の概要 FY2025 / 約791字
1 【設備投資等の概要】当社グループ(当社及び連結子会社)は、長期的に成長が期待できる製品分野における新規投資、能力拡大投資に重点を置くとともに、製品の信頼性向上やコストダウンを目的とした合理化、情報化、維持投資を行っています。当連結会計年度のセグメントごとの設備投資額(有形、無形固定資産(のれん除く)検収ベース数値)は次のとおりです。 当連結会計年度 前連結会計年度比ヘルスケア25,158百万円 59.0%住宅25,807百万円 81.9%マテリアル164,829百万円 131.3%その他697百万円 39.0%計216,491百万円 107.4%全社及びセグメント間取引消去5,833百万円 61.2%合計222,324百万円 105.4% (注) 2025年4月1日に研究開発等の機能の一部を「マテリアル」へ再編したことに伴い、第1四半期連結会計期間より、従来「全社及びセグメント間取引消去」に含めていた一部の研究組織等を「マテリアル」に含めて表示しています。それに伴い、前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。 当連結会計年度は、「マテリアル」セグメントを中心に、競争優位事業の拡大投資及び改良・合理化投資等2,223億円の投資を行いました。セグメントごとの主な投資内容は以下のとおりです。セグメントの名称設備投資の主な内容・目的ヘルスケア・ウイルス除去フィルター「プラノバ™」新紡糸工場建設・バイオ医薬品CDMOのBionova社の能力増強・合理化、情報化、維持更新 等住宅合理化、情報化、維持更新 等マテリアル・リチウムイオン電池用セパレータ「ハイポア™」の塗工能力増強、製膜・塗工一貫ライン建設・水力発電所改修・合理化、情報化、維持更新 等その他合理化、情報化、維持更新 等全社合理化、情報化、維持更新 等
従業員の状況 FY2025 / 約1,898字
(2) 【従業員の状況】(1) 連結会社の状況2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ヘルスケア10,388住宅13,093マテリアル20,377その他1,372全社2,665合計47,895 (注) 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用者数は重要性がないため記載していません。 (2) 提出会社の状況2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)8,23341.917.18,483,5196.0 セグメントの名称従業員数(人)マテリアル5,568全社2,665合計8,233 (注) 1 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用者数は重要性がないため記載していません。2 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでいます。3 平均年間給与の対前事業年度6%の増加は、従業員の処遇向上を目的とした継続的なベースアップに加え、業績拡大を反映した賞与の増額によるものです。 (3) 労働組合の状況当社及び一部の関係会社には、旭化成グループ労働組合連合会が組織されており、UAゼンセン製造産業部門に加盟しています。当連結会計年度中における労働組合との交渉事項は、賃金改定、労働協約改定等でありましたが、いずれも円満解決しました。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、4全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者旭化成及び5事業会社(注)36.395.771.777.568.9 旭化成7.799.476.683.269.3 旭化成ライフサイエンス7.397.792.994.482.0 旭化成ファーマ11.181.372.476.159.4 旭化成ホームズ3.486.959.361.474.3 旭化成建材1.5110.065.172.853.0 旭化成エレクトロニクス3.084.670.680.744.2 旭化成ライフサイエンスMT--65.666.379.5 旭化成不動産レジデンス0.090.058.258.1113.5 旭化成ホームズコンストラクション0.076.069.068.481.8 旭化成リフォーム19.0100.062.262.564.8 旭化成アドバンス8.440.064.665.069.3 旭化成電子(注)5-100.079.281.390.8 旭化成繊維延岡0.063.671.970.789.7 旭化成アミダス35.2116.783.589.877.1除派遣スタッフ旭化成ファインケム10.388.081.187.460.5 向陽プラントサービス6.350.087.587.189.8 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものです。2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。男性育児休業取得率は、前年産まれた子供に対する育児休業取得等の影響で100%を超える場合があります。3 旭化成及び5事業会社における男性の育児休業の平均取得日数は47.1日となっています。取得率100%、取得日数の長期化を目指し、管理職を含めた研修等の実施によるマインドセット及び風土改革、男性の育児休業取得促進に関する方針や関連制度等についての社内周知、男性育児休業取得者の事例収集・提供、情報発信に取り組んでいます。4 労働条件や賃金制度における性別の差異はありません。「正規労働者」の男女賃金差異は、上位等級への登用実績の男女差による影響です。上位等級への登用において男女差が生じていることに対して課題認識をしており、登用基準運用の見直しを行うとともに、KPIを定めて各部門での取り組みを進め、課題の解消に取り組んでいます。「全労働者」の男女賃金差異は、人員構成の影響を受けています。正規雇用労働者とパート・有期労働者の比率が男女で異なっており、女性の方がパート・有期労働者の水準の影響を受けやすい人員構成となっている結果です。5 2026年4月1日付で旭化成電子㈱と旭化成マイクロシステム㈱が合併し、旭化成エレクトロニクス製造㈱に社名を変更しています。
研究開発活動 FY2025 / 約8,190字
6 【研究開発活動】当社グループにおける研究開発活動は、各領域における研究・開発体制とコーポレート共通部門が経営基盤(事業、技術、人財)を 相互活用し、“旭化成だからこそ”のシナジーや非連続な価値の創出を目指すことを基本戦略としています。当社及び連結子会社の研究費、主たる研究開発活動の概要及び成果は以下のとおりです。 当連結会計年度 ヘルスケア53,654百万円 住宅3,672百万円 マテリアル47,545百万円 その他91百万円 計104,963百万円 全社5,575百万円 合計110,537百万円 1 コーポレートの研究開発における基本方針(1) コーポレート研究開発の機能コーポレートの研究開発(コーポレートR&D)は、研究開発におけるコア技術の育成・獲得・深耕及びイノベーションによる新事業創出、さらには全社における技術基盤機能を通して旭化成グループの持続的な成長の実現に向けた原動力となることを目指しています。2025年度より、主にマテリアル領域の研究を担っている組織を「マテリアル新事業開発センター」として一括りにすることで、より事業貢献を意識した体制としました。一方で、研究·開発本部は、旭化成グループ全体視点に基づいたテーマに集中することで事業側との役割分担を再構築し、研究・開発テーマのポートフォリオ最適化を進めています。 (2) 戦略分野等グループ全体の利益成長を牽引する「重点成長」事業(医薬、クリティカルケア、海外住宅、エレクトロニクス)とより中期的な視点での成長を目指す「戦略的育成」事業(ライフサイエンス、国内住宅、エナジー&インフラ)をコーポレートR&Dの戦略分野としてリソースを重点配分していきます。加えて、不確実な未来に向け、旭化成の多彩な技術ナレッジを起点として“旭化成だからこそ”のシナジーや非連続な価値を創出していくこともコーポレートR&Dの役割になります。研究開発を進めるにあたっては、オープンイノベーションを通じて共創による開発を進めるとともに社会実装を加速し、さらに、DX・AIや知的財産権のフル活用により無形資産の価値の最大化を図ります。これらの取り組みを通して、従来のモノ売り型の事業から、データ活用によるソリューション型の事業へと、研究・開発の段階から転換を加速していきます。 2 新事業創出に向けた研究開発の加速のための取り組み(1) CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の活動当社グループは、2008年に日本国内でCVCを設立し、2011年から米国を拠点として、スタートアップ企業への投資を通して最先端技術・ビジネスを獲得し、新事業の創出を行ってきました。現在は、米国、ドイツ、中国、日本の拠点でグローバルに活動の幅を広げ、これまで50社を超えるスタートアップ企業に投資を行っています。3年間で6,000万米ドルの投資枠を設けて、1社当たり500万ドルまでの投資に関しては本社での決裁を不要とするなど、スピーディな意思決定や手続きができるような仕組みを運用しています。2023年4月には、カーボンニュートラルに特化した「Care for Earth」投資枠を設定しました。水素、蓄エネルギー、カーボンマネジメント、バイオケミカルなどの環境分野の課題解決に取り組むアーリーステージのスタートアップ企業を対象に、2027年度までの5年間にグローバルで1億ドルの出資を実施していく予定です。この投資枠を使い、2023年12月にはアニオン交換型の水電解装置用の膜を開発するカナダのIonomr Innovations Inc.への出資参画を決定しました。 (2) オープンイノベーションによるミッシングパーツの取り込み研究テーマの探索/研究開発/事業開発のそれぞれの段階で、アセットライト、高付加価値化、スピードアップの実現へ向けて産官学のパートナーと連携を進めています。外部のオープンイノベーションプラットフォームも積極的に活用しており、一例として、サステナブルな価値の提供を目指すオープンイノベーションプログラム「Asahi Kasei Value Co-Creation Table」を2022年度から継続的に実施するなど、従来の商流にとらわれない新たなパートナーとの共創を加速しています。 (3) 社内基盤の強化(事業開発視点を重視した独自のアジャイル型ステージゲート管理や、オープンイノベーション文化の醸成)研究開発テーマのポートフォリオ管理や適切な資源配分を目的として、アジャイル型ステージゲート制度を導入しています。探索、研究、開発、事業開発、事業化準備の各ステージの要件や、各研究開発テーマのステージ上の位置付けを明確にし、研究開発テーマを次のステージに移行させる判断にあたっては、技術視点のみならず、顧客価値視点を重視し、ビジネスモデル、事業戦略、特許戦略、品質保証、製造、環境安全対応等、ステージごとに必要な審査を強化しています。さらに、審査プロセスを通じて、研究開発部門の内外のメンバーから多面的な助言を得ることや、各事業との連携を深め、既存事業との関係性の整理・明確化、パートナー連携の活用強化や出口戦略の多様化に取り組んでいます。また、研究開発に関わる高度専門人材があふれ出る仕組みの構築と風土の醸成へ向けて、働き方やDE&I、キャリア支援、組織の支援や個の支援の各場面において、挑戦・成長を促して多様性を拡げるためのキャリア施策とマネジメント施策を進め、社内での対話を通じた共創・イノベーションを目指しています。 3 主な研究開発活動(1) 当社グループ全体(コーポレート) ① 超イオン伝導性電解液技術のライセンス契約を締結旭化成が開発した超イオン伝導性電解液技術に関するライセンス契約をドイツの電池メーカーEAS Batteries社(以下、EAS社)と締結しました。本技術は、EAS社が新たに開発したリン酸鉄を正極に用いた円筒型の超高出力リチウムイオン電池に採用され、2026年3月に販売開始される予定です。旭化成とEAS社は、両社の技術を融合し、ドイツ連邦教育研究省の「HEADLINE」プロジェクトの支援も受け、次世代電池の開発を進めてきました。両社は本技術を世界中の自動車メーカーや電池メーカーへサブライセンスする取り組みにも合意しており、モビリティ分野への展開も目指しています。本取り組みは、旭化成が推進する無形資産を活用した新規事業創出の取り組み「TBC(Technology-value Business Creation)」に基づくものです。 ② ウルトラワイドバンドギャップ半導体を活用した次世代高周波デバイスの開発名古屋大学との共同研究により、ワイドバンドギャップ半導体として知られるシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)よりも広いバンドギャップを持つウルトラワイドバンドギャップ半導体である窒化アルミニウム(AlN)基板上にコヒーレント成長させたAlN/GaN/AlN 高電子移動度トランジスタ(HEMT)を実現し、従来のGaN HEMTと比べ2倍以上の耐圧性能、低抵抗化、そして電流コラプスの抑制を実証しました。本成果は、高周波デバイスの飛躍的な性能向上に直結するブレークスルーであり、次世代の通信やレーダーシステムにおける高周波・高出力デバイスへの展開が期待できます。 ③ 膜・セパレーション技術の開発当社グループのコア技術である相分離技術をベースに膜・セパレーション技術の研究開発を進めることにより、既存事業の強化に加えて、新たな事業展開を加速しています。Ⅰ バイオプロセスFO(正浸透)膜医薬品製造プロセスで使用されるバイオプロセスFO(正浸透)膜は、FOシステムとMD(膜蒸留)システムのハイブリッドにより、非加熱・非加圧で濃縮できるため医薬品の変性を防ぐとともに、凍結時間の短縮やエネルギー負荷の低減の実現を通じて医薬品製造プロセスを革新するものであり、既に複数の顧客候補と実証実験に取り組んでいます。Ⅱ アニオン交換型の水電解装置用の膜水電解にはアルカリ水電解型を含めていくつかの方式がありますが、性能・コストの両面で大幅な改善が期待される次世代膜として、アニオン交換型の水電解装置用の膜(Anion-Exchange Membranes、AEM)への展開にも取り組んでいます。2023年12月にCVCの「Care for Earth」投資枠で出資参画したカナダのIonomrが手掛けるアニオン交換型の水電解は、再生可能エネルギーを利用する際に特に求められる負荷変動対応で優れる他、希少金属を使わないことからコスト面でのポテンシャルも期待されています。今後、研究開発面での同社とのコラボレーションを進め、AEMに関する知見を蓄えるとともに、当社が保有する知見・技術を活用し、同社の膜の性能向上も支援していきます。 ④ 森林由来J-クレジット創出支援システムの開発当社発祥の地であり、多くの事業を展開する延岡市への地域貢献の一環として、2023年より、延岡市や延岡地区森林組合などと連携し、「森林由来J-クレジット推進協議会」において、延岡市の市有林を活用した森林クレジット創出に取り組んできました。森林クレジットの創出は作業負担の大きさや複雑さが課題とされており、そうした課題解決のため、当社はデータ管理や自動化のノウハウを活かし、森林クレジットの申請手続きを効率化するシステムを開発しました。本システムでは、都道府県、市町村、森林組合の持つ情報をデータベース化することで、上記の申請手続きを大幅に効率化し、従来は1.5~3カ月要していた作業を、約4~5日で完了できるようになりました。これにより、専門知識のない方でも短時間で森林クレジットの申請が可能になります。これまで課題となっていた申請作業の負担を軽減することで、森林クレジットの活用拡大が期待できます。森林クレジットの活用により、森林が資源として定量的に評価・価値化されることで、適切な森林管理が進み、CO₂吸収量の増大、環境保全や防災、地域経済の活性化が期待できます。本システムの活用により、延岡市においてクレジット申請のための業務量を約90%削減することに成功し、低コストでの森林クレジット調達を実現しました。 ⑤ 乳牛の乳房炎原因菌を迅速に検出する技術のライセンス契約の締結当社独自の乳牛の乳房炎原因菌を検出する技術を開発し、技術系専門商社エア・ブラウン株式会社と日本及びアジア・中東地域を対象としたライセンス契約を締結しました。当社では、ヘルスケア領域での感染症診断をターゲットとして、細菌検出技術の研究を進めてきました。その中で、幅広い細菌種に対する抗体ラインナップ及びさまざまな検体に対応する検査キット化ノウハウを獲得しました。今回、これらの技術を応用し、このたび、酪農業界において症例数が多く経済的影響が大きい感染症である乳牛の乳房炎に着目して、主要原因菌である大腸菌群、ブドウ球菌、レンサ球菌を検出できる当社独自の検査技術を開発しました。本技術を用いることで、専門技術がなくても、酪農家自身が乳汁中の細菌を約1時間で簡単に検出することが可能になります。それにより、乳房炎罹患例に対して的確な治療・対処方針を迅速に策定することが可能となり、酪農家の経済的損失の減少が期待できます。本取り組みは、旭化成が推進する無形資産を活用した新規事業創出の取り組み「TBC(Technology-value Business Creation)」に基づくものです。 ⑥ ウルトラワイドギャップ半導体技術のスタートアップULTEC社の設立2025年4月に旭化成発のスピンアウトベンチャーとなるULTEC(ウルテック)株式会社(以下、「ULTEC社」)を設立しました。ULTEC社は、窒化アルミニウム(AlN)を用いたウルトラワイドギャップ半導体技術を基盤に、深紫外線レーザーダイオード(UV-C LD)、遠紫外線LED、深紫外線センサ、高耐圧パワーデバイスなどの開発・事業化を進めるスタートアップです。このUV-C LD技術は、2025年6月、レーザー技術分野で世界的に権威のあるBerthold Leibinger Innovationspreis(ベルソルト・ライビンガー・イノベーション賞)にて第3位を受賞しました。ULTEC社は旭化成の持つ先進的な技術の新しい出口戦略の一環というミッションを担い、PoC(概念実証)と社外パートナーシップを通じ、UV-C LDの実用化とマーケットの拡大を目指します。 (2) 「ヘルスケア」セグメント医薬事業では、自社オリジナル製品の研究開発で培った経験をもとに、免疫領域(SLE、移植等)、整形外科領域(骨、疼痛等)及び救急領域を中心に、有効な治療方法がない医療ニーズを解決することによって、「健康でいたい」と願う世界中の人びとのQOL(Quality of Life)向上を図ることを目指して、積極的な研究開発を行っています。創薬技術や創薬シーズ、創薬テーマについては、世界中の企業や大学とのコラボレーションを積極的に推進することによって、絶えざる革新を日々進めています。ライフサイエンス事業では、治療の可能性を広げ、医療水準を向上させる製品、技術、サービスを提供するために、グループ総力を挙げた研究開発に取り組んでいます。グループのコア技術である膜、フィルター、吸着材等による濾過・分離技術を、化学、機械工学、医薬分野での幅広い知見や保有技術と高度に融合させることで、血液製剤や生物学的製剤のウイルス安全性確保やプロセスエンジニアリングをはじめとしたライフサイエンス分野における技術をさらに発展させていきます。2024年10月には高い透水性を特徴とした次世代ウイルス除去フィルター「プラノバ™ FG1」を発売しました。さらには医薬品製造プロセスにおいて凍結乾燥前の原料液を非加熱・非加圧で濃縮し、大幅な製造工程の短縮を可能とする独自技術を用いたFO膜/MD膜の事業化を目指す取り組みも開始しました。クリティカルケア事業では、革新的医療の提供に注力します。従来の心肺蘇生や心疾患領域における市場ポジションの継続的な強化に加えて、睡眠時無呼吸症領域に事業拡大していきます。Respicardia、Itamar、及びZOLLの「LifeVest®」が持つ強みと市場チャネルを統合することで、心疾患と関連があると言われる睡眠時無呼吸症に対して高度な診断・治療ソリューションを提供していきます。 (3) 「住宅」セグメント住宅事業では、「ロングライフの実現」を支えるコア技術について、重点的な研究開発を続けています。シェルター技術については、安全性(耐震・制震技術、火災時の安全性向上技術)、耐久性(耐久性向上・評価技術、維持管理技術、リフォーム技術)に加えて、居住性(温熱・空気環境技術、遮音技術)、環境対応性(省エネルギー技術、低炭素化技術)の開発を行っています。教育・研究機関や企業との連携による研究開発、技術開発も進めており、2025年4月に旭化成ホームズ㈱が、学校法人麻布獣医学園と都市部における人とペットの共生を軸としたすまいづくり、環境づくり、コミュニティづくりを通しての地域・社会貢献と社会のウェルビーイングを目指すことを目的とした寄附講座を設置しました。また、2025年11月より当社、旭化成ホームズ㈱、積水化学工業株式会社、積水ハウス株式会社及び株式会社CFPの5社で、住宅の建築現場で発生する給水給湯管の施工端材を回収して再生製品として生まれ変わらせ、再び施工する資源循環スキーム構築に向けた取り組みを行っています。さらに、AIとデータサイエンス技術を活用して、お客様の暮らしを豊かにする多角的なサービスを提供するデジタルサービスプラットフォームの構築を目指した取り組みを行っています。2021年にはIoTを活用した宅配物の受け取りやセキュリティレベルを選択可能にした収納空間「スマートクローク・ゲートウェイ」の運用を開始しており、今後もさらに生成AIの開発を進め、住宅全体への展開を目指していきます。建材事業では、軽量気泡コンクリート(ALC)、フェノールフォーム断熱材、杭基礎、鉄骨造構造資材の4つの事業分野において基盤技術の強化を推進しています。2026年度からは、「安全で快適なくらしを創造します」「独自の技術とパートナーシップで未来を支える新たな価値を提供します」という新たな企業理念・ビジョンを掲げています。 (4) 「マテリアル」セグメントエナジー&インフラ事業のセパレータ事業では、高分子設計・合成、製膜加工や塗工などのコア技術を活かして、「省資源・省エネルギー・コストダウン」「環境負荷軽減」「再生可能エネルギーの普及」に向けた開発を推進しています。電気自動車等の環境対応車、電子機器、電動ツールや蓄電システム用途に展開するリチウムイオン電池用高機能セパレータ等の環境・エネルギー関連素材の展開に注力していきます。また、電池素材メーカーとして蓄積したデータをもとにした、電池の耐久性や寿命、航続距離を伸ばすソリューションの開発・展開も併せて検討していきます。イオン交換膜事業では製造型リカーリングを推進しており、「メンテナンス最適化」「トラブルレス」「運転条件最適化・簡易化」の顧客課題をソリューション開発により解決するため、顧客とのデータ基盤の構築やシステムの構築に向けた取り組みを行い、ソリューション提案を推進しています。また、イオン交換膜法食塩電解事業で構築した事業基盤を、アルカリ水電解水素製造のビジネスへ展開しており、両事業が一体となって成長を目指していきます。大規模アルカリ水電解システム「Aqualyzer™」に加えて、新たに導入したコンテナ型アルカリ水電解システム「Aqualyzer™-C3」を駆使して、実証を強力に推進するとともに、2028年度には、クリーン水素製造用のアルカリ水電解システムと塩素・苛性ソーダ製造用のイオン交換膜法食塩電解プロセスの両方に対応した電解用枠・電解用膜が併産できる生産設備を稼働させる予定です。カーインテリア事業の自動車内装材事業では、環境負荷低減に貢献する取り組みとして、スエード調人工皮革「Dinamica®」のリサイクル原料比率向上やモノマテリアル化などを通じたサステナビリティ強化など、リサイクル性の高い素材やバイオマス由来原料の積極的な活用を検討しています。エレクトロニクス事業の電子材料事業では、微細化、高集積化、高速化を支える最先端半導体・実装プロセス革新に向け、感光性ポリイミド「パイメル™」や感光性ドライフィルム「サンフォート™」、プリント配線板用ガラスクロスなど先進・独自の技術による高付加価値製品の展開を進めています。また最先端パッケージの開発に向けて、データ駆動型の研究インフラを独自で構築し、実験・評価の自動化と実証スピードを飛躍的な向上を実現します。これまでに培った知財データとマテリアルズ・インフォマティクス(MI)も活用して、開発競争力の強化を図っています。電子部品事業では、デジタル社会の進展に対応し、「音」「磁気」「ガス」のセンシング技術を主軸に、省エネ・健康・快適に繋がるソリューションを提供できる技術及び製品の開発を推進しています。豊富な技術資産と柔軟なエンジニア組織運営により、センサ技術、アナログ信号処理技術、アルゴリズム技術等を融合し、独自のソフトウェアを活かした高機能電子部品の開発に取り組んでいきます。特に電気自動車(EV)化に伴うパワー系のセンシングソリューション、またサウンドマネジメントソリューションのトレンドを的確に掴んだ、特徴のあるソリューション提案を進めています。
株式の保有状況 FY2025 / 約3,542字
(5) 【株式の保有状況】① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式に区分しています。「純投資目的」とは専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合としていますが、当事業年度末時点での保有残高はありません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式Ⅰ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、純粋な投資目的以外の目的で保有する株式(政策保有株式)の保有とその議決権行使に関して、以下を方針とします。ⅰ 当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、事業・業務提携、資金調達、サプライチェーンの確保・拡充、取引関係の維持・強化等、事業戦略・経営戦略の一環として必要と判断する企業の株式を保有します。ただし、政策保有株式全体についての株価変動リスクや保有に伴うコスト、資本効率等を考慮し、保有量の縮減を継続的に進めます。ⅱ 個別の政策保有株式については、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から、保有の意義、効果、経済合理性等について定性・定量両面での評価を毎年定期的に実施し、取締役会で検証します。定性的な評価においては、株式保有を通じて当該企業との取引や提携関係による便益・シナジー等のビジネスメリットが中長期的に得られているか、保有しない場合にどのようなデメリットがあるかといった視点で検証します。定量的な評価においては、株式保有によって得られる取引収益等、事業戦略・経営戦略上の利益をできるだけ定量化するとともに、配当収益も参考にしながら、資本コストを上回る経済効果が得られているかを中期的視点で総合的に検証します。なお、これらの検証の結果、保有の目的に合致しなくなったと判断される株式又は保有効果がコスト・リスクに見合わないと判断される株式については、当該企業の状況を勘案したうえで、売却等による縮減を進めます。(非上場株式以外の株式については、当事業年度は10銘柄、46,980百万円、前事業年度は11銘柄、36,424百万円の売却を実行しました。)ⅲ 政策保有株式の議決権の行使については、議案毎に当社及び投資先企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであるか等を総合的に検討・判断し、行使します。 Ⅱ 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式10810,305非上場株式以外の株式1216,112 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式91,240事業・業務提携等の戦略遂行のため(CVC活動によるベンチャー企業への出資等)非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式12960非上場株式以外の株式1046,980 Ⅲ 特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報    特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由(注) 1当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)センコーグループホールディングス株式会社3,645,12611,676,726当社グループと原材料、製品の運輸関連取引等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。有6,54517,609セーレン株式会社1,624,0002,436,000「マテリアル」セグメントにおいて不織布、キュプラ繊維の製品販売等、及び原材料購入等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。有5,0105,968株式会社宮崎銀行175,294175,294当社グループと資金調達、決済など資金取引等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。有1,559580株式会社大阪ソーダ733,2001,466,400「マテリアル」セグメントにおいてアクリロニトリル、イオン交換膜の製品販売等、及び原材料購入等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。有1,2522,381Xeris Biopharma Holdings, Inc.447,686447,686CVCの活動として、最先端技術・ビジネスを獲得し、新事業を創出するため保有しています。無415368旭精機工業株式会社148,900148,900「マテリアル」セグメントにおいて化薬の製品販売等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。有351303アツギ株式会社345,100345,100「マテリアル」セグメントにおいてポリウレタン繊維の製品販売等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。無315380株式会社ニッチツ100,000100,000事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。無223171 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由(注) 1当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)三共生興株式会社225,000225,000「マテリアル」セグメントにおいてキュプラ繊維の製品販売等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。有195139北越コーポレーション株式会社130,000130,000「マテリアル」セグメントにおいて接着剤の製品販売等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。無119159株式会社東京ソワール80,00080,000「マテリアル」セグメントにおいてキュプラ繊維の製品販売等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。有8467昭和パックス株式会社15,00015,000「マテリアル」セグメントにおいてポリエチレンの製品販売等、及び原材料購入等を行っており、事業活動の円滑化、取引関係の維持、強化及び今後の事業提携など長期的経営戦略遂行のため保有しています。無4528積水化学工業株式会社-4,693,049当事業年度末日において、同社株式は保有していません。無-11,941株式会社三井住友フィナンシャルグループ-1,690,700当事業年度末日において、同社株式は保有していません。無(注) 2-6,416株式会社みずほフィナンシャルグループ-940,900当事業年度末日において、同社株式は保有していません。無(注) 2-3,812株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ-1,120,660当事業年度末日において、同社株式は保有していません。無(注) 2-2,254東京海上ホールディングス株式会社-264,000当事業年度末日において、同社株式は保有していません。無(注) 2-1,514 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由(注) 1当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)イオン九州株式会社-120,000当事業年度末日において、同社株式は保有していません。無-291株式会社サンエー化研-75,000当事業年度末日において、同社株式は保有していません。無-42 (注) 1 保有株式の定量的な保有効果については、秘密保持等の観点から記載が困難です。保有の合理性については、Ⅰⅰⅱに記載のとおり当社取締役会で検証しています。2 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
関係会社の状況 FY2025 / 約3,723字
4 【関係会社の状況】関係会社名住所資本金主要な事業の内容議決権に対する所有割合(%)関係内容(連結子会社) 旭化成ファーマ㈱東京都千代田区3,000百万円ヘルスケア100.0当社は用役を供給しています。土地等の賃貸…有資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有Veloxis Pharmaceuticals, Inc. (注) 3,5North Carolina,U.S.A.2,082百万米ドルヘルスケア100.0役員の兼任等…有Calliditas Therapeutics AB (注) 3Stockholm, Sweden2,527百万スウェーデンクローナヘルスケア100.0資金の貸付・借入…有旭化成ライフサイエンス㈱東京都千代田区3,000百万円ヘルスケア100.0当社は用役を供給し、原材料を提供しています。土地等の賃貸…有資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有Bionova Scientific, LLC.(注) 3California, U.S.A.473百万米ドルヘルスケア100.0(100.0)-Asahi Kasei Bioprocess Europe S.A./N.V.Brussels, Belgium1百万ユーロヘルスケア100.0(100.0)-ZOLL Medical Corporation(注) 3,5Massachusetts,U.S.A.1,878百万米ドルヘルスケア100.0(100.0)役員の兼任等…有旭化成ホームズ㈱(注) 5,6東京都千代田区3,250百万円住宅100.0当社は用役を供給しています。土地等の賃貸…有資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有旭化成不動産レジデンス㈱東京都千代田区3,200百万円住宅100.0(100.0)資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有旭化成リフォーム㈱東京都千代田区250百万円住宅100.0(100.0)資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有Focus Companies LLC(注)5Nevada, U.S.A.255百万米ドル住宅100.0(100.0)-ODC Operations LLC(注)5Florida, U.S.A.251百万米ドル住宅100.0(100.0)-Asahi Kasei Homes Australia Pty Ltd.New South Wales,Australia387百万豪ドル住宅100.0(100.0)-NEX Building Group Pty LtdNew South Wales,Australia87百万豪ドル住宅81.9(81.9)-Erickson Framing Operations LLCArizona, U.S.A.31百万米ドル住宅100.0(100.0)-旭化成建材㈱東京都千代田区3,000百万円住宅100.0当社は用役を供給しています。土地等の賃貸…有資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有 関係会社名住所資本金主要な事業の内容議決権に対する所有割合(%)関係内容旭化成エレクトロニクス㈱東京都千代田区3,171百万円マテリアル100.0当社は用役を供給しています。土地等の賃貸…有資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有Sage Automotive Interiors, Inc. (注) 3,5South Carolina,U.S.A.981百万米ドルマテリアル100.0(100.0)当社は製品を販売しています。役員の兼任等…有旭化成バッテリーセパレータ㈱ (注) 5東京都千代田区39,000百万円マテリアル100.0当社は用役を供給し、製品を販売しています。土地等の賃貸…有資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有Asahi Kasei Battery Separator Canada Corporation (注) 5Ontario, Canada1,131百万加ドルマテリアル100.0(100.0)資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有Asahi Kasei Honda Battery Separator Corporation(注) 5Ontario, Canada240百万加ドルマテリアル75.0(75.0)役員の兼任等…有PolyporeInternational, LLC(注) 3North Carolina,U.S.A.2,233百万米ドルマテリアル100.0(100.0)当社は一部の業務を受託しています。役員の兼任等…有旭化成アドバンス㈱東京都港区500百万円マテリアル100.0当社は製品を購入及び販売しています。資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有旭化成ホームプロダクツ㈱東京都千代田区250百万円マテリアル100.0当社は製品を販売しています。 役員の兼任等…有旭化成精細化工(南通)有限公司中国江蘇省532百万元マテリアル100.0(100.0)当社は製品を購入及び販売しています。役員の兼任等…有Asahi Kasei Plastics Singapore Pte. Ltd.Singapore46百万米ドルマテリアル100.0当社は原材料を供給し、製品を購入しています。役員の兼任等…有Asahi Kasei Plastics (America) Inc. (注) 3Michigan, U.S.A.19百万米ドルマテリアル100.0当社は原材料を供給しています。役員の兼任等…有旭化成塑料(上海)有限公司中国上海市18百万元マテリアル100.0(100.0)当社は製品を販売しています。役員の兼任等…有 関係会社名住所資本金主要な事業の内容議決権に対する所有割合(%)関係内容PSジャパン㈱東京都文京区5,000百万円マテリアル62.1当社は原材料及び用役を供給し、製品を購入しています。役員の兼任等…有Asahi Kasei Synthetic Rubber Singapore Pte. Ltd. (注) 5Singapore252百万米ドルマテリアル100.0当社は製品を購入しています。役員の兼任等…有Tongsuh Petrochemical Corporation(注) 5Ulsan, Korea237,642百万ウォンマテリアル100.0当社は原材料等を供給し、製品を購入しています。役員の兼任等…有Asahi Kasei Europe GmbH(注) 3Düsseldorf, Germany31百万ユーロマテリアル100.0当社は製品を販売しています。また、当社は一部の業務を委託しています。役員の兼任等…有Asahi Kasei America, Inc.Michigan, U.S.A.4百万米ドルその他100.0当社は一部の業務を委託しています。役員の兼任等…有Asahi Kasei Holdings US, Inc.(注) 5Michigan, U.S.A.2,657百万米ドルマテリアルヘルスケアその他100.0資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有旭化成(中国)投資有限公司(注) 5中国上海市2,214百万元マテリアルヘルスケアその他100.0当社は一部の業務を委託しています。役員の兼任等…有その他250社 関係会社名住所資本金主要な事業の内容議決権に対する所有割合(%)関係内容(持分法適用関連会社) ㈱カイノス (注) 7東京都文京区831百万円ヘルスケア21.1(21.1)-㈱森組 (注) 7大阪府大阪市中央区1,640百万円住宅30.3(30.3)-三菱ケミカル旭化成エチレン㈱東京都千代田区2,000百万円マテリアル50.0当社は製品を購入しています。土地等の賃貸…有資金の貸付・借入…有役員の兼任等…有PTT Asahi ChemicalCo., Ltd.Rayong, Thailand14,819百万バーツマテリアル50.0役員の兼任等…有旭有機材㈱ (注) 7宮崎県延岡市5,000百万円その他30.8当社は用役を供給しています。その他31社 (注) 1 主要な事業の内容の欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。2 役員の兼任等については、役員の兼任(当社役員又は従業員で当該関係会社の役員を兼務している者)及び出向(当社従業員で当該関係会社の役員として出向している者)を表示しています。3 資本金及び資本準備金の合計を記載しています。4 議決権に対する所有割合の欄の( )内は、間接所有割合で内数です。5 特定子会社に該当します。6 旭化成ホームズ㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。主要な損益情報等 (1) 売上高 464,783百万円         (2) 経常利益 55,437百万円         (3) 当期純利益 127,505百万円         (4) 純資産額 247,125百万円         (5) 総資産額 444,923百万円7 有価証券報告書を提出しています。
サステナビリティ FY2025 / 約10,584字
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】[サステナビリティ全般]当社グループでは、サステナビリティの追求を経営の柱として位置づけており、2021年度に「サステナビリティ基本方針」を制定しました。同方針は、グループとしてのサステナビリティに関する姿勢を示すとともに、経営や事業活動の軸となるものであり、グループミッションである「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献」するため、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つのサステナビリティの好循環を追求すること、その実現に最適なガバナンスを追求すること、そして、①持続可能な社会への貢献による価値創出、②責任ある事業活動、③従業員の活躍の促進、の3点を実践することを掲げています。近年、地政学的リスクの高まりや社会の分断などを背景に、世界情勢の不安定性や不透明感が増しています。こうした環境下において、「サステナビリティ」や「ESG」に逆行する動きが一部に見られますが、当社グループは今後も一貫して、2つのサステナビリティの好循環を追求していきます。 ■ ガバナンス当社では、サステナビリティ全般に関する課題を共有し、議論や方向づけを行う場として、社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。また、サステナビリティ関連テーマの内、特に横断的に進めるべきテーマについて、個別の委員会として「リスク・コンプライアンス委員会」「環境安全・品質保証委員会」「DE&I委員会」「人権専門委員会」「地球環境対策推進委員会」を設置しています。これらの委員会では、委員長のもと、事業部門責任者や関係するスタッフ部門の責任者等の委員が議論や方針確認などを行い、グループ全体戦略の立案・推進や事業経営の実行等につなげています。取締役会はサステナビリティに関する様々な事項について監督と助言を行うとともに重要な事項について決定をしています。2025年度には、気候変動・自然資本・人権尊重などの個別テーマを取り上げた他、サステナビリティ情報の法定開示に向けた準備状況についての審議、サステナビリティ重要課題の決定などを行いました。また、サステナビリティ関連事項を含む中期経営計画や年度経営計画、リスクマネジメントや内部統制、取締役会実効性向上などについても議題としています。取締役会はスキル・マトリックスに記載のとおり、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、人権対応等をはじめとするサステナビリティの課題を経営レベルで監督した経験や専門性を有するメンバーを複数含んでおり、幅広いサステナビリティの課題について、リスクと機会を多面的に認識し、監督できる構成としています。役員報酬においては、業績連動報酬について、グループ連結の営業利益、ROIC等の財務指標の達成度とともに、サステナビリティの推進を含む個別に設定する目標の達成度を踏まえた総合的な判断を踏まえて算出しています。また、株式報酬については、株式交付数の決定に従業員エンゲージメント、ダイバーシティ、企業価値に関する業績目標の達成度が加味される制度となっています。役員報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況 (4)役員の報酬等」をご参照ください。 サステナビリティマネジメント体制・サステナビリティ推進委員会の目的、構成メンバー、開催頻度(目的)サステナビリティに関する社内外の情報共有、及びこれに基づく活動方針についての審議など(構成メンバー)委員長:代表取締役社長委員:グループ全体をカバーする事業部門とスタッフ部門の役員オブザーバー:取締役会長、常勤監査役事務局:サステナビリティ推進部(開催頻度)年1回 ■ 戦略当社グループは、サステナビリティ基本方針のもと、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つのサステナビリティの好循環の追求により、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献」するというグループミッション、及び「健康で快適な生活」と「環境との共生」により社会に新たな価値を提供するというグループビジョンの実現に取り組んでいきます。取り組みにおける重点事項がサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)です。サステナビリティに対する社会からの期待の高まりを踏まえ、企業価値に影響を及ぼし得るサステナビリティ関連の機会とリスクを再分析し、2025年度にマテリアリティの見直しを行いました。新たなマテリアリティは、当社グループの中長期的なフリー・キャッシュ・フローの創出や事業成長率の向上につながる事業成長の機会に関する項目と、資本コストの低減や不測の損失の回避につながる事業基盤の強化に関する項目で構成されています。 マテリアリティへの取り組みを適切なガバナンスのもとに推進することで、企業価値の向上を進めます。 当社の企業価値に影響が大きいマテリアリティ項目、及びその特定プロセスは以下のとおりです。マテリアリティ関連する取組み健康・長寿への貢献健康・長寿に貢献する製品・サービスの提供安心で快適なくらしへの貢献安心で快適なくらしに貢献する製品・サービスの提供Green Transitionへの取り組み脱炭素社会への貢献・社会のGHG排出量削減に貢献する製品/サービスの提供・当社のGHG排出量削減循環型社会に向けた事業体への進化自然災害への備え汚染防止有害物質・懸念物質の適切な管理イノベーションを生み出す企業文化グループミッション・ビジョンの浸透人財の確保・育成と多様性の尊重人財の確保と終身成長・共創力の強化コンプライアンスコンプライアンスリスクの低減安全・品質(労働安全衛生、保安防災、品質保証)・事業活動における安全の確保・確信ある品質の実現 マテリアリティの検討にあたっては、まず、当社グループの理念体系、中期経営計画、各事業の概況等に基づき、ESRS(注) 1、SASB(注) 2スタンダード等の国際的な基準を参照し、当社の企業価値に影響を与えうるサステナビリティ関連の機会とリスク及び当社事業が社会に与えうる影響をリストアップしました。続いて、影響度合いや発生可能性の観点から設定した評価基準に基づいて重要性を評価し、重要と評価した機会・リスク・影響をカテゴリーごとに整理した上で、実務レベル・経営会議・取締役会での議論を経て、2026年3月取締役会にて新たなマテリアリティ項目を決定しました。なお、本件に関する経営会議・取締役会での議論は、2025年度中に各3回行っています。(注) 1 European Sustainability Reporting Standards (欧州サステナビリティ報告基準)2 Sustainability Accounting Standards Board (サステナビリティ会計基準審議会) ■ リスク管理多様なリスクを的確に認識するとともに、事業機会を積極的に捉えていくため、当社では「サステナビリティ推進委員会」をはじめとした各委員会で情報共有や議論を行うとともに、中期経営計画の毎年の見直しや年度経営計画の議論の中でリスクと機会の確認を行っています。特にリスクについては取締役会による包括的な監督のもと、グループレベルのリスクと事業に固有のリスクの両面からリスク管理を行うこととしており、取締役会でリスク項目の選定を行い、リスク対応の推進状況などを定期的にモニタリングしています。サステナビリティに関する事項を含む具体的なリスクに関する認識と管理体制は「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ■ 指標と目標「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」では、当社グループにおけるサステナビリティ関連の機会とリスクに関連するものとして、以下を主な目標としています。・GHG排出量(Scope1+Scope2): 2035年度 40%以上削減(2013年度比)・GHG削減貢献量: 2035年度 2.5倍以上(2020年度比)・ラインポストと高度専門職における女性比率: 2030年度 10.0%・従業員の活力指標: 従業員エンゲージメント調査における好意的な回答者割合 2027年度 60.0%また、前提の一つである「安全」については、「休業災害件数」「休業度数率」等により管理し、徹底を図っています。新たなマテリアリティに関連する指標・目標については、現在検討中です。 [個別重要課題](1)気候変動■ ガバナンス当社グループでは気候変動に関する取り組みを中心とするグリーントランスフォーメーション(GX)を重要な経営課題と捉え、経営戦略の中核テーマの一つと位置づけて取り組んでいます。気候変動に関する方針や重要事項は取締役会で、また、関連する具体的事項は経営執行の意思決定機関である経営会議で、決定または確認を実施しています(機会・リスクの認識、中期経営計画、GHG排出量の削減目標、設備投資計画など)。なお、スキル・マトリックスに記載のとおり、取締役会は気候変動戦略について監督する適切なスキル及びコンピテンシーを有する取締役で構成しています。当社グループでは、取締役会・経営会議での気候変動に関する決定を事業レベルで推進するため、社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、事業の各執行責任者が気候変動を含むサステナビリティに関する課題の共有と議論を実施しています。委員会の結果は取締役会に報告され、全社での取り組みのあり方等についての議論につなげています。さらにサステナビリティ推進委員会の下部組織である「地球環境対策推進委員会」では、GX推進担当役員を委員長として、事業、製造統括、生産技術、研究・開発の本部長等が環境全般についての課題の共有、議論を実施しています。GHG削減目標達成に向けては、GX推進担当役員のもと、カーボンニュートラル推進プロジェクトにて全体を俯瞰しながらシナリオを検討し、具体策を進めています。重要な事項については、社長・経営企画担当役員等に随時情報共有をしつつ、方向性の確認を定期的に実施しながら進めています。また、GX推進担当役員のもと、サーキュラーエコノミー推進プロジェクトにて、サーキュラーエコノミーに関する当社の方針や方向性を検討し、各取り組みの進捗管理と推進を行っています。 ■ 戦略[分析の前提]産業革命以前に比べての気温上昇を「+1.5℃」に抑制していくためにGHG排出を強力に抑制するシナリオとして、WEO: Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)を、温暖化対策が十分に進まずに気温上昇が「+4.0℃」になっていくシナリオとして、IPCC SSP3-7.0を適用しています。 当社グループにおける機会とリスクは以下のとおりです。[機会]当社グループはカーボンニュートラルな社会への転換をはじめとするメガトレンドを見据え、事業ポートフォリオ変革を推進しています。2025年度からの中期経営計画の3年間で、「重点成長」事業と位置付ける医薬事業、クリティカルケア事業、海外住宅事業、エレクトロニクス事業や「戦略的育成」事業と位置付けるエナジー&インフラ事業等に約6,000億円の拡大関連投資の意思決定をする計画です。気候変動に関する機会に向けた投資もその中で行います。当社では新技術の取り込みや協業を狙いとしてCVC(Corporate Venture Capital)による投資活動を行っていますが、気候変動対応等についても“Care for Earth投資枠”(2023~2027年度の5年間に1億米ドル)を設定し、環境分野のスタートアップ企業への投資を行っています。当社グループの事業展開の方向性は、気候変動の緩和及び適応において様々な製品・サービスを事業機会として提供しうると認識し、取り組みを進めています。 [1.5℃シナリオ]重要な変化主な機会発現時期カーボンニュートラルな社会への移行・ZEH、ZEH-M普及の促進・再生可能エネルギーの需要拡大・省エネニーズの高まり・カーボンニュートラルな製品・サービスの需要拡大短期~中期EVの普及・EV関連需要の拡大(電池用部材、自動車軽量化素材)短期~中期水素社会の到来・再生可能エネルギーを活用した水電解の需要拡大中期循環型経済への移行・循環型経済に適合する製品・サービスの需要拡大短期~中期デジタル市場の拡大・カーボンニュートラルに向けた社会や生活、産業におけるデジタルソリューション短期 [4.0℃シナリオ]重要な変化主な機会発現時期風水害の甚大化・災害に強い住宅ニーズの高まり中期気温の上昇・断熱性能へのニーズの高まり短期熱中症・感染症の拡大・関連医薬品・医療機器の需要拡大中期 * 短期:~2030年 中期:2030年~2040年 [リスク]「+1.5℃」シナリオでは、主としてカーボンニュートラルに向けたカーボンプライシング等の政策による規制が強まるとともに、カーボンニュートラルに適した素材への需要シフトをリスクとして想定しています。さらに、循環型経済への移行加速やカーボンニュートラルな社会に向けた革新技術の登場による市場構造変化もリスクとして想定しています。「+4.0℃」シナリオでは、主として酷暑・大雨・洪水などの物理的リスクを想定しています。特に、国内外の主要拠点における、風水害の甚大化による製造拠点の被災とその損害をリスクとして認識しています。これらのリスクは濃淡がありながらも、今後の気候変動の中でいずれも発現しうるものと当社では捉えており、リスク低減の取り組みを進めていきます。具体的には、「+1.5℃」シナリオでは、エネルギー使用の効率向上、再生可能エネルギーの活用拡大、リサイクル技術の開発・社会実装、経営資源配分の見直し等を進めていきます。「+4.0℃」シナリオでは、BCP(事業継続計画)の継続的見直しや事前対応強化(在庫水準見直し、複数購買検討等)、住宅建設現場での熱中症対策等を進めていきます。 [1.5℃シナリオ]重要な変化主なリスク発現時期カーボンニュートラルな社会への移行・規制強化によるコストアップ(製造、原材料)・素材ニーズの変化(カーボンニュートラル要求、必要スペック)・カーボンニュートラルへの取り組み状況の点からの投資家や顧客による会社選別、社会での評判低下短期~中期市場構造の変化・循環型経済への移行による既存市場の縮小・代替技術の進展による既存市場の縮小中期 [4.0℃シナリオ]重要な変化主なリスク発現時期風水害の甚大化・“物的”生産リスク・工場被災による生産停止・サプライヤー被災による原料供給網の寸断短期~中期気温の上昇・“人的”生産リスク・製造・物流・建設等現場での労働環境悪化、生産性悪化短期 * 短期:~2030年 中期:2030年~2040年 ■ リスク管理当社グループは、上記シナリオにおいて生じうる事業の現在及び将来への影響について、発生可能性と影響度などの観点から、機会・リスクの識別をしています。また、気候変動に関する基本データとして、GHG排出量のScope1、Scope2及びScope3(主要なカテゴリー)について、第三者保証を伴う排出量実績を毎年把握しています。把握した排出量実績は、目標への進捗状況と併せ、カーボンニュートラル推進プロジェクトで共有し、今後の取り組みを議論・確認しており、さらに中期経営計画の策定や毎年の見直しの中でもGHG排出量削減への取り組み等を確認し、事業戦略や施策につなげています。設備投資においては、インターナルカーボンプライシング(ICP)を考慮して採算性を評価し、投資判断に活用しています。なお、ICPの価格は、国際エネルギー機関(IEA)が予測する炭素価格や市場価格、当社グループでのカーボンニュートラルに関するコスト見通しなどを考慮し、設定しています。 ■ 指標と目標当社グループは、以下の指標を気候変動の機会・リスクに関係するものとして位置づけています。 目標と実績指標の意味GHG排出量目標:2030年30%以上の削減(国内:46%削減)Scope1,2の削減状況を示します 2035年40%以上の削減(国内:60%削減) ※いずれも2013年対比 2050年カーボンニュートラルの達成 実績:2024年度320万t-CO2e(37%削減) GHG排出量/営業利益実績:2024年度0.15万t-CO2e/億円低下は炭素税リスクの低減を示します その他関連事項インターナルカーボンプライシング(ICP)15,000円/t-CO2で投資判断、表彰制度等に活用役員報酬での気候変動課題の反映取締役報酬の30%を占める金銭業績連動報酬は、財務目標の達成度とサステナビリティの推進(GHG排出量削減等)を含む非財務目標の達成度の両面を組み合わせて構成 * GHG排出量はScope1,2が対象。7種類のGHG(CO₂、CH₄、N₂O、HFCs、PFCs、SF₆、NF₃)を対象としている。 また、バリューチェーン全体の観点から社会のGHG排出量の削減等に貢献する製品・サービス(環境貢献製品)のGHG削減貢献量を2020年度比で2030年2倍以上、2035年2.5倍以上にするという目標を掲げています。 (2) 人的資本・多様性■ 戦略、指標と目標「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。 (3) その他① サーキュラーエコノミー当社グループでは、限りある資源を持続可能なものとして活用していくための取り組みを様々な切り口から進めています。例えば、基礎化学品である苛性ソーダと塩素を製造するプロセスを販売するイオン交換膜法食塩電解事業においては、プロセスの部材である電解セル及びその内部に組み込まれる電極に使用される金属リサイクルの実証をNobian Industrial Chemicals B.V.、株式会社フルヤ金属、Mastermelt Ltdと共同で開始しました。また、電解セルの製造工程で発生する純チタンスクラップを純チタン原料として再資源化するリサイクルスキームを日本製鉄株式会社、日鉄物産株式会社との協業で構築しました。これらの取り組みを通じて、クロールアルカリ業界における金属リサイクルのエコシステム構築を図っていきます。当社グループ複数領域(マテリアル、住宅)と他社との協業の取り組みとして、旭化成㈱、旭化成ホームズ㈱、積水化学工業株式会社、積水ハウス株式会社、株式会社CFPの5社で、住宅の建築現場で発生する給水給湯管の施工部材を回収して再生製品として生まれ変わらせ、再び施工する資源循環スキーム構築に向けた取り組みを開始しました。5社がタッグを組むことで、さらなる資源循環の輪を拡げる挑戦を続けていきます。また、三井化学株式会社、三菱ケミカル株式会社と共同でのグリーン基礎化学品の商用生産開始に向けて、バイオエタノールからエチレン、プロピレン等のグリーン基礎化学品を製造する技術「Revolefin」を用いた初期生産設備を当社水島製造所に設置する予定です。設備性能・運転・操作面に関する確認を経て、2034年度の商用生産開始を目指していきます。当社グループでは複数の製品について、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証を取得しています。当認証は、製品がバイオマス原料や再生原料等を使用して製造されていることを、サプライチェーンでのマスバランス方式管理の観点も含め、第三者機関が確認・認証します。当社グループは、顧客や社会からの期待に応じ、当認証取得製品を提供していきます。なお、プラスチックや循環経済に関する諸課題への対応は、同業他社を含むバリューチェーンの各社での共通的なテーマでもあることから、当社グループはクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)、循環経済パートナーシップ(J4CE)、サーキュラーパートナーズ(CPs)、一般社団法人日本化学工業協会、日本プラスチック工業連盟等のアライアンスや業界団体の活動にも参画し、課題への取り組みを他社と共に推進しています。 ② 責任ある事業活動■ 環境安全・品質保証活動当社グループは、あらゆる事業活動において健康、保安防災、労働安全衛生、品質保証及び環境保全を経営の最重要課題と認識し、開発から廃棄に至る製品ライフサイクルのすべてにわたり配慮する環境安全・品質保証活動を実施しています。過去の事業活動において重大な事故が発生したことを真摯に受け止め、経営層・従業員一同、危機感を持って環境安全活動に取り組んでいます。品質保証においては、品質不正や法規制不遵守の発生を防ぐため、各拠点の品質保証活動の健全性を確認する点検の実施や、法規制対応のシステム導入、法規制対応教育を実施しています。また、全員参加の品質経営を実現するため、経営層向け品質経営セミナーの実施、品質担当役員が現場メンバーと双方向でコミュニケーションをするタウンホールミーティング、品質教育(製品やサービスに関わる従業員全員が品質リスクを理解し日々の業務を行うための教育)を国内外の各拠点で実施しています。環境安全・品質保証に関するリスクマネジメントの詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (3) 当社グループ全体に係るリスク」もご参照ください。 ■ コンプライアンス当社グループは、事業・業務に関する法令・諸規則や社内ルールの遵守を徹底し、グループミッションに基づくグループバリュー(共通の価値観)である「誠実な行動」を実践するため、「グループ行動規範」を定め、浸透を図っています。具体的には、日常業務で起こり得る事例を題材に職場で討議し、グループ行動規範に照らして従業員がとるべき行動を確認する活動(Cs Talk)を継続しています。また、各種重要テーマについて、所管部門が必要に応じてeラーニング等を活用したコンプライアンス教育を実施しています。さらに、従業員のコンプライアンス意識調査を隔年で実施し、全体傾向の把握に加え、職場単位での課題の抽出・共有を行い、各職場の改善活動に反映しています。加えて、従業員及び取引先からの通報・相談窓口を設置し、法令違反や不正等の早期発見・是正に向けた取り組みを進めています。なお、通報・相談窓口は匿名での利用を含めて受け付け、通報者保護(不利益取扱いの禁止等)に配慮した運用を行っています。経営層においては、社長を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会を通じて、当社グループで発生した事案の共有、対応策の水平展開を行い、注意喚起と再発防止の徹底を図っています。 ■ 人権の尊重当社グループは持続可能な社会の実現に向けて、自社のみならずバリューチェーン全体における様々な人権課題に対し主体的に責任を果たすことが、事業に関わる人びとの人権を守るとともに、社会からの信頼の向上、ひいては企業価値の向上につながると考え、人権尊重を重要課題として位置付けています。国際人権章典(世界人権宣言並びに国際人権規約)、ILO(国際労働機関)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」、国連グローバル・コンパクトの10原則等の人権に関する国際規範を支持するとともに、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権尊重の取り組みを推進しています。当社グループでは、従来、人権に関するグループの考え方を「旭化成グループ行動規範」に明示し、従業員研修等を通じてグループ内への浸透を図っておりましたが、人権尊重の重要性を踏まえ、2022年に取締役会決定により「旭化成グループ人権方針」を制定しました。また、同方針に基づく取り組みを推進するため、社長を委員長とする人権専門委員会を設置し、年1回開催しています。2025年度には第4回委員会を開催し、世の中の動向、当社グループにおける人権尊重の取り組み状況や今後の計画等について、共有と議論を行いました。当社グループは「旭化成グループ人権方針」のグループ内での普及啓発を継続するとともに、事業活動における人権への負の影響を排除するため、「人権リスク発現の予防」と「発現したリスクへの対処」の両面から取り組みを進めています。リスク管理については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (3) 当社グループ全体に係るリスク」もご参照ください。 ■ ステークホルダーとの対話当社グループは、お客様、株主・投資家の皆様、お取引先、地域の方々、国内外の一般市民、従業員など、多様なステークホルダーとの信頼関係の上に成り立っています。それぞれのご意見や期待をしっかりと受け止めて事業活動に反映していけるよう、様々なコミュニケーションの機会を設けています。特に、国内外の株主・投資家の皆様に、当社の目指す姿や経営戦略、ガバナンス等の持続的な企業価値向上に向けた道筋をご理解いただくため、事業説明会での情報開示や、工場・事業所の見学の機会を設けています。2025年度は、経営説明会、決算説明会(年4回)に加え、ヘルスケア領域における成長投資となるドイツ医薬品開発企業Aicurisの買収に関する説明会のほか、現中期経営計画における利益成長のドライバーとなる重点成長事業に関する事業説明会を開催しました。また、トップマネジメントは説明会への登壇や面談、スモールミーティング等を通じ、中長期的な企業価値向上に向けたコミュニケーションを積極的に推進しています。資本効率の更なる向上など、対話を通じて示された株式市場の要望も踏まえながら、事業ポートフォリオ変革の加速や各種KPIの向上を図っています。
主要な設備の状況 FY2025 / 約2,170字
2 【主要な設備の状況】(1) 提出会社2026年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計延岡(宮崎県延岡市 他) マテリアル全社生産設備 他38,86837,20211,306(6,594)28,70996,0871,831富士(静岡県富士市)マテリアル全社研究・生産設備 他28,59911,1151,035(643)-5,27546,0251,052水島(岡山県倉敷市)マテリアル全社生産設備 他17,12510,02711,254(1,444)-1,39139,797895鈴鹿(三重県鈴鹿市)マテリアル全社生産設備 他14,5379,6292,451(377)-65927,276569守山(滋賀県守山市)マテリアル全社生産設備 他10,42210,9444,050(357)-97126,387452川崎(神奈川県川崎市川崎区)マテリアル全社生産設備 他7,5095,1922,301(286)42,36117,368897千葉(千葉県袖ヶ浦市)マテリアル全社生産設備 他1,6301,1473,975(416)-9737,724183大分(大分県大分市)マテリアル全社生産設備 他1,7051,2781,660(1,350)-8515,494210本社(東京都千代田区)他マテリアル全社研究・生産設備 他23,24410,5519,454(2,322)1313,40056,6622,144 (2) 国内子会社2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計旭化成ライフサイエンス㈱大分(大分県大分市) 他ヘルスケア開発・製造・営業設備 他17,0423,895861(52)-7,39129,189137旭化成ホームズ㈱富士(静岡県富士市) 他住宅開発・営業設備他22,9418,6123,670(15)116,02841,2614,903旭化成建材㈱境(茨城県猿島郡境町)他住宅開発・製造・営業設備 他6,8417,074-581614,736809旭化成バッテリーセパレータ㈱守山(滋賀県守山市) 他マテリアル生産設備他37,61327,873--29,94995,436616 (3) 在外子会社2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計BionovaScientific, LLC他1社Fremont(California,U.S.A.) 他ヘルスケア開発・製造設備他-2,8661,692(11)5,5683,10013,227126ZOLL Medical Corporation他48社Chelmsford(Massachusetts, U.S.A.)他ヘルスケア開発・製造・営業設備 他15,95020,8083,557(323)2,29927,18069,7947,195NEX Building Group Pty Ltd 他20社New South Wales(Australia)住宅営業設備他-1,893-2,3746,17510,4431,096Sage Automotive Interiors, Inc.他29社Greenville (South Carolina, U.S.A.) 他マテリアル開発・製造・営業設備 他6,80815,5352,121(1,570)-10,59235,0575,518Asahi Kasei Honda Battery Separator CorporationOntario (Canada)マテリアル生産設備 他----96,07396,073-PolyporeInternational, LLC他7社Charlotte(North Carolina,U.S.A.) 他マテリアル開発・製造・営業設備 他7,4789,822551(159)-23,32941,179508旭化成精細化工(南通)有限公司江蘇省(中国)マテリアル生産設備他4,7448,155-11,96814,868150Asahi Kasei Synthetic Rubber Singapore Pte. Ltd.Singapore(Singapore)マテリアル生産設備他2,4696,073--2,21110,753128Tongsuh Petrochemical CorporationUlsan(Korea) 他マテリアル生産設備他2,5126,9502,052(292)-2,28213,796234 (注) 1 帳簿価額については、連結消去前の金額で表示しています。2 帳簿価額「その他」は、工具、器具及び備品、使用権資産、建設仮勘定の合計です。 なお、表中の「リース資産」には有形固定資産のみ記載しています。3 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用者数は重要性がないため記載していません。
コーポレート・ガバナンスの概要 FY2025 / 約9,736字
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループミッションのもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、世界の人びとに新たな価値を提供し、社会的課題の解決を図っていくことをグループビジョン(目指す姿)としています。そのうえで、イノベーションを起こし、多様な事業の融合によりシナジーを生み出すことで、社会に貢献し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。そのために、事業環境の変化に応じ、透明・公正かつ迅速・果断に意思決定を行うための仕組みとして、当社にとって最適なコーポレート・ガバナンスの在り方を継続的に追求していきます。 ② コーポレート・ガバナンス体制の概要当社におけるコーポレート・ガバナンス体制の概要は以下のとおりです。 Ⅰ 監督取締役会は、取締役8名中4名(半数)が独立性を有する社外取締役で構成され、法令・定款に従い取締役会の決議事項とすることが定められている事項並びに当社及び当社グループに関する重要事項を決定し、取締役及び執行役員の業務執行を監督しています。 取締役会の下には、社外取締役を過半数の委員とする指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置し、当社にとって最適な取締役会の構成・規模、取締役・監査役候補の指名方針、社外役員に関する独立性判断基準、取締役の報酬方針・報酬制度、取締役の個人別金銭業績連動報酬の決定等の検討について社外取締役より助言を得ることとしています。 Ⅱ 監査監査役、会計監査人、内部監査部門(監査部)による3つの監査により経営の適正性を担保しています。ⅰ 監査役監査監査役会は、監査役5名中3名(過半数)が独立性を有する社外監査役で構成され、各監査役が、監査役会が定めた監査方針のもと、取締役会への出席、業務状況の調査などを通じ、取締役の職務遂行の監査を行っています。監査役会の機能充実及び常勤監査役と社外監査役との円滑な連携・サポートを図るため、専任スタッフで構成される監査役室を設置しています。ⅱ 会計監査会社法及び金融商品取引法に基づく会計監査については、PwC Japan有限責任監査法人が監査を実施しています。ⅲ 内部監査監査部を設置し、監査計画に基づき内部監査を実施しています。グループスタッフ部門のそれぞれが行う内部監査の結果についても、監査部に情報が一元化され、内部監査の結果は取締役会に報告されています。 Ⅲ 業務執行業務執行の迅速化と責任の明確化を図るために執行役員制度を導入し、意思決定・監督機能を担う取締役と業務執行機能を担う執行役員の役割を明確にしています。グループ決裁権限規程において、経営計画に関する事項、投融資に関する事項、資金調達・資金管理に関する事項、組織及び規程に関する事項、研究開発及び生産技術に関する事項等についてきめ細かな決裁基準を設けて、取締役会から経営会議等に対して権限委譲しています。 Ⅳ 当該体制を採用する理由当社は、監査役会設置会社の機関設計の体制の下で、社外取締役を過半数の委員とする任意の委員会を置き、役員人事及び役員報酬に関する助言を得ることにより、柔軟な運営のもと客観的で透明性の高い経営への監督を行うとともに、社内外の豊富な経験と幅広い見識を有する取締役で構成される取締役会が重要な経営上の意思決定について関与することで経営への監督の実効性を確保しています。また、社内事情に明るい常勤監査役と高い専門性をもった社外監査役で構成される監査役体制等により、経営の適法性・適正性を確保しています。当該体制によって、機動的・柔軟な経営判断、実効的な経営監督、適法・適正な経営を適切にバランスさせることで、当社のコーポレート・ガバナンスの最適化が図られていると考えています。 ③ 取締役会・任意の委員会・監査役会の設置状況2025年度における取締役会、任意の委員会及び監査役会の設置状況は次のとおりです。名称(議長)構成員年間開催回数平均出席率具体的な検討内容取締役会(小堀 秀毅)全取締役9名全監査役5名15回100%・事業ポートフォリオ変革・企業価値向上・成長投資・M&A・構造改革・カーブアウトの審議・決定・フォローアップ・全社リスクマネジメントの状況報告・投資家との対話報告・サステナビリティに係る取組み・開示・指名/報酬諮問委員会報告指名諮問委員会(岡本 毅)社外取締役 岡本 毅 前田 裕子 松田 千恵子 山下 良則取締役  小堀 秀毅代表取締役 工藤 幸四郎6回100%・取締役会の構成・規模・役員指名プロセス・選定基準・2026年度役員人事・社長後継者計画報酬諮問委員会(山下 良則)社外取締役  岡本 毅 前田 裕子 松田 千恵子 山下 良則取締役  小堀 秀毅代表取締役 工藤 幸四郎4回100%・役員報酬制度のレビュー・審議・個人別業績連動報酬額の決定監査役会(真柄 琢哉)全監査役5名34回99%・取締役会における論点・重要検討項目の振り返り・監査役会実効性評価・社外取締役との意見交換・内部監査部門、子会社監査役、監査法人との情報共有、意見交換 (注) 当社は、経営の透明性・客観性をより高めるために、社外取締役を過半数の委員とする指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置し、当社にとって最適な取締役会の構成・規模、取締役・監査役候補の指名方針、社外役員に関する独立性判断基準、取締役の報酬方針・報酬制度、取締役の個人別金銭業績連動報酬の決定について社外取締役が積極的に参画し、助言を得ることとしています。 2025年度における取締役会、任意の委員会及び監査役会の個人別の出席状況は次のとおりです。区分氏名取締役会出席状況(出席率)指名諮問委員会出席状況(出席率)報酬諮問委員会出席状況(出席率)監査役会出席状況(出席率)取締役小堀 秀毅15回/15回(100%)6回/6回(100%)4回/4回(100%)-工藤 幸四郎15回/15回(100%)6回/6回(100%)4回/4回(100%)-久世 和資15回/15回(100%)---堀江 俊保15回/15回(100%)---川瀬 正嗣15回/15回(100%)---岡本 毅15回/15回(100%)6回/6回(100%)4回/4回(100%)-前田 裕子15回/15回(100%)6回/6回(100%)4回/4回(100%)-松田 千恵子15回/15回(100%)6回/6回(100%)4回/4回(100%)-山下 良則15回/15回(100%)6回/6回(100%)4回/4回(100%)-監査役真柄 琢哉15回/15回(100%)--34回/34回(100%)出口 博基15回/15回(100%)(注)--22回/22回(100%)望月 明美15回/15回(100%)--33回/34回 (97%)浦田 晴之15回/15回(100%)--33回/34回 (97%)落合 義和15回/15回(100%)--34回/34回(100%) (注) 2025年6月25日の取締役退任までに取締役として出席した取締役会の回数を含めて算定しています。 ④ 取締役会の実効性評価の概要当社取締役会では、その実効性を毎事業年度で定期的に評価しています。2025年度の取締役会実効性評価(以下「今回評価」)の結果概要等は以下のとおりです。なお、当社は、取締役会実効性評価にあたり、客観的な視点も組み込んだ評価サイクルを継続していくため、定期的に第三者機関を活用することとしています。 Ⅰ 今回評価のプロセスⅰ2025年12月当社取締役会において、今回評価のプロセス、アンケート内容を審議ⅱ2025年12月から2026年1月取締役及び監査役の全員にアンケートを実施。アンケートの対象は、取締役会、指名諮問委員会、報酬諮問委員会(以下「対象機関」)。アンケート項目は、対象機関の機能や運営・議論の状況、取締役及び監査役の個人評価(自己評価)とした。なお、今回のアンケートでは、監督機能の一層の高度化のため、取締役会全体としての監督機能の発揮状況とともに、監督機能の発揮にかかる個人の貢献について評価したⅲ2026年3月及び4月当社取締役会において、上記アンケート結果に基づく取締役会実効性評価結果を確認し、抽出した課題への対応を審議 Ⅱ 評価結果の概要ⅰ 当社取締役会は、取締役会の実効性が特に以下の点で十分に確保されていることを確認しました。・2030年を見据えた事業ポートフォリオ変革(成長投資・構造転換)について議題化を進め、議論の質・量が充実した点、中長期視点での経営課題の議論が全体として深まった点を評価・重要経営課題について資本市場とその他ステークホルダーの視点も適切に取り込み、掘り下げた議論を行った点や、ITセキュリティリスク等のリスク視点のモニタリングの議論の深化を評価・運営面では、取締役会において、企業価値向上に資する厳しい意見が率直に交わされている点や、社外役員も発言しやすい、オープンで活発に議論できる環境を高く評価ⅱ 一方で、当社取締役会は、以下の点についてなお課題があることを共有しました。・持続的な企業価値向上のため、中長期的な将来戦略の議論により重点を置く必要性、領域経営の進化の議論をさらに充実する必要性、資本市場目線の議論について多面的な観点で検討を深め、議論に厚みを持たせる必要性を認識している。・取締役会の議論の質的向上の観点では、オフサイトを有効活用し、中長期的な戦略テーマの議論を深め、また、社外役員の事業理解を一層促進する必要があると認識している。・指名諮問委員会については社長執行役員のサクセッションプランの運営のさらなる高度化の検討の必要性を、報酬諮問委員会については、次期役員報酬制度の改定に向けた検討を進める必要性を認識している。 Ⅲ 取締役会実効性評価のPDCAサイクルと今後の取組み Plan 25年度 取組みの方向性Do25年度主な取組み内容Check今回評価Action今後の取組み取締役会・事業ポートフォリオ変革後の当社グループの将来像、サステナビリティ課題等の審議を充実し、より中長期視点から経営の議論を深める ・投資家との対話テーマについて、社外取締役と経営陣による意見交換を行う等、 資本市場目線での議論のさらなる質的向上を図る ・取締役会にて年間議題を審議。 企業価値向上策、サステナビリティ等のとりわけ企業価値向上に資するテーマは継続して審議 ・マテリアル領域の重点成長事業の将来構想について、オフサイトも活用して議論 ・機関投資家とのスモールミーティングに先立ち、社外取締役が建設的に対話するため、オフサイトで意見交換・事業ポートフォリオ変革の議題化の進捗、中長期視点の議論に一定の評価 ・持続的に企業価値を高めるため、NEXT旭化成の将来戦略、経営環境変化への対応等をより重点的に議論する必要性が指摘された ・資本市場目線の議論では、多様な事業展開の当社独自の価値創出や技術面の成長戦略について、一層議論を深める必要性が指摘された(1)持続的な企業価値向上に資するアジェンダセッティング・取締役会等において、NEXT旭化成や各領域の将来像、これらに基づくリソース配分に加え、成長を支える経営基盤も議論し、当社グループの将来戦略の議論を充実させる ・企業価値向上策の議論において技術やイノベーションの観点を拡充する等、企業価値の最大化に向け継続して取り組む 審議テーマ・審議の質運営・取締役会の議題の合理的な絞り込み等により、重要経営課題のための審議時間を確保。オフサイトを有効活用した情報共有の充実により審議の実効性を向上させる・取締役会事務局が議長と緊密に連携し、議題を合理的に統廃合した付議スケジュールを立案。時間配分の適正化により、重要経営課題の議論を深めた・着実な運営改善を受け、適切と評価 ・議論の質的向上に向け、当社の企業文化等の議論の前提共有においてもオフサイトの活用が重要と指摘(2)取締役会の議論の質的向上のための運営改善・オフサイト活用の最適化や資料フォーマットの改善等、不断の運営改善を通じ、取締役会の審議の実効性を高める指名・報酬諮問委員会・両諮問委員会の運営を高度化し、取締役会構成、サクセッション、役員報酬等の審議の充実を図る。また、取締役会との情報共有の内容の充実度を高める ・指名諮問委員会にて左記の事項を審議。2026年6月株主総会後は、社外取締役が取締役の半数を占める構成へ ・役員報酬は、企業価値向上のインセンティブを高める内容に改定・両諮問委員会の機能は適切と評価。取締役会への情報共有も高く評価 ・サクセッションプランの進捗は指名諮問委員会にて定期的に確認。その上で、一層の運営高度化に向け、示唆が示された(3)指名・報酬諮問委員会での議論深化に向けた取組み・サクセッションプランの運営高度化に向け検討を継続する。また、企業価値向上に向けた役員報酬制度のあり方について、次期改定を見据えて検討を深める ⑤ 業務の適正を確保するための体制 当社は、取締役会において、会社法第362条及び会社法施行規則第100条に基づき、業務の適正を確保するための体制の整備について次のとおり決定し、運用しています。 Ⅰ 内部統制システム基本方針多様な事業をもってグローバルに展開を進めている当社グループ(当社及び当社子会社)を取り巻く事業環境は激しく変化しており、新たなリスクや複雑化するリスクの影響は大きい。当社グループは、以下の基本方針に従って、内部統制システムを整備し、適正かつ効率的に業務を執行する体制を確立・維持する。 グループ経営管理(会社法施行規則第100条第1項第1号・第3号・第5号イ・ハ)ⅰ 多様な事業を有する当社グループの適切な経営管理のため、適切な事業領域を定め、それぞれの事業の性質に応じて適切な権限委譲を図り、迅速かつ柔軟な意思決定ができる仕組みを確保する。一方で、グループ経営上の重要な事項の決裁について、社内規程において、決定機関又は決定権限者を明確に定め、これに基づき適切に意思決定を行う。ⅱ 事業の多様化、拠点のグローバル化の進展の中で、法規制や社会的要請への対応の複雑化・高度化に適切に対応するためにグループ全社で遵守すべき共通の原則を定め、これに基づいたグループ経営管理を行う。ⅲ グループ経営上の重要な情報の報告について、社内規程において報告先と報告事項を明確に定め、これに基づき適切に情報伝達を行う。このほか、社長執行役員は、業務執行状況、重要な経営課題、監査結果等、グループ経営上の重要な情報の把握に努める。ⅳ 当社グループが持つ多様な無形資産を活用し、ビジネスモデルを変革させ価値創造を促進するため、デジタルデータの活用を積極的に推進し、経営の高度化及び事業の変革に繋げる。ⅴ グループ経営上の意思決定及び情報伝達の記録・保存管理に関する社内規程を定め、これに基づき適切に情報の記録・保存管理を行う。 リスク管理及びコンプライアンス(会社法第362条第4項第6号、会社法施行規則第100条第1項第2号・第4号・第5号ロ・ニ)ⅰ 取締役は、取締役会等を通じて、他の取締役の業務執行の監督を行い、監査役による適法性及び妥当性の観点からの職務執行の監査を受ける。ⅱ 取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を置くとともにリスク・コンプライアンス担当の執行役員を任命する。また、取締役会は当社グループ全体のコンプライアンスに関する遵守状況とリスク対策の進捗状況について報告を求め、これを監督する。ⅲ リスク管理とコンプライアンスの推進を一元的に管理・運営を所掌する組織を置き、リスクに対する適切な管理が図れる体制を構築する。また、個別のリスク対応及びコンプライアンス施策にあたって適切な所管部場を置き、必要な社内規程の制定、教育・啓発を実施し、モニタリングを通じてその対策状況を確認し、必要に応じて改善を支援・主導させる。財務報告に係る内部統制に関する体制及び手続きを明確にし、これを統括する組織を置く。ⅳ リスク管理とコンプライアンスの推進に関する基本方針及び企業倫理・コンプライアンスに関する行動基準を定め、これを当社及び当社グループの役員及び従業員に周知させる。ⅴ コンプライアンスホットライン(内部通報制度)を導入し、グループに働く全ての人及びサプライヤーが利用できる仕組みとする。ⅵ リスク管理とコンプライアンスの体制の運用について、モニタリング・内部監査を通じ、継続的に改善する。 監査役支援の体制(会社法施行規則第100条第3項第1号・第2号・第3号・第6号)ⅰ 監査役の職務を補助する部署として監査役室を設置する。ⅱ 監査役室所属の従業員に対する日常の指揮命令権は監査役に置き、取締役からは指揮命令を受けないものとし、監査役室所属の従業員の異動、人事考課などについては、監査役の事前承認を得なければならない。ⅲ 監査役室所属の従業員は専任制とし、監査役による監査を実効的に行うために必要な人数及び必要な専門能力及び豊富な業務経験を有する人員を置く。ⅳ 監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、その費用を負担し、監査役の職務執行について生ずる費用等について、一定額の予算を設ける。 監査役への報告及び社内連携の体制(会社法施行規則第100条第3項第4号イ・ロ、第5号・第7号)ⅰ 監査役は、その職務を遂行するために必要と判断するときはいつでも当社の取締役、執行役員及び従業員、当社グループ各社の取締役、執行役員及び従業員並びに監査役に報告を求めることができるものとする。ⅱ 取締役、執行役員及び従業員並びにグループ各社の取締役、執行役員及び従業員並びに監査役は、監査役からの報告の求めのある場合に限らず、リスク管理・コンプライアンスに関する事項を含むグループ経営上の重要な情報をすみやかに監査役に報告する。ⅲ 監査役への報告をした者(ホットライン通報者を含む)は、当該報告をしたことを理由として一切の不利な取扱いを受けないものとする。ⅳ 監査役と社外取締役、会計監査人、内部監査部門それぞれとの間で定期的なミーティングの機会を設けるとともに、当社監査役と事業会社監査役間の意見交換を促進し、グループ全体の監査体制の実効性を高める。 反社会的勢力排除の方針反社会的勢力と断固として闘い、いかなる利益供与、取引その他の関係を持たない。また、対応統括部署を置き、警察を含む外部専門機関との連携、反社会的勢力に関する情報の収集を行い、グループ内での周知・注意喚起を図る。 Ⅱ 内部統制システム運用状況の概要当社は、上記の「内部統制システム基本方針」に則った体制を整備し適切に運用しております。本年度では、内部通報制度(コンプライアンスホットライン)の運用、Cs Talk(コンプライアンス職場討議)の継続実施を通じたコンプライアンス意識の醸成、保安防災や品質意識の向上の施策等、過年度からの各種施策のより一層の実効性を高める取組みのほか、以下の施策を実施しました。ⅰ グループ重大リスクへの対応全社的リスクマネジメント活動として、リスクマネジメントチームを組織し、事業部門のリスク認識・アセスメントを踏まえてリスクを識別・分類し、グループ横断的に必要な取組みを実行しています。特に本年度は、近年注目されるサイバーセキュリティ、経済安全保障、技術情報管理について重点的に対策を進めています。ⅱ 内部統制の実効性向上に向けた施策及びグループ基本原則に基づく統制環境の整備当社グループの事業が多様化し事業拠点がグローバル化する中で、グループ全体での内部統制推進活動マネジメントの強化や、組織横断での内部統制推進体制の整備、教育等の内部統制運用支援施策などの取組みを進めています。また、世界各地域の法規制や社会的要請に適切に対応するために制定した「グループ基本原則」に準拠し、 グループ全体の統制環境の整備も継続的に進めています。 ⑥ 会社の支配に関する基本方針当社は、当社の支配権の取得を目的とした当社株式の大量取得行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社の株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えており、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大量取得の中には、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもあります。当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、当該大量取得行為が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれがないかどうか株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、また、当該大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていきます。 ⑦ その他Ⅰ 取締役の定数当社は、取締役を12名以内にする旨を定款で定めています。 Ⅱ 取締役の選任方法当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨も定款で定めています。 Ⅲ 責任限定契約の概要当社は、取締役小堀秀毅、前田裕子、松田千恵子、山下良則及び小川啓之の5氏並びに監査役真柄琢哉、出口博基、望月明美、浦田晴之及び落合義和の5氏と当社との間で、会社法第427条第1項の規定により、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約をそれぞれ締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、1,000万円と法令の定める最低限度額とのいずれか高い額となります。 Ⅳ 補償契約の概要当社は、取締役及び監査役の全員との間で会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしています。 Ⅴ 役員等賠償責任保険契約の概要当社は、取締役、監査役及び執行役員並びに主要な子会社の取締役、監査役及び執行役員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険により被保険者が負担することになる賠償責任額、和解金、弁護士費用等を塡補することとしており、保険料は当社が全額負担しています。ただし、被保険者の犯罪行為や、法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に関する当該被保険者自身の損害等は塡補の対象外とすることにより、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています。 Ⅵ 剰余金の配当等の決定機関当社は、機動的な配当を可能にするため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることとする旨を定款で定めています。 Ⅶ 株主総会の特別決議要件当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
人的資本(人材育成・社内環境整備方針) FY2025 / 約41字
■ 戦略、指標と目標「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。
事業の内容 FY2025 / 約1,586字
3 【事業の内容】当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下、当社という)及び関係会社346社から構成されています。その主な事業内容はセグメントの区分のとおりであり、当社及び主な関係会社の当該事業に係る位置付けとセグメントとの関連は次のとおりです。 セグメント主要な事業内容主要な製品・サービス主要な関係会社ヘルスケア(関係会社74社)医薬事業医療用医薬品 等旭化成ファーマ㈱Veloxis Pharmaceuticals, Inc.Calliditas Therapeutics AB※ ㈱カイノスライフサイエンス事業ウイルス除去フィルター、CRO事業、CDMO事業 等旭化成ライフサイエンス㈱Bionova Scientific, LLC.Asahi Kasei Bioprocess Europe S.A./N.V.クリティカルケア事業心肺蘇生関連(AED、医療従事者向け除細動器)、着用型自動除細動器、睡眠時無呼吸症治療・診断機器 等ZOLL Medical Corporation 住宅(関係会社97社)住宅事業建築請負(戸建・集合住宅)、不動産関連、リフォーム、その他住宅周辺事業、米国・豪州住宅事業 等旭化成ホームズ㈱旭化成不動産レジデンス㈱旭化成リフォーム㈱Focus Companies LLCODC Operations LLCAsahi Kasei Homes Australia Pty Ltd.NEX Building Group Pty LtdErickson Framing Operations LLC ※ ㈱森組建材事業軽量気泡コンクリート(ALC)、断熱材、基礎杭、構造資材 等旭化成建材㈱ セグメント主要な事業内容主要な製品・サービス主要な関係会社マテリアル(関係会社151社)エレクトロニクス事業電子材料、電子部品 等旭化成エレクトロニクス㈱カーインテリア事業自動車内装材、人工皮革 等Sage Automotive Interiors, Inc.エナジー&インフラ事業リチウムイオン電池用セパレータ、イオン交換膜、中空糸ろ過膜 等旭化成バッテリーセパレータ㈱ Asahi Kasei Battery Separator Canada CorporationAsahi Kasei Honda Battery Separator CorporationPolypore International, LLCコンフォートライフ事業繊維、消費財 等旭化成アドバンス㈱旭化成ホームプロダクツ㈱ケミカル事業(パフォーマンスケミカル事業、エッセンシャルケミカル事業)樹脂 等旭化成精細化工(南通)有限公司Asahi Kasei Plastics Singapore Pte. Ltd.Asahi Kasei Plastics (America) Inc.旭化成塑料(上海)有限公司基礎原料 等PSジャパン㈱Asahi Kasei Synthetic Rubber Singapore Pte. Ltd.Tongsuh Petrochemical Corporation※ 三菱ケミカル旭化成エチレン㈱※ PTT Asahi Chemical Co., Ltd.マテリアル共通-Asahi Kasei Europe GmbH その他(関係会社24社)エンジニアリング事業各種リサーチ・情報提供事業人材派遣・紹介事業 等-Asahi Kasei America, Inc.Asahi Kasei Holdings US, Inc.旭化成(中国)投資有限公司 ※ 旭有機材㈱ (注) 1 当社はマテリアルセグメント内の複数の事業を行っています。   2 一部の関係会社の事業内容は、複数のセグメントに跨っています。   3 ※は持分法適用会社です。
事業等のリスク FY2025 / 約9,075字
3 【事業等のリスク】当社グループはヘルスケア、住宅、マテリアルの3つの領域にわたる多様な事業を有し、幅広い分野でグローバルに事業活動を展開しています。このような事業特性のもと、当社グループの経営や事業活動に影響を与える不確実性への対応力を高め機会の創出につなげるため、領域や事業ごとの特性を踏まえた活動とグループ横断的な活動を連携させ、グループ一体となったリスクマネジメント活動を展開しています。なお、本項における将来に関する記述は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものです。 (1) リスクマネジメント体制当社グループでは、リスクマネジメントの国際標準であるISO31000の考え方やプロセスに基づき、全社的リスクマネジメント体制を整備しています。取締役会の監督のもと、リスクマネジメント全体の責任者を社長が担い、リスク・コンプライアンス担当役員がこれを補佐しています。リスク・コンプライアンス担当役員は、社長の指示のもとリスクマネジメント活動を推進するとともに、個別のリスク対策について各部門長(スタッフ部門担当役員・事業部門長等)に対して指示・支援を行っています。社長が委員長を務めるリスク・コンプライアンス委員会を設置し、グループ横断的なリスクマネジメント活動の協議及び情報共有等を行っています。同委員会における議論や諮問結果は、社長によるリスクマネジメントに関する判断や意思決定を支えています。また、リスク・コンプライアンス担当役員のもとにリスクマネジメントチームを設置しています。同チームは、各部門によるリスク対策の推進活動の支援とモニタリング、スタッフ部門と事業部門の組織間連携強化を推進しています。これらのリスクマネジメントの体制や活動の状況について、定期的に取締役会に報告を行い、取締役会はグループ全体のリスクマネジメントの有効性を評価したうえで、必要な指示・監督を行っています。 <リスクマネジメント体制> (2) リスクマネジメントの活動・サイクル当社グループでは、スタッフ部門によるグループ横断的な活動と各事業部門における活動を組み合わせたリスクマネジメントを実践しています。各事業部門では、自らの事業特性や事業環境を踏まえ、リスクの洗い出し及び分析・評価を行うリスクアセスメントを実施しています。これらの取り組みを通じて、各事業の特性から生じ、事業経営や事業計画の達成に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクを「事業重要リスク」として特定しています。また、特定した事業重要リスクについて、事業計画の中でリスク対策の推進計画を策定、対応状況を管理し自律的なリスクマネジメントを実施しています。スタッフ部門は、事業部門における活動を踏まえつつ、グループ経営に重大な影響を及ぼす可能性があり、グループ全体または複数事業に関わるリスクを「グループ重大リスク」として整理しています。グループ重大リスクは取締役会の決議をもって決定され、スタッフ部門が主導して全社横断的にリスク対策を推進しています。事業重要リスク及びグループ重大リスクの双方について、各リスクを取り巻く環境の変化や活動の進捗状況等を踏まえたマネジメントレビューが定期的に行われ、指示や改善がなされることで、継続的なリスクマネジメントのPDCAサイクルを運用しています。これらの活動を通じて、スタッフ部門と事業部門の役割分担を明確にしつつ、相互の情報共有や連携を図りながら、グループ全体のリスクマネジメントの実効性向上と高度化に取り組んでいます。 リスクマネジメントのPDCAサイクル(グループ重大リスクと事業重要リスク) (3) 当社グループ全体に係るリスクグループ重大リスクとして設定したリスクについて① 国内外の生産拠点における事故発生リスク・環境安全に関わる法規制に関するリスク当社グループは、国内外に広く生産拠点を展開しており、環境事故、保安事故、労働災害等の事故の発生や、環境安全に関わる法規制等の違反が発生した場合、事業活動の停止や社会的信頼の低下など、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、安全な操業の継続及び法規制遵守を、社会からの信頼、従業員及び地域社会の安全、環境への配慮といった価値を守るための最重要事項と位置付けています。この認識のもと、重篤な労働災害や保安事故の防止に向け、発生した事故の教訓を生かし、不安全行動による重篤災害撲滅を目指したLSA(ライフセービングアクション)活動の推進や、工場等の機械のリスクアセスメント実施における専門技術者の育成及び工場設備等の点検強化、各生産拠点におけるプロセス安全技術の維持を目的とした保安防災伝承活動の展開、防消火技術の向上等を進めています。また、環境安全に関わる法規制等の遵守を徹底するため、関連法規制の動向を定期的に把握・更新するとともに、専門家等の第三者による確認を経た上で社内へ周知し、チェックシート等を活用して現場における遵守状況を確認できる仕組みを整備しています。これらに加え、人財育成を通じた安全文化の醸成を図り、今後も事故の防止及び法規制遵守の徹底に向けた取り組みの全社的な定着と高度化を進めていきます。 ② 国内外の品質不正リスク(含 法規制・認証等に関するリスク)製品の設計・検査の不備、不適切な顧客対応や報告が行われた場合や、品質保証に関わる法規制・規格等の遵守不備があった場合、リコール、当社ブランドに対する社会的信頼の喪失、及び製品の生産・流通の停止等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは、領域ごとに様々な製品を提供しており、それぞれの製品の品質を確保することは、お客様をはじめ、全てのステークホルダーの方々の信頼をいただくために最重要と認識しています。品質不正の発生を防ぐため、各拠点の品質保証活動の健全性を確認する点検、経営層向け品質経営セミナー、現場従業員の品質意識向上を目的として品質担当役員が現場を訪問し双方向でコミュニケーションをするタウンホールミーティング、及び製品やサービスに関わる従業員全員が品質リスクを理解し日々の業務を行うための品質教育を、国内外の各拠点で実施しています。また、法規制等の遵守を徹底するために、関連法規等の内容を定期的に更新するとともに、適宜、専門家等の第三者による確認も経たうえで社内へ周知し、チェックシート等を活用し、現場従業員がその遵守状況を確認できる仕組みを構築・運用しています。当社グループにおいて様々な製品に使用している化学品の法規制等の管理を徹底するためのシステムの運用も実施しています。 ③ 経済安全保障・グローバルサプライチェーンに関するリスク当社グループは、事業ごとに原材料や部品、施工業者、物流経路、倉庫、販売先に至るまで、国内外で多様なサプライチェーンを構成しています。そのため、経済安全保障に関する世界各国の政策動向が事業運営やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があり、また、世界中で発生する自然災害、保安事故、人権問題、地政学的問題、経営破綻等による、取引先との取引回避や取引先の機能不全に起因してサプライチェーンが途絶する可能性があり、主なリスクとして以下のものを認識しています。 ・ 経済制裁・輸出管理規制の強化等の経済安全保障リスクや地政学的問題による企業活動に関するリスク当社グループは、製品の輸出や海外における現地生産等、幅広く海外で事業展開をしており、安定的な国際通商のメリットを享受しています。そのため、何らかの理由により二国間あるいは多国間の通商環境や地政学的情勢が変化することにより、海外の会社との取引や出資、その他事業活動に影響を受けるリスクがあります。特に、米中関係、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、イラン情勢等、近年国際関係の緊張が高まっており、これに伴って日本や諸外国において、経済安全保障の観点から経済制裁、輸出管理規制、外国直接投資規制を強化する動きが続いています。これらの規制に対応することにより、取引先との取引の停滞・中断、資金の移動の遅延・停止、事業遂行の遅延・不能等により、業績に影響を及ぼすなどのリスクがあります。地政学的問題や法規制の動向には常に注意を払っており、経営層及び事業部門・スタッフ部門の責任者や担当者への情報共有を通じてグループ全体の感度向上を図るとともに、対応部署の明確化を通じて社内体制強化の検討も進めています。また、適時に規制内容を理解することや関係当局に事前に相談することに加えて、経済制裁については外部の顧客スクリーニングシステム等を利用して慎重な取引審査を行うなどにより、適切な対応に努めています。 ・ バリューチェーン上の人権課題に関するリスク近年、紛争やマイノリティの弾圧、移民や外国人労働者の不当な扱い、様々なハラスメント(パワーハラスメント、セクシャルハラスメント他)など、国内外において人権を脅かす事象が多発しています。当社グループの事業活動においても、バリューチェーン上における人権課題の発生、特に人権課題への不適切な対応に起因する取引停止、法令違反、当社グループに対する社会的信頼の喪失等は、企業価値に大きな影響を及ぼすリスクとなり得ます。そこで、当社グループは、人権に関する様々な負の影響を適切に防止・是正するため、「人権リスク発現の予防」と「発現したリスクへの対処」の両面に取り組んでいます。予防の観点では、外部のスクリーニングシステム等を活用した取引先のリスク把握や、人権リスクの分析による負の影響の防止・軽減に向けた取り組みを進めています。また、ハラスメントのない職場づくりに向けた施策の強化に加え、法制化されたカスタマーハラスメント防止のために講ずべき措置についても整備を進めています。リスク発生時の対応として、人権侵害やその可能性を従業員が認識した時に、迅速に経営層に情報が伝達されるよう報告ルートを制定し運用をしています。今後も関係する部門が連携し、実効性のある人権尊重の取り組みを継続していきます。 ・ 原料・資材の調達リスクサプライチェーンが各国・地域の法規制の動向や突発事象などにより影響を受ける場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではサプライヤーの選定におけるリスク評価や監査の実施、サプライヤー及び販売先のモニタリングなどを通じてリスクを低減させることに取り組んでいるほか、外部調達を取り巻くリスク環境の変化についても継続的に把握・分析しています。これらを踏まえ、主要製品・事業における原材料の調達ルートの多様化や適正な水準の在庫の確保を通じて、安定操業に向けて取り組んでいます。また、強靭で持続可能なサプライチェーンを維持するための体系的かつ継続的なサプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)の強化に向けて、グループを横断したリスクの洗い出し、分析・評価及び対策の推進に取り組んでいます。サプライチェーンに関連する各部門(製造、経営企画、営業、技術開発などの各部署)と連携しながら、実効性のあるリスク対策の実施に取り組んでおり、進捗状況を定期的にモニタリングし、継続的に見直しを行うことでSCRMを推進しています。 ④ サイバーセキュリティ・技術情報管理に関するリスク・ サイバーセキュリティ、通信インフラに関するリスク昨今、サイバー攻撃の増加・巧妙化が進む中で、サイバーセキュリティ対策が不十分であった場合は、システム停止により事業継続が困難になる可能性があります。安心・安全・安定したIT基盤の運用は経営の大前提であり、当社グループは情報セキュリティ対策を重大な経営課題と認識し、サイバー攻撃の検知・対応ツールの強化、インシデント発生時の迅速で漏れのない情報フローの構築、事業継続・復旧体制の整備を推進するほか、eラーニングやメール訓練等による従業員のセキュリティ意識の向上施策を実施しています。引き続き、経営陣の関与のもとサイバーセキュリティ対策に関する継続的な議論を行い、グループ全体におけるグローバルでのセキュリティ対策の高度化及び従業員のセキュリティ意識向上に向けた施策を推進していきます。 ・ 技術情報流出リスク当社グループは、独自の技術情報やノウハウを競争力の源泉として事業を展開しており、サイバー攻撃や不正アクセス、従業員や取引先関係者による不適切な取扱い等により、技術情報が第三者に流出するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合には、競争優位性の低下や事業戦略の遂行への支障、顧客や取引先からの信頼低下、ブランド価値の毀損等を通じて、業績及び企業価値に影響を及ぼす可能性があります。このため、技術情報の区分・管理ルールの整備やアクセス制御の厳格化等の流出防止対策を講じるとともに、対応状況をグループ全体で把握・評価する一元的なモニタリング体制を構築しています。あわせて、従業員への教育・啓発活動を継続的に実施するとともに、システムを活用した機密情報へのアクセスや持ち出しの監視の高度化及び対象範囲の拡大を進め、管理体制の強化に取り組んでいます。 ⑤ 自然災害やパンデミック、テロ、紛争に関するリスク地震や風水害等の大規模な自然災害が発生した場合、従業員の負傷、製造拠点の建物や設備の被害、原材料や製品の物流途絶等により、事業活動が中断する可能性があります。各製造拠点では、リスク想定を踏まえた減災計画及び緊急時対応計画を策定し、継続的に訓練を実施しています。また、本社地区においては、大規模地震への備えとして対策本部体制を整備し具体的な活動を明確にするとともに、定期的な訓練を通じて実効性の確保に努めています。感染症の世界的流行が再び発生した場合、従業員の健康被害や出社・移動制限等による人的リソースの不足、サプライチェーンの混乱等により、事業の継続に影響を与える可能性があります。この備えとして、新型コロナウイルス(COVID‑19)対応の教訓を踏まえた対応方針を整備するとともに、各拠点で防疫資材を備蓄しています。海外における武力衝突やテロ等の有事が発生した場合、現地従業員や出張者の安全に加え、拠点の操業に影響を与える可能性があります。有事発生後の従業員の安全確保及び事業継続のために、有事の切迫度に応じた対応方針を定めるとともに、組織的な初動対応のための体制や役割分担を明確にしています。これらのリスクに共通する対策として、災害や有事の発生時においても迅速な状況把握や意思決定が行えるよう、情報連絡体制の強化に取り組んでいます。具体的には、対策本部を中心とした情報収集・共有体制を整備するとともに、通常の通信手段が制約を受けた場合にも対応できるよう、衛星電話の整備等による通信手段の複線化を進めています。 下記の「M&Aに関するリスク」と「気候変動に関するリスク」については、当社の経営に重大な影響を及ぼすリスクとして取締役会でモニタリングしています。 ① M&Aに関するリスク当社グループは、事業ポートフォリオの進化にあたっては、成長投資と構造転換の両輪を回すことが重要と考え、事業投資、新規事業の創出や事業ポートフォリオの転換の手段として、国内外におけるM&Aを通じた事業展開を行っています。ZOLL Medical Corporation(2012年度)、Polypore International, Inc.(2015年度)、Sage Automotive Interiors, Inc.(2018年度)、Veloxis Pharmaceuticals A/S(2019年度)、Calliditas Therapeutics AB(2024年度)、Aicuris Anti-infective Cures AG(2026年度)などの大型買収や近年の「住宅」セグメントや「ヘルスケア」セグメントを中心とした買収などにより、のれん及び無形固定資産残高は増加傾向にあります。M&Aの結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価については、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどによって合理的に算定された価額を基礎として算定しており、事業計画等の不確実性を伴う仮定が反映されています。そのため、事業計画等において初期に期待した投資効果が発現しなかった場合や関係会社の経営が悪化した場合、被買収企業との事業統合が遅延した場合など、のれんや無形固定資産の減損等により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、買収検討の対象企業のデューデリジェンス(詳細調査)を慎重に行い、買収後の事業統合の計画を入念に検証することで、リスクの低減に努めています。しかし、過去の大型買収が海外での新規市場や成長市場に関する案件であり、想定外の事業環境の変化への対応を誤ると、投資額の回収が困難となるリスクを抱えています。業界動向を見通すことが難しい事業については、より一層の精査をすることやリスクをより慎重に見積もることで対処していきます。 ② 気候変動に関するリスク当社グループは、気候変動に関して生じる変化を重要なリスク要因として認識し、気候変動が事業に及ぼす影響の分析、対応策の検討を行っています。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 [個別重要課題] (1)気候変動」の記載をご参照ください。 上記以外のリスクについて上記に記載したリスク以外にも、当社グループの事業運営全体に係るリスクに対して日々の事業活動の中でリスク低減に努めており、主なリスク項目は以下のとおりです。 ① 通商に関するリスク当社グループは、原材料の購入や製品の輸出、海外における現地生産等、幅広く海外で事業を展開し、国際貿易や資金決済に関する二国間あるいは多国間の協定や枠組みのメリットを享受しています。これらの協定や各種枠組み等の変更や新規規制の導入などにより、関税の増加、通関の遅延・不能、資金決済の遅延・不能が生じ、代金回収や事業遂行の遅延・不能、業績悪化等が発生するリスクを負っています。当社グループでは、適時に規制内容を把握することや、関係当局に事前に相談し、対策を講じることによって、これらのリスクの低減に努めています。米国の関税政策については、引き続き動向が流動的であるものの、米国に所在する当社グループの現地法人の原材料調達コストの上昇に繋がる懸念があります。コスト上昇分については、顧客との対話により売値への転嫁に努めるほか、必要に応じてサプライチェーンの変更などの検討を進めます。また、日本やその他の国に所在する当社グループから米国への輸出については、米国の顧客の関税負担増加により需要が減少するリスクがあります。そのため、グローバルに事業戦略を適宜見直していくほか、価格競争の影響を受けにくい高付加価値品の研究、開発を進めます。また、グループ会社間の国際的な取引価格については、当社グループ税務方針に基づき、日本国政府及び相手国政府の移転価格税制を遵守していますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受ける可能性や、協議が不調となった場合に二重課税や追徴課税を受ける可能性があります。そのため、重要性の高いグループ会社間取引については、事前確認制度の活用、あるいは、外部専門家の意見も参考にしながら、各国の移転価格税制を踏まえた独立企業間価格を設定しています。 ② 事業競争力に関するリスク当社グループは、「ヘルスケア」「住宅」「マテリアル」の3つのセグメントにおいて、付加価値の高い製品・サービスを提供していますが、類似の製品や技術による競合企業のキャッチアップ、新たな競合企業の参入等によって競争環境が激化することや、デジタル技術や脱炭素化に貢献する技術等急速な技術革新による産業構造の変化、急激な需要構造・市場構造の変化などにより、当社グループの各事業の競争力を損なう可能性があります。当社グループでは、競合製品の競争力や産業構造の変化をタイムリーかつ的確に見通すことに努めるとともに、製品やサービスの絶え間ない差別化や模倣困難なビジネスモデルの構築、知的財産等による高い参入障壁を設けることにより、これらのリスクの低減に努めています。 ③ 市況変動によるリスク・ 原油・ナフサ価格変動リスク当社グループは、原油やナフサを原料とした石油化学製品の製造・販売事業を展開しています。また、各原料市況並びに需給バランスから固有の市況を形成しており、その変動は当該事業や誘導品からなる当社グループの各事業に影響を及ぼします。特に、事業規模が大きいアクリロニトリル事業は市況の変動の影響が大きいため、販売価格のフォーミュラの見直し等、収益の安定化に努めています。 ・ 為替変動リスク当社グループは、輸出入及び外国間等の貿易取引において、外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動による影響を受けます。そのため、取引においては、先物為替予約等によるヘッジ策やCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の活用による、安定的かつ効率的な資金活用を目指しています。当社グループは、収益の多くが外貨建てであることに加え、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと、当社グループの業績にマイナスのインパクトを与えます。当社の試算では、米ドル・円レートが1円変動すると連結営業利益に年間15億円の変動をもたらします。 (4) 各セグメントに係るリスク「ヘルスケア」「住宅」「マテリアル」の各セグメントでは、事業上の課題やリスクへの対策検討を実施するなかで事業重要リスクのPDCA管理も実施しています。各事業の課題やリスクに関する詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
事業方針・経営環境 FY2025 / 約19,200字
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針・経営戦略等① 当社グループミッション等当社グループでは、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループミッション(存在意義)のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供することをグループビジョン(目指す姿)として掲げています。また、グループバリュー(共通の価値観)として「誠実」「挑戦」「創造」を定めており、すべてのステークホルダーの皆様に対し「誠実」に経営することを通じて、社会の課題解決や事業環境の変化に積極果敢に「挑戦」し、絶えず新たな価値を「創造」することで、事業を通じて企業の社会的責任を果たしていくことを基本方針としています。 ② 当社グループ全体の経営方針・経営戦略等<経営環境・経営課題>国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に示されるように、持続可能な社会に向けてはさまざまな課題があり、世界中で取り組みが進められています。しかし、国連の2025年の報告によれば、持続可能な開発目標(SDGs)のうち、軌道に乗っている、あるいは緩やかに進捗しているとされているのは35%に過ぎません。2030年に向けた残りの5年間を最大限活用することが求められています。創業以来の1世紀にわたり、各時代のニーズに応えながら成長してきた当社グループにとって、これらの持続可能な社会に向けた課題は、自らの挑戦課題であると同時に、事業機会として位置づけ、積極的に取り組むものです。これらの課題は1つの企業・産業で解決できないものも多く、企業や産業を超えた共創がますます重要になってきます。例えば、住宅とエネルギー、医療と住宅等のように、これまでの産業の境界を越えて相互に関連し合うテーマ・課題が多く存在しています。このような環境は、ヘルスケア・住宅・マテリアルの各領域で多様な事業を有する当社にとっては大きな事業機会であると認識しています。また当社は100年の歴史で培った人財・コア技術・ブランド・経営ナレッジ等、多様な資産を有しています。グループの特長である多様性(Diversity)を活かし、競合との差別化を重視したアプローチによって高付加価値・高収益(Specialty)のイノベーティブな製品・サービス・ビジネスモデルを持続的に創出していくことを目指します。一方、足元の状況を見ると、経営環境は急激に変化し、不確実性が著しく高まっています。世界各地で発生している紛争、政情不安、社会的分断や、政策予見性の低下は、エネルギーや原材料などのサプライチェーンの不安定化、金融市場の変動、世界経済の下振れなどのリスク要因となっています。当社グループでは、そのような経営環境をしっかりと見極めた上で、グループの力を1つのチームとして結集し、お客さまや同業他社、投資家などさまざまなステークホルダーとともに道を切り拓いて、価値を提供していきます。そしてこうした「持続可能な社会への貢献」が当社グループの「持続的な企業価値向上」につながり、その結果さらなる「持続可能な社会への貢献」が実現可能になるという、2つの持続可能性(サステナビリティ)の好循環を追求していきます。 <経営方針・経営戦略>● 旭化成が2030年に目指す姿この「2つのサステナビリティの好循環」に向けて、当社グループでは、ヘルスケア、住宅、マテリアルの各領域がそれぞれのあり方に基づき、様々な課題の解決、及び実現したい姿に向けて事業を展開しています。多様な事業が社会課題に正面から対峙して、価値提供することで、“持続的にイノベーティブな製品・サービス・ビジネスモデルを創出”することを目指しています。その結果として、高い利益成長と資本効率の向上を実現し、当社グループとして2030年近傍には、営業利益3,800億円、ROIC8%以上、ROE12%以上を目指します。 ● 旭化成の特長 「Diversity × Specialty」当社の特長を表す「Diversity × Specialty」は当社の価値提供の源泉となっています。「Diversity」は多様な事業展開による成長機会の豊富さや安定的な収益創出力を、「Specialty」は競合との差別化を重視した事業アプローチを通じた高付加価値、高収益の実現を示しています。DiversityとSpecialtyを掛け合わせることで、「高い経営安定性」と「成長・新しい事業への挑戦」、「持続的なイノベーションの創出」の好循環が生み出されています。グループの経営基盤を各領域が共有し合い、柔軟に相互活用することで、それぞれが旭化成らしい勝ち筋で価値を提供する、という姿は旭化成独自のエコシステムとなっています。 ● 「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」の進捗状況2025年4月に発表した「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」(以下、「本中計」)は、当社が目指す「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つのサステナビリティの好循環の実現に向けた、2025年度から2027年度の3年間の経営計画になります。投資成果創出による利益成長、構造転換や生産性向上による資本効率改善に加え、経営基盤のさらなる強化・活用により、「Diversity × Specialty」を進化させ、最終年度の2027年度には営業利益2,700億円、のれん償却前営業利益3,060億円、ROIC6%、ROE9%を目指します。 ⅰ 投資成果創出による利益成長2027年度の利益目標である2,700億円に向けては、医薬、クリティカルケア、海外住宅が主な利益成長ドライバーとなります。特に医薬と海外住宅については、M&Aを中心とした先行的投資から確実に利益を創出することで利益成長を実現します。加えてAI向け半導体需要の急成長を受け、エレクトロニクスにおける高い利益成長を見込んでいます。中期視点での持続的な利益成長に向けては、リソースアロケーションをより明確にし、成長が期待できる事業へ重点的に投入します。本中計においては、事業を10の区分に分け、事業ポートフォリオの方向性や各事業の戦略をより明確にしています。「重点成長」「戦略的成長」事業への投資継続による利益成長の実現と並行して、「収益改善・事業モデル転換」事業の改革も進めます。 ⅱ 構造転換や生産性向上による資本効率改善収益性・資本効率の低い事業については、構造転換を進め、資本の最適配置を図ります。本中計においてはマテリアル領域のポートフォリオ変革をさらに加速させ、同領域の2024年度売上高の約20%に相当する事業の構造転換を目指します。2025年度においてはケミカル事業における事業撤退や設備停止に加え、ケミカル事業以外において、他社への事業譲渡や提携を進めました。2026年度第1四半期の発表分まで含めると、構造転換した事業の売上規模は概算値で2,030億円となり、中計目標の約7割に達しています。引き続き、主にケミカル事業を対象とした構造転換に取り組むことで中計目標の達成を目指します。ⅲ 「Diversity × Specialty」の進化継続的に事業ポートフォリオ進化の取り組みを推進した結果、当社グループの利益構成は大きく変化しています。マテリアル領域においては事業環境変化を受け構造転換に注力する一方で、住宅領域、ヘルスケア領域では成長投資が着実に利益として結実し、2025年度においては住宅領域が最も営業利益額の大きな領域となりました。2030年度に向けては各領域がほぼ同水準の利益目標を目指す形になり、それに合わせ、今後の成長投資はヘルスケア領域や住宅領域へのアロケーションを増加させます。マテリアル領域は構造転換による収益力強化に取り組みながら、エレクトロニクスなどの高い市場成長が見込める分野における利益拡大を図り、2030年度の利益目標の達成を目指します。「Diversity × Specialty」の進化により、マテリアル領域を中心とする事業構成から、多様な産業における高付加価値事業が高水準の利益貢献を果たす姿へシフトさせていきます。 ⅳ 財務・資本政策(外部環境・課題)2025年4月の中期経営計画の開始以降、インフレ対応を巡る各国の政策動向、地政学的リスクの常態化による分断型の世界経済など、先行きを見通すことが難しい状況が続いています。そのような不透明な事業環境下でも持続的成長を可能にする事業ポートフォリオが奏功し、ヘルスケアやAI・半導体関連といった分野のこれまでの投資が結実することで利益成長を力強く牽引しており、財務健全性を示すD/Eレシオは想定の水準を維持しています。引き続き、生産性向上やコスト削減などによる体質強化を図り、アセットライトを意識した事業モデルへの転換などを通じてキャッシュ創出力や資本効率を持続的に高めていきます。 (具体的な方針・戦略)■ 資金の源泉と使途の枠組み本中計の3年間においては、約1兆2,000億円のキャッシュ・インとキャッシュ・アウトを計画しています。キャッシュ・インにおいては営業キャッシュ・フローが約85%を占め、残りの約15%は有利子負債、事業売却、他社資本の活用などにより調達する予定です。キャッシュ・アウトに関しては成長に向けた投資と株主還元のバランスを重視し、約80%を事業投資、約20%を株主還元とする計画です。財務健全性指標としてD/Eレシオは0.7程度、有利子負債/EBITDA倍率は3.0程度を目安として、資本のバランスをマネジメントします。 ■ 設備投資・投融資本中計の3年間の意思決定ベースの投資額は、ヘルスケア領域や海外住宅におけるM&Aの投資額を精査した結果、当初計画の1兆円をやや下回り、約9,300億円を見込んでいます。そのうち、拡大関連投資の総額は6,000億円を予定しており、中計初年度においても中長期的な事業拡大に向けた成長投資は着実に進めています。拡大関連投資の約6割は「重点成長」事業を対象としており、医薬や海外住宅、エレクトロニクスといった成長力の高い分野へ集中的にリソースを投入します。投資の意思決定にあたっては、他社資本や補助金を戦略的に活用することを検討します。また、主要な案件ごとに事業の収益性・資本効率や事業ポートフォリオ上の位置づけ等を踏まえた上でのハードルレートを定めています。今後も財務規律を強く意識した上で投資判断を行います。 ■ 株主還元株主還元の基本的な考え方としては、累進配当を特に重視した上で、還元水準の継続的向上を図っていきます。その方針のもと、DOE3%程度を目安に中長期的な累進配当を目指しており、2025年度は1株当たり年間配当金として42円と、前期比で4円増配します。自己株式取得については、2025年度に株式の取得価額の総額で400億円(上限)の実施を決定しました。今後も自己株式取得に関する考えは従来と変わらず、資本構成最適化や投資案件、キャッシュ・フローの状況、足元の株価の推移などを総合的に勘案して検討・実施していきます。配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」と合わせてご参照ください。 ■ 資本効率の改善と企業価値の向上本中計においても、前中計に引き続き資本効率を重視しています。ROEについては、減損損失を計上した2022年度から改善しているものの、現状では株主資本コストの8%を下回っています。本中計の最終年度では9%を計画していますが、足元においてもROE改善策を進め、PBRのさらなる向上を目指します。改善に向けて次の5つの取り組みに注力しています。①事業ポートフォリオ変革加速②収益力向上③投資マネジメント強化④資本構成の最適化⑤資本コスト低減この中でも特に「事業ポートフォリオ変革加速」と「収益力向上」に重点的に取り組み、企業価値の向上を追求します。 ⅴ 経営基盤の強化経営環境の不透明さが増す中では、事業の土台となる経営基盤をより強固にすることが重要であると考えています。「人財のトランスフォーメーション」「グリーントランスフォーメーション」「リスクマネジメントの強化」「コーポレート・ガバナンスの最適化」などを通じて、旭化成のエコシステムのさらなる強化を進めています。 ■ 旭化成のエコシステムを通じた価値創造旭化成の100年を超える歴史の中で構築してきた経営基盤は、我々の経営のコアとなるものです。それを各領域が共有し、柔軟に相互活用しながら、旭化成らしい勝ち筋で価値を提供する、という姿は旭化成特有のエコシステムだと考えています。エコシステムを事業横断で活用して効果を創出している取り組みとして次のような事例があります。✔知財マネジメントノウハウの展開、という観点では、蓄積されたノウハウを医薬の分野で活用し、年間売上高で約400億円の骨粗鬆症薬「テリボン®」の独占販売期間の実質延長を実現✔住宅事業の法人営業活動において、旭化成グループが持つブランド、信用力を土台とした様々なネットワークを活用✔蓄積したM&Aノウハウを活用し、過去5年で300億円以上の規模のM&Aを7件実施このように、人財・ブランド・経営基盤といった無形資産を有機的に組み合わせて活用することで、旭化成ならではの価値を創出していきます。 ■ 人財のトランスフォーメーション当社グループは挑戦・成長を自ら求めていく「終身成長」と、多様性を促す「共創力」を人財戦略の柱としています。これらは当社が100年かけて培った、グループバリュー、多様性、自由闊達な風土などの無形資産をさらに磨き、活かしきるということでもあります。その取り組みを加速させるために、挑戦的風土の強化を狙った新しい人事制度への移行を進めています。「Fair+Open」のコンセプトのもと、社員が新たなことに挑戦したり、高い成果・貢献をあげた場合に、これまで以上に積極的に評価・報酬・昇格につなげる形にしていきます。これらの取り組みが、「従業員の活力と働きがいの向上」と「旭化成グループの持続的成長」の好循環につながると考えています。主要KPIとしては、「従業員エンゲージメント(成長行動指標)」「ラインポスト+高度専門職における女性比率」「従業員エンゲージメント(活力指標)」を掲げています。具体的な施策概要は「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に記載しているほか、当社統合報告書及びサステナビリティウェブサイトにも記載しています。統合報告書;https://www.asahi-kasei.com/jp/ir/library/asahikasei_report/サステナビリティウェブサイト;https://www.asahi-kasei.com/jp/sustainability/social/human_resources/ ■ グリーントランスフォーメーション当社グループは持続可能な社会の実現に向けて、2050年時点でのカーボンニュートラル(GHG実質排出ゼロ)を目指しています。GHG排出量は2013年度対比で2030年には30%以上の削減、2035年には40%以上の削減を目指しています。カーボンニュートラルの実現に向け、エネルギー使用量の削減、エネルギーの脱炭素化、製造プロセスの革新、高付加価値/低炭素型事業へのシフトなど、様々な取り組みを加速させていきます。自社のGHG排出量の削減への注力に加え、製品やサービスでバリューチェーン全体のGHG排出量削減に貢献することも重要なテーマとして取り組んでいます。当社では第三者専門家の視点を入れて妥当性を確認した、GHG排出量削減効果を期待できる製品・サービスを「環境貢献製品」として拡大・普及することを進めています。これらの「環境貢献製品」によるGHG削減貢献量を、2030年度には2020年度の2倍以上、2035年度には2.5倍以上とすることを目標としています。 ■ 企業価値向上を支えるガバナンスの進化当社グループは、事業環境の変化に応じ、透明・公正かつ迅速・果断に意思決定を行うための仕組みとして、当社にとって最適なコーポレート・ガバナンスの在り方を継続的に追求しています。直近のコーポレート・ガバナンスの状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。なお、近年のコーポレート・ガバナンスの主な取り組みとしては、取締役会のアジェンダにおける中長期視点の重点テーマへの注力に加え、独立社外取締役比率の向上などを進めています。また、2025年度に行った役員報酬制度の改定では、中長期的な企業価値向上への意識をより高めるため、業務執行取締役の報酬における株式報酬、金銭業績連動報酬の割合を高めました。さらに、グループ経営を担う国内外のリーダー層に対し、企業価値向上に向けて求められる行動を体系的に整理、共有することを目的に、「Group Management Standards(GMS)」を制定しました。GMSでは、企業価値向上に資する中核的な要素と、リーダーに求められる具体的なアクションの基準を明示しています。対象となるリーダーは、GMSに基づく行動を通じてグループ経営を牽引するとともに、その実践状況は業績考課等にも反映されます。今後は、グループ経営の重要な行動基準としてGMSの浸透を一層進め、グループ一丸となって企業価値向上に取り組んでいきます。 ■ リスクマネジメントの強化詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⅵ 財務・非財務主要KPI本中計の実行にあたっては、財務・非財務のKPIを明確にして各施策を実行していきます。財務KPIにおいては、利益成長・資本効率の視点で、営業利益、ROE、ROICの2027年度の目標と2030年度の展望を設定しています。非財務KPIに関しては、GXの観点では当社GHG排出量、環境貢献製品を通じたGHG削減貢献量、無形資産の活用の観点ではライセンス契約の新規締結件数、人財の観点では従業員エンゲージメント調査の活力指標を主要なKPIとして設定しています。 中期経営計画2027で設定した財務・非財務主要KPI一覧 ③ 各セグメントの経営方針・経営戦略等中期経営計画に定める各セグメントの目標に向けて、以下の経営方針・経営戦略を実行していきます。 Ⅰ 「ヘルスケア」セグメント●事業の方向性:2026年度に完了した医薬の大型買収案件を含め、これまでの成長投資を結実させ、グループの利益成長を牽引。中期視点での持続的高成長に向けた拡大投資を継続 ●注視する事業環境:対象疾患の患者数・ガイドライン、血漿製剤・バイオ医薬品の市場動向、米国の景気動向・政策動向・保険会社の動向 <経営環境・経営課題>医薬事業においては、2024年度に買収したCalliditasが、2019年度に買収したVeloxisと一体となってグローバルな事業展開を進めており、日米における主力医薬品の販売が伸長したことにより売上高は堅調に増加しています。2026年2月に公表したAicurisの買収は4月に完了し、今後の中長期的な販売拡大に向けた成長ドライバーとして位置づけています。ライフサイエンス事業においては、血液製剤・バイオ医薬品等の市場の継続的な成長と製薬企業における新薬の開発及び商業生産化へのニーズの高まりにより、ウイルス除去フィルターの需要が堅調に増加しています。米国の関税障壁によって一部の出荷に影響があったものの、全体としての供給体制には問題なく事業を運営しています。クリティカルケア事業においては、主力のACT*1事業で2025年10月に医療従事者向け除細動器の新製品を米国にて発売したことなどから、売上高が堅調に増加しました。中長期的には、国内では医療費削減圧力が高まることによる市場成長の鈍化が予想される一方、先進諸外国においては、より良い医療に対するニーズの高まりや長寿社会の進展に伴い、引き続き安定的な市場成長が継続することが予想されます。そのため、本セグメントの中長期的な成長のための課題は、グローバルな事業展開を加速することであり、当社グループに足りない経営資源を追加・補強する手段としてM&Aやライセンス導入による事業開発を推進していきます。今後は、2021年度にクリティカルケア事業のZOLLが買収したRespicardia, Inc.やItamar Medical Ltd.、2022年度に旭化成メディカル㈱(現、旭化成ライフサイエンス㈱)が買収したBionova Scientific, LLC、2024年度に当社が買収したCalliditasや2026年度にVeloxisが買収を完了したAicurisなど、過去に投資を実行した案件の収益成長による投資成果の刈り取りを図るとともに、既存事業の成長とM&A等の事業開発を継続し、医薬・医療機器の双方でグローバル市場における幅広い事業機会を捉え、当社グループの成長を牽引することを目指します。*1 Acute Care Technology:除細動器、AED、心肺蘇生関連、体温管理、ソフトウェアソリューション等 <経営方針・経営戦略>本セグメントにおける主な取り組みの方針・進捗は、以下のとおりです。ⅰ 医薬事業・旭化成ファーマ㈱とVeloxisの強みを活かしたグローバルスペシャリティファーマへの進化が着実に進んでいます。事業開発、臨床開発における両社の知見を統合し、免疫・移植の周辺疾患領域での成長の可能性を最大限に追求します。2024年度からは日米の医薬事業を統合した「One AK (Asahi Kasei) Pharma体制」への移行を進めています。そして医薬事業のグローバルな研究開発機能の最適化及びオープンイノベーションのさらなる推進を目的として、研究開発拠点を2027年1月(予定)に大仁地区(静岡県伊豆の国市)から湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県藤沢市)へ移転することを決定しました。・Veloxisの腎移植手術患者向け免疫抑制剤「Envarsus XR™」の販売が着実に伸長しています。また将来に向けたパイプライン強化のため、CD28阻害薬「VEL-101」(臓器移植における新規免疫抑制薬)の開発を進め、順調に経過しています。・Calliditasでは、IgA腎症の治療薬として初めて承認された医薬品「TARPEYO™」の販売拡大を目指します。競合製品も上市されましたが、「TARPEYO™」は競合より早く承認を得たことと、国際ガイドライン*2に推奨薬として掲載されたことを追い風に当初計画より2~3年前倒しで売上伸長を達成しています。・国内市場では整形外科領域、救急・集中治療領域、免疫疾患領域における新薬上市と販売の拡大を継続します。整形外科領域においては、骨粗鬆症治療薬「テリボン®オートインジェクター」のさらなる市場への浸透を図ります。免疫疾患領域においては、関節リウマチ治療剤「ケブザラ®」と、免疫調整剤「プラケニル®」のさらなる市場浸透を図ります。*2 KDIGO 2025 Clinical Practice Guideline for the Management of Immunoglobulin A Nephropathy (IgAN) and Immunoglobulin A Vasculitis (IgAV) ⅱ ライフサイエンス事業・生物学的製剤の市場成長に合わせたウイルス除去フィルター「プラノバ™」の市場ポジション・販売拡大を目指し、生産能力増強、生産効率化及び製品開発を引き続き進めていきます。・同様にバイオ医薬品の製造工程の上流プロセスで細胞分離に利用される中空糸型マイクロフィルター「BioOptimal」も着実に売り上げを伸ばしています。当社のろ過技術と品質の高さに加えて、「プラノバ™」の販売で培った顧客とのコネクションを通じて更なる事業拡大に努めます。・ウイルス等安全性試験受託サービス等を手掛けるVirusure Forschung und Entwicklung GmbH、Bionique Testing Laboratories, LLC、及び次世代抗体医薬品CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)のBionova Scientific, LLCを通じた多様な事業展開により、製剤の安全性と生産性向上に貢献する、製薬企業にとってのプレミアムパートナーとなることで製薬市場の成長を取り込みます。 ⅲ クリティカルケア事業・心肺蘇生、心疾患、睡眠時無呼吸症などの重篤な心肺関連疾患領域をターゲットとし、既存事業の持続的成長、及び企業買収を通じた既存事業強化と周辺領域への拡大により成長を追求します。・医療従事者向け除細動器や公共施設向けAEDなどの救命救急医療の市場リーダーとして、引き続き技術革新や製品・サービス開発に投資して新製品を投入し、製品ポートフォリオを多様化するとともに、米国外も含めたグローバルでの市場成長を着実に捉えていきます。・着用型自動除細動器「LifeVest®」は米国にて次世代モデルの販売を2025年度に開始しました。臨床的価値の訴求により市場浸透率をさらに高め、標準的な治療法として確立させることを目指します。また、浸透率の低かった欧州においてはガイドライン*3の推奨を獲得し、拡大への弾みをつけています。・中枢性睡眠時無呼吸症の治療用機器を手掛けるRespicardia, Inc.、及び睡眠時無呼吸症の在宅検査・診断ソリューションを手掛けるItamar Medical Ltd.の2社で、心疾患患者が併発することの多い睡眠時無呼吸症の診断や治療のためのデバイスの販売を拡大しています。米国においては閉塞性睡眠時無呼吸症の治療薬の承認により、疾患の認知度が向上しItamarの診断機器に追い風となりました。また米国睡眠医学会の中枢性睡眠時無呼吸症の治療ガイドライン*4にRespicardiaの製品が推奨治療として掲載され、エビデンスの確立が順調に進んでいます。当該2社の事業拡大と既存の心疾患関連事業とのシナジー創出により、確実な成果の結実を目指します。*3 2022 ESC Guidelines for the management of patients with ventricular arrhythmias and the prevention of sudden cardiac death*4 Treatment of central sleep apnea in adults: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline Ⅱ 「住宅」セグメント●事業の方向性:国内住宅事業は継続的な収益力強化に加え、中期的な成長機会を探索。海外住宅事業は独自のビジネスモデルによる展開を通じた持続的成長を追求 ●注視する事業環境:国内の戸建住宅、不動産関連の市場動向、米国・豪州における景気や金利政策の住宅需要への影響 <経営環境・経営課題>国内の住宅市場では、住宅ローン金利が上昇傾向にあることに加え、資材価格高騰や労務費の増加による建設コストの上昇や、物価上昇による消費マインドの低下が懸念されており、住宅需要について注視が必要な状況が続いています。このような状況の中、引き続き社会課題の解決と、お客様満足のさらなる向上に取り組んでいます。DXを活用したオンライン集客・紹介活動の拡大等による集客におけるビジネスモデルの転換や、都心・都市・近郊それぞれのエリア特性・お客様のニーズに合わせたサービスの展開、高付加価値化へのさらなるシフトを通じ、引き続き高品質な住まいの提案に努めていきます。また、気候変動に伴う自然災害の多発化、脱炭素化の加速、環境への配慮による省エネルギー性能の高い住宅の需要の高まり等、住宅を取り巻くニーズは変化し続けており、環境関連においても積極的に取り組みを行っています。2025年9月より自社製品由来の再生可能エネルギー電力及び環境価値を活用し、住宅の生涯CO2収支ゼロを目指す戸建新商品「earth-tect(アーステクト)」の販売を開始しました。2025年度には、高断熱化、省エネルギー、太陽光発電等の創エネルギーによりエネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ以下となる住宅であるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の比率が93%に、ZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の比率が83%に達しており、ZEH基準を満たす住宅の建築を推進しています。海外の住宅市場では、経済政策の動向や為替変動、住宅価格の高騰、住宅ローン金利高止まりの影響等について注視が必要な状況が続いていますが、供給不足を背景とする潜在的な需要は高く、今後も事業展開の拡大を行っていく必要があると考えています。 <経営方針・経営戦略>本セグメントにおける主な取り組みの方針・進捗は、以下のとおりです。ⅰ デジタル技術を活用したマーケティング等による集客、受注活動の推進や生産性の向上ⅱ サステナビリティ活動の推進・国際的イニシアチブ「RE100」が主催する「RE100 Leadership Awards 2025」において、旭化成ホームズ㈱が「RE100 changemaker」を受賞。2024年「RE100 Enterprising Leader」受賞に続き、2年連続の受賞・「産業の発展と地球環境との共生」を目指した企業、行政、市民が一体となった顕彰制度である、フジサンケイグループ主催の地球環境大賞において、旭化成ホームズ㈱が「第34回地球環境大賞 国土交通大臣賞」を受賞・環境貢献度の高い断熱材「ネオマフォーム™」の拡販ⅲ レジリエンスの強化・耐震性、耐火性の高い住宅の提供や防災科学技術研究所とのリアルタイム地震被害推定システム研究など、安心できる住まいを実現させる取り組みの推進・一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会主催の「第12回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2026」において、旭化成ホームズ㈱が品川区と連名で応募した『都心高層マンションにおける“真の防災力”への挑戦』の取り組みが「最優秀賞」を受賞・同アワードにおいて、旭化成ホームズ㈱の、“重鉄の邸宅「earth-tect~Resilience&Green~」 トータルレジリエンスと脱炭素化への取り組み”が「優秀賞」を受賞ⅳ 海外事業の展開加速・豪州事業大手戸建住宅会社であるNEX Building Group Pty Ltdを中心に、同社の創業の地であるニューサウスウェールズ州以外にも新たなビルダーの買収を通じてエリアを広げ、現在は計5州で事業を展開しています。引き続き生産性・収益性向上に向けた業務プロセスの高度化や、請負事業のさらなる拡大、建売事業・土地開発事業の成長の加速を通じ、拡販による各エリアのシェアアップでの利益拡大を目指します。またビルダー単独・サプライヤー単独では成しえない多様な価値提供による競争優位性の高いビジネスモデルを確立させることで、豪州における注文住宅の建築請負及び分譲住宅の販売においてトップブランドを目指します。・北米事業北米のホールディングカンパニーであるSynergos Companies LLCは、建築部材を手掛けるErickson Framing Operations LLCやFocus Companies LLC、基礎・電気・空調設備工事を行うAustin Companies LLC、配管工事を行うBrewer Operations LLCなどのサブコンストラクターを中心に、建築工程の中核となる業種を統合し、一元管理を通じて工期短縮・品質管理向上のソリューションを提供する「Synergosモデル」を推進することで、米国の建築業界に施工の効率化という新たな価値を生み出し、高品質な住まいの提供に貢献しています。また住宅需要の高いアリゾナ州、ネバダ州、フロリダ州に厳選して地域展開を図り事業規模を拡大しています。今後さらなる成長を追求すべく、M&Aなどによる「Synergosモデル」強化・エリア拡大を推進していきます。 Ⅲ 「マテリアル」セグメント●事業の方向性:「カスタマーオリエンテッド型」「ソリューション型」事業の拡大による持続的成長と他社との連携や外部リソースを活用した事業価値の最大化 ●注視する事業環境:DX・AI技術を支える半導体の市場成長、グローバルEV市場動向、米国の政策動向等の地政学的リスク、水素など低炭素社会実現に向けた各国のエネルギー動向 <経営環境・経営課題>本セグメントにおいては、事業ポートフォリオの転換を最も重要な経営課題と認識し、次の成長分野への重点的な投資を行う一方で、既存アセットを最大活用することでのキャッシュ創出や事業の構造改革を推進しています。なお2025年4月より、本セグメント内の事業をエレクトロニクス、カーインテリア、エナジー&インフラ、コンフォートライフ、パフォーマンスケミカル、エッセンシャルケミカルという6つの事業分野に分類し、運営しています。これらの事業において、ビジネスモデルや市場の状況、競争優位性等の事業環境は、製品群によって大きく異なるため、各事業が置かれている環境認識に基づいた経営課題に対して取り組んでいます。本セグメントにおける経営環境は以下のとおりと認識しています。ⅰ エレクトロニクス事業・生成AIの普及やデータセンター拡大に伴う、先端半導体技術のニーズの高まり・通信技術の高度化等、新たなライフスタイルによる様々なセンシングニーズの高まり ⅱ カーインテリア事業・自動運転の普及に伴う、車室空間の「居心地」に対するニーズの多様化・デザイン性と機能性を両立し、かつ環境負荷の低い素材へのニーズの高まり ⅲ エナジー&インフラ事業・主要国における電気自動車を含む環境対応車の需要動向、旺盛なエネルギー需要等に伴うESS(エネルギー貯蔵システム)の需要拡大、それらに向けたリチウムイオン電池需要の高まり・米国の規制強化による食塩電解プラントのアスベスト隔膜法からイオン交換膜法への転換の動きや、インドや東南アジアでの電解プラントの新増設等に伴う、イオン交換膜需要の高まり・低炭素社会に向けたクリーン水素製造ニーズの立ち上がり ⅳ コンフォートライフ事業・欧米向けジェネリック医薬品製造拠点としてのインドや、高齢化が進展する中国など、グローバルな医薬品市場の成長に伴う医薬品添加剤需要の安定成長 ⅴ パフォーマンスケミカル事業・「CASE」と呼ばれる自動車業界の変革、次世代モビリティの進展と、それに伴う部材の技術革新や新たなニーズの高まり・低炭素社会の実現に向けた電気自動車等の環境対応車の需要拡大や資源の有効活用など、自動車業界における環境負荷低減の動き ⅵ エッセンシャルケミカル事業・中国の設備増強と内製化進展による石油化学製品のアジア輸出需要の変化、またこれに伴う日本国内の石油化学コンビナート再編の動き・カーボンニュートラルの動きを受けた、石油化学関連製品の中長期視点でのサステナビリティ対応の加速、脱炭素に貢献する技術やソリューションに対するニーズの高まり <経営方針・経営戦略>本セグメントにおける主な取り組みの方針・進捗は、以下のとおりです。ⅰ エレクトロニクス事業■ 価値提供の方向性:カスタマーオリエンテッド型による高付加価値素材の提供・最先端、次世代半導体市場のマーケットリーダーをキーカスタマーとして的確に捉え、市場ニーズを見越した製品設計と開発で、業界でのデファクトスタンダードとなる製品を創出・ニッチな技術をさらに磨き、最先端技術を支える高機能材料、部品を展開■ 主な取り組み・電子材料、基板材料事業:AI需要拡大による、最先端半導体パッケージ及びAI向けサーバー等の基板の市場拡大を支える高機能材料の展開・電子部品:スマートフォンや車載市場において競争力のあるセンシングデバイス・ソリューションの展開、ミリ波レーダー等を活用した新規分野開拓・半導体周辺における他社との戦略的アライアンス、M&Aによる非連続成長の検討 ⅱ カーインテリア事業■ 価値提供の方向性:カスタマーオリエンテッド型の商品ラインアップ、対応力による提案力強化・キーカスタマーへの横断的なマーケティング強化■ 主な取り組み・Sage Automotive Interiors, Inc.の事業を軸にして、ファブリック、合成皮革、さらに環境特性に優れたスエード調人工皮革「Dinamica®」を加えた幅広い素材ラインアップと高いデザイン力を融合させた内装材プラットフォームの構築・地域、素材ごとの最適な生産供給体制構築による、コスト競争力の強化・環境に配慮した製法による高級感ある新素材、新製品の開発 ⅲ エナジー&インフラ事業■ 価値提供の方向性:独自の技術・知見を活かしたソリューション提供・これまでに培った技術や知見などの事業基盤を活かした、当社グループが目指す2つのサステナビリティ(「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」)の好循環の実現への貢献■ 主な取り組み・グリーンな素材とソリューションの提供(水素関連の事業化推進、CO2ケミストリーの多面的展開)・蓄エネルギー分野の深耕(セパレータ事業の成長追求、知見を活かした新しい事業展開)・イオン交換膜法食塩電解事業を起点とした製造型リカーリングビジネスの拡充と高度化 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 事業上の課題「(1) 経営方針・経営戦略等 ③ 各セグメントの経営方針・経営戦略等」に記載の項目に加えて、以下の事業上の課題があります。 Ⅰ 「ヘルスケア」セグメント医薬品や医療機器等の事業においては、一般的に、その販売数量や販売単価等が定期的な薬価・保険償還価格の改定の影響を受ける場合があります。また新薬の研究開発については、期間が長期にわたることに加え、承認取得に至る確率が高くないことなどから、製品化の確度や時期について正確な予測が困難であり、計画どおりに製品化できなかった場合は業績に影響を与える可能性があります。医薬品や医療機器が製品化した場合でも、競合品の開発・上市の動向、有害事象の報告、後発品の上市等により、業績に影響を与える可能性があります。そのため、当社グループでは医薬品と医療機器の両方を持つことで、多様な成長力・競争力を獲得し、イノベーション獲得機会の増加を図るとともに、医療規制等将来の不確実性への対応力を高めていきます。また、パイプラインの拡充、ライセンス導出・導入、共同開発、グローバル展開の加速等に努めることで持続的な安定成長を図ります。加えて、大規模自然災害・パンデミック・地政学的問題などによる原材料・部品の不足、調達リードタイムの長期化、調達コストの増加の影響を受ける可能性があります。近年では欧州を中心とした法規制の強化が進み、規制に準拠した品質管理を徹底する必要があります。当社の医薬品、医療機器を必要とする患者や医療従事者へ安定的に製品を供給するため、原材料や製品在庫の管理、サプライヤーとの関係強化などサプライチェーン強化を進めていきます。 Ⅱ 「住宅」セグメント国内の住宅市場では、税制の動向や地政学的問題等の発生によりサプライヤーからの部材調達に影響を受ける場合があります。当社は、発注情報の早期確定やスペックの見直し、内製化、複数社からの購買等リスク軽減を検討し対応していきます。北米の住宅市場では、高水準で推移する住宅ローン金利や、関税政策、インフレの懸念などが住宅着工に影響を与えていますが、供給不足を背景とする潜在的な需要は高いため、厳しい市場環境下においても、中長期的な成長を見据え、新規顧客の開拓に注力するとともに、施工の効率化といった新たな価値を創出し、高品質な住まいの提供に貢献します。豪州の住宅市場では、住宅価格の上昇や住宅ローン金利の高止まりはあるものの、事業環境は改善傾向にあり、また持続的な人口増加により中長期にわたり住宅需要が期待されます。このような状況の中、豪州事業ではビルダー単独・サプライヤー単独では成しえない多様な価値提供による競争優位性の高い事業モデルの確立に引き続き注力していきます。また、カーボンニュートラルに向けた対応や脱炭素等の環境意識が高まる中、対応が遅れた場合は競争優位性や企業ブランド・製品ブランドへの影響が考えられます。旭化成ホームズ㈱は、事業特性に合わせたマテリアリティを特定し、4つのテーマにまとめています。テーマの1つである「With Environment 豊かな自然環境の保全とより良い環境の創造」を目指し、サステナビリティへの取り組みを推進しながらビジネスを成長させることで、持続可能な社会貢献に取り組んでいきます。 Ⅲ 「マテリアル」セグメントⅰ エレクトロニクス事業情報通信機器に用いられる電子材料や電子部品のニーズは、AI需要の高まり、デジタルトランスフォーメーションの進展や次世代通信の普及に伴う情報通信高度化の需要が益々拡大することに伴い、年々増加しています。特に自動車の電動化がもたらす変化として、車両の高機能化だけでなく、充電設備の整備も急速に進められており、様々なセンシングデバイスの高度化・高信頼性化が求められています。半導体のニーズが益々拡大する一方で、中東情勢の悪化や米中関係の動向によるサプライチェーンの混乱、分断がもたらす影響を的確に捉えて、対応を進めていきます。特に世界各国の半導体ファウンドリやOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly & Test)を活用する分業体制が業界全体として展開されているため、半導体製造に関わるサプライチェーンの動向に影響を受ける可能性があります。半導体生産に必要なレアガス(希ガス)やレアメタル(希少金属)などの原材料不足や、大規模災害・パンデミック・地政学的問題などの影響を受けての需要変化による製造リードタイムの長期化など、電子部品事業において環境変化を見通しにくい状況となっています。そのような中で、半導体製造関連の主要サプライチェーンの状況(特に米国、中国、台湾)の動向をモニタリングし、リスクの発生状況を常時評価し、迅速に対応していきます。今後も市場動向を注視しながらデジタル社会で求められる最先端のニーズを捉えて、電子材料と電子部品の双方を有するユニークさを活かし、特徴ある材料・部品、ソリューションを提供していきます。 ⅱ カーインテリア事業車室空間には、これまでにない快適性やデザイン性に加えて、リサイクル原料の使用、車体軽量化による自動車燃費の向上、電動化等、環境負荷低減に繋がる製品が求められています。環境特性に優れたスエード調人工皮革「Dinamica®」は、需要増加に対応するため供給能力を増強するとともに、米国子会社のSage Automotive Interiors, Inc.との連携を強化し、米国Adient plcのファブリック事業や、中国の合弁会社のパートナーであるOmnova社の塩化ビニル樹脂系合成皮革事業との統合効果を発現させていきます。今後も顧客要求に迅速に対応するべく、グローバル市場におけるキーカスタマーへのアプローチやデジタルマーケティングを継続するとともに、価値提供領域をカーシートに加えて天井やドア等の車室空間全体に拡大することで、持続的に成長できるビジネスモデルの構築を推進していきます。本事業は世界の自動車業界の動向に影響を受ける場合があります。事業運営は、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の影響によるサプライチェーンの混乱、及び米国関税政策や中国景気の減速に伴う世界経済の成長鈍化等、年間を通じて見通しづらい環境下にあります。そのような中で各国の自動車関連市場を注視するとともに、サプライチェーンと在庫管理を強化し、変化する需要に柔軟に対応していきます。 ⅲ エナジー&インフラ事業リチウムイオン電池用セパレータは、脱炭素化に伴う電気自動車普及を背景に中長期的な需要拡大が見込まれる一方、同市場の成長速度鈍化に伴う自動車メーカーや電池メーカーの投資計画見直しにより、需要が想定を下回る可能性があります。一方で、旺盛なAI需要に伴う電力需要の急拡大、再生可能エネルギーの広がりからESSといった新たに急成長する用途があらわれています。当社は、北米を中心としたサプライチェーンの現地化要請に対応するため、北米に生産拠点を先行して構え、顧客と強いパートナーシップを結びつつ、安定的かつ高水準の品質を強みに、様々な顧客ニーズに対応していきます。また、中国・韓国メーカー等との価格競争・技術競争の激化、原材料・エネルギー価格の変動、地政学的リスクや各国政策動向の影響を受ける可能性を考慮し、米国、日本での塗工能力増強を図りつつ、生産技術の大幅な改良を図り、コスト競争力の高い製品を追求していきます。イオン交換膜法食塩電解は、米国の規制強化によるアスベスト隔膜法プラントからのプロセス転換や、インド・東南アジアでの電解プラントの新増設等で需要が高まるなか、競合他社の能力増強による競争激化が見込まれます。さらなる事業価値向上に向けて、Recherche 2000 Inc.の食塩電解用モニタリング装置・システムから、「モノ売り」とサービスを融合させたソリューションの提供を加速させていきます。本事業は、各国の規制・環境問題や関税政策、供給制約の顕在化等によるサプライチェーンの変化、テクノロジーの変化により、事業環境が急激に変化することが中期的なリスク要因と考えられるため、事業環境の動向の把握と迅速な対応を続けていきます。 ② 財務上の課題「(1) 経営方針・経営戦略等 ② 当社グループ全体の経営方針・経営戦略等」 <経営方針・経営戦略> ⅳ 財務・資本政策の項目をご参照ください。
経営者による分析 FY2025 / 約7,618字
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】本項の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。これらの記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた一定の前提条件や見解に基づくものであり、「3 事業等のリスク」等に記載された事項及びその他の要因により、当社グループの実際の業績はこれらの予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。 (1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容① 経営成績Ⅰ 当社グループ全体当社グループの当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日、以下、「当期」)における連結業績は、エッセンシャルケミカル事業の定期修理の影響や在庫受払差の影響等を受けた「マテリアル」は減益となりましたが、医薬事業の利益成長が寄与した「ヘルスケア」、国内住宅事業が堅調に推移した「住宅」は増益となったことから、売上高は3兆745億円で前連結会計年度(以下、「前期」)比372億円の増収となり、営業利益は2,312億円で前期比193億円の増益となりました。経常利益は2,304億円で持分法による投資利益の増加などにより前期比370億円の増益となりました。また、前期比で事業構造改善費用は増加しましたが、税金費用が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,588億円で、238億円の増益となりました。その結果、EPS(1株当たり当期純利益)は116.97円と前期比19.03円の増加となりました。資本効率について、当期のROICは5.9%で前期比0.4%の改善、ROEは8.0%で前期比0.7%の改善となりました。財務健全性については、有利子負債の減少を受けて、D/Eレシオは0.46となりました。 〈当社グループの業績〉 経営指標2023年度2024年度2025年度前期との差異収益性売上高(億円)27,84930,37330,745+372営業利益(億円)1,4072,1192,312+193売上高営業利益率(%)5.17.07.5+0.5EBITDA(億円)3,2293,9804,275+295売上高EBITDA率(%)11.613.113.9+0.8親会社株主に帰属する当期純利益(億円)4381,3501,588+238EPS(円)31.6097.94116.97+19.03資本効率ROIC(%)5.95.55.9+0.4ROE(%)2.57.48.0+0.7財務健全性D/Eレシオ 0.510.620.46△0.16 Ⅱ セグメント別ⅰ 「ヘルスケア」セグメント売上高は6,641億円で前期比482億円の増収となり、営業利益は835億円で前期比194億円の増益となりました。医薬事業は、主力製品の販売量増加や、2024年10月より連結を開始したスウェーデンの製薬会社Calliditas Therapeutics ABの新規連結効果等に伴い、増益となりました。ライフサイエンス事業は、「プラノバ™」の販売量が増加したものの、販管費の増加や血液浄化事業の譲渡影響等により、減益となりました。クリティカルケア事業は、「LifeVest®」の新規患者数の増加や除細動器の新製品上市の効果がありましたが、販管費の増加等により、減益となりました。 ⅱ 「住宅」セグメント売上高は1兆774億円で前期比415億円の増収となり、営業利益は998億円で前期比39億円の増益となりました。建築請負事業は、物件の大型化・高付加価値化による平均単価の上昇等により、増益となりました。不動産開発事業は、分譲マンションの販売戸数は減少したものの、物件の構成差や固定費削減により、増益となりました。賃貸管理・不動産流通事業は、管理戸数及び仲介件数の増加により、増益となりました。また、建材事業も、価格転嫁の進捗等により、増益となりました。一方、海外住宅事業については、北米事業において住宅需要の落ち込みによる数量減少や価格対応の影響を受け、減益となりました。 ⅲ 「マテリアル」セグメント売上高は1兆3,062億円で前期比625億円の減収となり、営業利益は683億円で前期比116億円の減益となりました。エレクトロニクス事業は、AIサーバーやハイエンドスマホを中心とした半導体・電子機器関連事業の旺盛な需要を背景に、主力製品の販売が伸長し、増益となりました。一方、エッセンシャルケミカル事業は、在庫受払差の影響や水島製造所における大規模な定期修理の実施により、減益となりました。カーインテリア事業は、欧州での販売が堅調に推移したものの、中国及び北米での販売量減少や固定費の増加等により、減益となりました。エナジー&インフラ事業は、イオン交換膜法食塩電解事業における電解プラントの販売が増加した一方、セパレータ事業では鉛蓄電池用セパレータ事業の譲渡影響や、ハイポア事業における販管費増加及び経時的な価格対応の影響により、減益となりました。また、コンフォートライフ事業は、繊維事業の販売量減少等により、パフォーマンスケミカル事業は、市況下落による在庫受払差の影響及び定期修理の影響等により、それぞれ減益となりました。 Ⅲ 生産、受注及び販売の状況ⅰ 生産実績当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産の状況については、「Ⅱ セグメント別」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。 ⅱ 受注状況当社グループは注文住宅に関して受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりです。その他の製品については主として見込生産を行っているため、特記すべき受注生産はありません。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)住宅430,462101.0601,724106.1 ⅲ 販売実績当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称販売実績(百万円)前期比(%)ヘルスケア664,146107.8住宅1,077,394104.0マテリアル1,306,24095.4その他26,725159.3合計3,074,505101.2 (注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。2 前期及び当期において、主要な販売先として記載すべきものはありません。 ② 財政状態当期末の総資産は、為替の円安影響や「住宅」における棚卸資産の増加などにより、前期比1,227億円増加し、4兆1,379億円となりました。流動資産は、現金及び預金が164億円減少したものの、棚卸資産が744億円、受取手形、売掛金及び契約資産が224億円増加したことなどから、前期比959億円増加し、1兆8,654億円となりました。固定資産は、投資有価証券が281億円、繰延税金資産が153億円、無形固定資産が127億円減少したものの、有形固定資産が405億円、退職給付に係る資産が348億円増加したことなどから、前期比268億円増加し、2兆2,726億円となりました。流動負債は、未払費用が162億円増加したものの、短期借入金が1,033億円、コマーシャル・ペーパーが870億円減少したことなどから、前期比1,715億円減少し、7,931億円となりました。固定負債は、社債が300億円、退職給付に係る負債が136億円減少したものの、その他固定負債が386億円、長期借入金が204億円増加したことなどから、前期比425億円増加し、1兆1,792億円となりました。有利子負債は、前期比1,899億円減少し、9,675億円となりました。純資産は、配当金の支払544億円や自己株式の取得23億円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を1,588億円計上したことや為替換算調整勘定が1,244億円、退職給付に係る調整累計額が255億円増加したことなどから、前期末の1兆9,139億円から2,517億円増加し、2兆1,656億円になりました。その結果、1株当たり純資産は前期比170.50円増加し1,539.66円となり、自己資本比率は前期末の46.3%から50.5%となりました。D/E レシオは前期末から0.16ポイント減少し0.46となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況Ⅰ キャッシュ・フローの状況当期における営業活動によるキャッシュ・フローは3,031億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは1,069億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は1,962億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは2,454億円の支出となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加312億円などがありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前連結会計年度末に比べ180億円減少し、3,721億円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加766億円、法人税等の支払488億円、投資有価証券売却益417億円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益2,146億円、減価償却費1,626億円、のれん償却額337億円、前受金の増加286億円、減損損失167億円などの収入があったことから、3,031億円の収入(前期比16億円の収入の増加)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入626億円、投資有価証券の売却による収入489億円、有形固定資産の売却による収入57億円などの収入があったものの、有形固定資産の取得による支出1,937億円、無形固定資産の取得による支出174億円、貸付けによる支出108億円などの支出があったことから、1,069億円の支出(前期比2,743億円の支出の減少)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入831億円、非支配株主からの払込みによる収入180億円などの収入があったものの、短期借入金の減少1,068億円、コマーシャル・ペーパーの減少870億円、長期借入金の返済による支出639億円、配当金の支払544億円などの支出があったことから、2,454億円の支出(前期比3,899億円の支出の増加)となりました。 当社グループの連結キャッシュ・フローの推移(単位:億円) 2023年度2024年度2025年度営業活動によるキャッシュ・フロー①2,9533,0153,031投資活動によるキャッシュ・フロー②△1,426△3,811△1,069フリー・キャッシュ・フロー③(①+②)1,527△7971,962財務活動によるキャッシュ・フロー④△9431,446△2,454現金及び現金同等物に係る換算差額⑤297△85312現金及び現金同等物の増減額⑥(③+④+⑤)880564△180現金及び現金同等物の期首残高⑦2,4793,3353,900連結の範囲の変更に伴う増減額⑧-10会社分割に伴う減少額⑨△24--現金及び現金同等物の期末残高(⑥+⑦+⑧+⑨)3,3353,9003,721 Ⅱ 流動性と資金調達の源泉(資本の財源及び資金の流動性について)2027年3月31日に終了する連結会計年度においては、各セグメントが安定的なキャッシュ・フローを創出することを見込んでいます。加えて、財務規律の強化や事業ポートフォリオ転換などを通じた収益体質の強化にも取り組み、更なるキャッシュの創出に継続的に努めています。また、当社グループでは、D/Eレシオ0.7を目安に健全な財務体質を維持しつつ、これを背景に金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行など多様な調達手段により、安定的かつ低コストの資金調達を図ります。同時に資金の年度別返済の集中を避けることで借り換えリスクの低減も図っています。これらの資金を、経営基盤の強化・変革、持続可能な社会の実現と企業価値の継続的な向上のための戦略的な投資、及び株主の皆様への還元に活用していきます。なお、当社グループでは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)とグローバル・ノーショナル・キャッシュ・プーリングを導入しており、国内外の金融子会社、海外現地法人などにおいて集中的な資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンスの考え方を基本としています。グローバル拡大への対応とグループ経営の深化の視点から、今後も連結ベースでの資金管理体制の更なる充実と資金効率化を図ります。 (2) 重要な判断を要する会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。当社グループは、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価、訴訟等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。 ① 棚卸資産の評価当社グループで保有する棚卸資産は取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により期末における回収可能価額が取得原価よりも下落している場合には、回収可能価額まで棚卸資産の評価を切り下げています。回収可能価額は、商品及び製品については正味売却価額に基づき、原材料等については再調達原価に基づいています。経営者は、棚卸資産の評価に用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、当社グループは、主に「マテリアル」セグメントを中心として市場価格の変動リスクに晒されており、将来、経営環境の悪化等により市場価格が下落した場合には棚卸資産の簿価を切り下げることになります。 ② 企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価当社グループは、企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価について、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの合理的に算定された価額を基礎として算定しています。経営者は、無形固定資産の時価の見積りに用いられた、事業計画に含まれる将来の販売数量の見込みや割引率等についての主要な仮定について合理的であると判断しています。 ③ 有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の減損当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の兆候があるものとして、減損損失の認識の判定を行っています。減損の存在が相当程度に確実と判断した場合、減損損失の測定を行い、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としています。使用価値は、将来の市場の成長度合い、収益と費用の予想、資産の予想使用期間、割引率等の前提条件に基づき将来キャッシュ・フローを見積もることにより算出しています。経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価は合理的であると判断しています。ただし、予測不能な市場環境の悪化等により有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の評価に関する見積りの前提に重要な変化が生じた場合には、減損損失を計上する可能性があります。 ④ 繰延税金資産の評価当社グループは、繰延税金資産のうち、回収可能性に不確実性があり、将来において回収が見込まれない金額を評価性引当額として設定しています。繰延税金資産の回収可能性については、課税所得及びタックスプランニングの見積りにより計上していますが、特に課税所得の見積りには将来に関する予測や情報が含まれています。将来の予測や情報に基づき、繰延税金資産の一部又は全部が回収できない可能性が高いと判断した場合には、将来回収が可能と判断される額までを繰延税金資産に計上しています。経営者は、繰延税金資産の回収可能性の判断及び前提となる課税所得やタックスプランニングの見積りは適切であると判断しています。ただし、将来、経営環境の悪化等により、想定していた課税所得が見込まれなくなった場合は、評価性引当額を設定することにより繰延税金資産が取崩される可能性があります。 ⑤ 退職給付債務及び費用当社グループは主として従業員の確定給付制度に基づく退職給付債務及び費用について、割引率、昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件を用いた数理計算により算出しています。割引率は測定日時点における、従業員の給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた長期国債利回りに基づき決定し、各前提条件については定期的に見直しを行っています。長期期待運用収益率については、過去の年金資産の運用実績及び将来見通しを基礎として決定しています。経営者は、年金数理計算上用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、前提条件を変更した場合、あるいは前提条件と実際の数値に差異が生じた場合には、数理計算上の差異が発生し、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
役員の状況 FY2025 / 約8,198字
(2) 【役員の状況】① 役員一覧男性10名 女性3名 (役員のうち女性の比率23.1%)役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(うち株式報酬制度に基づく交付予定株式数)(株)取締役会長小堀 秀毅1955年2月2日生1978年4月当社入社2008年4月旭化成エレクトロニクス㈱取締役同常務執行役員2009年4月同社専務執行役員2010年4月同社代表取締役社長同社長執行役員2012年4月当社常務執行役員2012年6月当社取締役(現在)2014年4月当社代表取締役同専務執行役員2016年4月当社取締役社長同社長執行役員2022年4月当社取締役会長(現在)(注) 3145,500(60,000)代表取締役取締役社長工藤 幸四郎1959年6月5日生1982年4月当社入社2013年4月旭化成せんい㈱執行役員2016年4月当社上席執行役員2017年4月当社繊維事業本部長兼務大阪支社長兼務2019年4月当社常務執行役員同パフォーマンスプロダクツ事業本部長兼務2021年6月当社取締役(現在)2022年4月当社代表取締役(現在)同取締役社長(現在)同社長執行役員(現在)(注) 3134,400(89,000)代表取締役堀江 俊保1962年12月30日生1985年4月当社入社2015年4月旭化成ケミカルズ㈱経営総括部長2016年4月当社石油化学事業本部企画管理部長2019年4月当社執行役員2020年4月当社上席執行役員2022年4月当社常務執行役員2022年6月当社取締役(現在)2023年4月当社代表取締役(現在)2024年4月当社専務執行役員(現在)(注) 350,375(28,375) 役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(うち株式報酬制度に基づく交付予定株式数)(株)取締役川瀬 正嗣1965年3月9日生1990年4月当社入社2016年4月当社石油化学事業本部基礎化学品事業部長2018年4月当社製造統括本部製造企画部長2020年4月当社上席理事2021年4月当社上席執行役員同製造統括本部長2023年4月当社常務執行役員2023年6月当社取締役(現在)2025年4月当社専務執行役員(現在)(注) 334,650(20,250)取締役(社外取締役)前田 裕子1960年7月26日生1984年4月株式会社ブリヂストン入社2003年9月国立大学法人東京医科歯科大学知的財産本部技術移転センター長・知財マネージャー2009年10月東京医科歯科大学客員教授兼務2011年10月京都府立医科大学特任教授兼務2013年5月株式会社ブリヂストン執行役員2014年4月国立研究開発法人海洋研究開発機構監事兼務2017年1月株式会社セルバンク取締役(現在)2020年10月国立大学法人九州大学理事2021年6月当社取締役(現在)(注) 3-取締役(社外取締役)松田 千恵子1964年11月18日生1987年4月株式会社日本長期信用銀行入行1998年10月ムーディーズジャパン株式会社入社2001年9月株式会社コーポレイトディレクションパートナー2006年10月ブーズ・アンド・カンパニー株式会社ヴァイスプレジデント(パートナー)2011年4月東京都立大学経済経営学部教授(現在)同大学院経営学研究科教授(現在)2023年6月当社取締役(現在)(注) 3- 役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(うち株式報酬制度に基づく交付予定株式数)(株)取締役(社外取締役)山下 良則1957年8月22日生1980年3月株式会社リコー入社2008年4月RICOH ELECTRONICS,INC.社長2010年4月株式会社リコー グループ執行役員2011年4月同社常務執行役員同総合経営企画室室長2012年6月同社取締役(現在)同専務執行役員2014年4月同社ビジネスソリューションズ事業本部事業本部長2016年6月同社副社長執行役員2017年4月同社代表取締役同社長執行役員・CEO2023年4月同社会長(現在)2024年6月当社取締役(現在)(注) 3-取締役(社外取締役)小川 啓之1961年3月23日生1985年4月株式会社小松製作所入社2010年4月同社執行役員同生産本部茨城工場長2013年4月同社生産本部調達本部長2014年4月同社インドネシア総代表PT Komatsu Marketing and Support Indonesia会長2015年4月同社常務執行役員2016年4月同社生産本部長2018年4月同社専務執行役員2018年6月同社取締役(現在)2019年4月同社代表取締役社長・CEO2025年4月同社取締役会長(現在)2026年6月当社取締役(現在)(注) 3-監査役(常勤)真柄 琢哉1957年12月11日生1982年4月当社入社2012年4月旭化成ホームズ㈱執行役員2014年4月同社取締役同常務執行役員2016年4月同社専務執行役員2018年4月同社副社長執行役員2022年4月同社顧問2023年6月当社監査役(現在)(注) 424,796監査役(常勤)出口 博基1962年11月9日生1985年4月当社入社2016年4月旭化成ファーマ㈱経営統括総部長2017年4月同社執行役員2019年4月当社執行役員同経営企画部長兼務2020年4月当社上席執行役員2022年4月当社常務執行役員2023年6月当社取締役2025年6月当社監査役(現在)(注) 529,684 役職名氏名生年月日略歴任期所有株式数(うち株式報酬制度に基づく交付予定株式数)(株)監査役(社外監査役)望月 明美1954年6月10日生1984年10月青山監査法人入所1988年3月公認会計士登録1996年8月監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所2001年6月同監査法人社員(現 パートナーに名称変更)2018年7月明星監査法人社員2021年6月当社監査役(現在)(注) 5-監査役(社外監査役)浦田 晴之1954年11月8日生1977年4月オリエント・リース株式会社(現オリックス株式会社)入社2005年2月同社執行役2006年8月同社常務執行役2007年6月同社常務取締役2008年1月同社取締役副社長2009年1月同社取締役副社長兼グループCFO 2011年1月同社代表取締役副社長兼グループCFO2015年6月オリックス銀行株式会社代表取締役社長2020年6月同社取締役会長2021年6月同社特別顧問2022年6月当社監査役(現在)(注) 6-監査役(社外監査役)落合 義和1960年1月7日生1986年4月検事任官2015年10月東京地方検察庁次席検事2017年4月さいたま地方検察庁検事正2018年2月最高検察庁刑事部長2020年7月最高検察庁次長検事2022年6月東京高等検察庁検事長 2023年1月退官2023年4月弁護士登録西村あさひ法律事務所・外国法共同事業オブカウンセル(現在)2023年6月当社監査役(現在)(注) 4-計419,405(197,625) (注) 1 取締役 前田裕子、松田千恵子、山下良則及び小川啓之は、社外取締役です。2 監査役 望月明美、浦田晴之及び落合義和は、社外監査役です。3 2026年6月24日開催の定時株主総会終結の時から1年間4 2023年6月27日開催の定時株主総会終結の時から4年間5 2025年6月25日開催の定時株主総会終結の時から4年間6 2026年6月24日開催の定時株主総会終結の時から4年間7 当社では、業務執行の迅速化と責任の明確化を図るため、執行役員制度を導入しています。執行役員は47名で、うち3名が取締役を兼務しています。 ② 社外役員に関する事項 当社の社外役員(社外取締役及び社外監査役、以下同じ)は、社外取締役4名、社外監査役3名です。 社外取締役は、経営者等としての豊富な経験と高い見識を活かして、当社の経営陣から独立した立場から経営判断が適切に行われていることを監督する機能を担い、社外監査役は、法律や財務・会計等に関する高い専門性と豊富な経験・知識に基づき監査する機能を担っています。それぞれの社外役員に関する事項は下記のとおりです。 なお、当社は、当社の定める「社外役員に関する独立性判断基準」(後掲)及び金融商品取引所の定める「独立役員」に関する独立性の基準に従い、候補者が現在もしくは過去において、当社の業務執行者、重要な取引先、重要な取引先の業務執行者等であるか(あったか)、又は当社から多額の金銭もしくはその他の財産を受け取った事実があるか(あったか)等の利害関係を調査し、それらの事実を総合的に勘案した上で、一般株主との利益相反の生ずるおそれの有無を判断しています。なお、当社は、社外役員全員について金融商品取引所に「独立役員」として届け出ています。 当社と社外役員との間に、人的関係、資本的関係又は取引関係等の面で重要な利害関係はありません。 役職氏名選任理由独立性に関する補足説明社外取締役前田 裕子同氏は、技術者として産学官での豊富な経験を有しています。これらを経て得られた経験と見識に基づき、社外取締役として当社グループの重要事項の決定及び経営執行の監督に十分な役割を果たすことが期待できます。当社グループでは、同氏が過去に業務執行に関わっていた株式会社ブリヂストンとの間で主に部材供給等に関する取引があります。もっとも、当社グループとしての取引額は当社グループの連結売上高の1%以下かつ株式会社ブリヂストンの連結売上高の1%以下と僅少であり、同氏は2017年以降は同社を退職しているため、同氏の独立性に影響するものではありません。また、同氏が現在業務執行に関わっている株式会社セルバンクと当社グループとの間には現在取引はありません。社外取締役松田 千恵子同氏は、金融・資本市場業務、経営コンサルティング業務、企業戦略・財務戦略に関する研究に長年携わっています。これらを経て得られた経験と見識に基づき、社外取締役として当社グループの重要事項の決定及び経営執行の監督に十分な役割を果たすことが期待できます。当社グループでは、同氏との間で2022年度まで経営コンサルティングサービスに関する取引がありました。もっとも、その取引額は1,000万円未満と僅少であり、同氏の独立性に影響するものではありません。社外取締役山下 良則同氏は、経営者としての豊富な経験を有しています。これらを経て得られた経験と見識に基づき、社外取締役として当社グループの重要事項の決定及び経営執行の監督に十分な役割を果たすことが期待できます。当社グループでは、同氏の所属する株式会社リコーとの間で主に複写機を含む事務用品等に関する取引があります。もっとも、当社グループとしての取引額は当社グループの連結売上高の1%以下かつ株式会社リコーの連結売上高の1%以下と僅少であり、同氏の独立性に影響するものではありません。社外取締役小川 啓之同氏は、経営者としての豊富な経験を有しています。これらを経て得られた経験と見識に基づき、社外取締役として当社グループの重要事項の決定及び経営執行の監督に十分な役割を果たすことが期待できます。当社グループでは、同氏の所属する株式会社小松製作所との間で主に部材供給等に関する取引があります。もっとも、当社グループとしての取引額は当社グループの連結売上高の1%以下かつ株式会社小松製作所の連結売上高の1%以下と僅少であり、同氏の独立性に影響するものではありません。 役職氏名選任理由独立性に関する補足説明社外監査役望月 明美同氏は、公認会計士の職務に長年携わっています。その経験と見識に基づき、社外監査役としての職務を適切に遂行いただけるものと期待できます。なお、同氏は、上記のとおり財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。当社グループでは、同氏及び同氏が所属する組織・団体との取引はありません。社外監査役浦田 晴之同氏は、経営者、企業の経理・財務担当役員として豊富な経験を有しています。その経験と見識に基づき、社外監査役としての職務を適切に遂行いただけるものと期待できます。なお、同氏は、上記のとおり財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。当社グループでは、同氏が過去に業務執行に関わっていたオリックス株式会社との間でリースに関する取引があります。もっとも、当社グループとしての取引額は当社グループの連結売上高の1%以下かつオリックス株式会社の連結売上高の1%以下と僅少であり、同氏の独立性に影響するものではありません。また、同氏が過去に業務執行に関わっていたオリックス銀行株式会社と当社グループとの間には現在取引はありません。社外監査役落合 義和同氏は、法曹の職務に長年携わっています。その経験と見識に基づき、社外監査役としての職務を適切に遂行いただけるものと期待できます。当社グループでは、同氏が所属する西村あさひ法律事務所・外国法共同事業との間で法律業務に関する取引があります。もっとも、当社グループは同事務所との間で、顧問契約は締結していません。また、その取引額は当社グループの連結売上高の1%以下、同事務所の年間総収入の1%以下と僅少です。当該取引は同氏とのものではなく同事務所の他の弁護士との取引であり、同氏の同事務所における立場は「オブカウンセル」という顧問に類似したもので、当社との取引に関わるものではなく、同氏の独立性に影響するものではありません。 ※ご参考Ⅰ 取締役・監査役候補指名の方針と手続き取締役候補者の選出にあたっては、取締役に相応しい識見、能力等に優れた者を候補者としています。社内取締役については、担当領域における専門的知識、経験、能力等を備えていると考えられる者を候補者として選定しています。一方、社外取締役については、高い識見を踏まえた客観的な経営の監督を期待し、それに相応しい経営者、学識経験者、官公庁出身者等で、豊富な経験の持ち主を幅広く候補者としています。監査役候補者の選出にあたっては、監査役に相応しい識見、能力等に優れた者を候補者としており、選出には監査役会の同意を得ることを必須としています。また、財務・会計に関する知見を有している者が1名以上になるよう配慮しています。取締役及び監査役候補の指名に関する客観性と透明性をより一層高めるため、社外取締役を主たる委員とする指名諮問委員会を設置し、取締役会の構成・規模、役員の指名方針等についての検討に参画いただき、助言を得ることにしています。 Ⅱ 取締役及び監査役の経験分野・保有する専門性(スキル・マトリックス)当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献」するため、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つのサステナビリティの好循環の実現を追求しています。そして、不連続・不確実な経営環境のもと、成長投資と構造転換の両輪による事業ポートフォリオ変革を加速することが、当社グループにとって、とりわけ重要な経営課題と認識しています。当社取締役会は、このような経営課題を踏まえ、中期経営計画をはじめとする経営戦略、事業ポートフォリオマネジメントと経営資源配分、サステナビリティ等、広範な事業を営む当社グループの経営の重要事項の監督や重要な意思決定を役割としています。この役割を遂行するにあたって、独立性・多様性の確保に加えて、豊富な経験や高度な専門性を取締役会全体として備える必要があります。そこで、当社取締役会及び指名諮問委員会では、取締役及び監査役に必要な経験・専門性(スキル)を特定したうえで、その保有状況をスキル・マトリックスにより確認しています。以下の内容は、このようなプロセスを経て、2024年度に改定したものです。 (スキル・マトリックスの検討プロセス) (構成比) (注) 1 上記の一覧表は、各氏の主要なスキルを最大4つまで記載しております。各氏が保有する全てのスキルを表すものではありません。2 「企業経営(上場企業の社長経験)」は、上記の一覧表に掲げる他のスキルの要素を含む、広範かつ多様な経験と位置づけています。 スキル選定理由・内容企業経営(上場企業の社長経験)事業ポートフォリオ変革を加速する当社グループの経営環境に照らし、上場企業トップとしての卓抜したリーダーシップと多様な経験が必要なため選定  経営戦略・組織運営当社取締役会の主要な議題である経営戦略の監督に必要なため、経営戦略の立案と実行の経験、大規模組織のマネジメント等の経験、専門性を選定ファイナンス・会計事業ポートフォリオ変革や資本効率性を追求した経営に必要なため、資本政策・資本配分の立案と実行の経験、会計の知見等の経験、専門性を選定サステナビリティ経営戦略の中核テーマに掲げるカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー、また人権対応等のサステナビリティ課題を経営レベルで監督した経験、専門性を選定グローバルビジネス多数の海外拠点を有し、グローバル市場への展開を強化しているため、グローバルな事業環境での経営経験、海外事業のビジネス推進経験等、国際的業務を牽引又は監督した経験、専門性を選定研究開発/イノベーション/DX研究開発、イノベーション、DXは当社グループの持続的成長の源泉である。これらを通じた価値創造、また、サイバーセキュリティ等による価値の毀損防止に必要なため、本分野の経験、専門性を選定製造・品質保証当社グループの事業遂行に必須であるため、製造技術、品質保証、安全技術に関する経験、専門性を選定人財・DE&I経営戦略と連動した人財施策の立案と実行、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進によりイノベーションや事業の創出、人財の活躍と成長を促すため、本分野の経験、専門性を選定法務・リスク管理当社グループの持続的成長と価値の毀損防止に不可欠なため、法務分野やコンプライアンス、リスクマネジメントに関する知見等の経験、専門性を選定 Ⅲ 社外役員に関する独立性判断基準当社は、社外取締役及び社外監査役が独立性を有すると認定するにあたっては、以下のいずれにも該当することなく、かつ、公正中立的な立場で職務を果たしうることを確認します。ⅰ 当社グループの業務執行者(業務執行取締役、執行役、執行役員、従業員等)又は過去10年間にこれに該当した者ⅱ 当社グループを主要な取引先とする者(年間連結売上高の2%以上が当社グループである者)又はその業務執行者ⅲ 当社グループの主要な取引先(当該取引先による当社グループへの支払いが当社の年間連結売上高の2%以上を占める場合、又は、当社連結総資産の2%以上の金銭の借入先)又はその業務執行者ⅳ 当社からの役員報酬以外に、当社グループから個人として多額の金銭その他財産上の利益(年間1千万円以上)を得ている者ⅴ 当社グループから多額の寄付・助成(年間1千万円以上)を受けている者又はその業務執行者ⅵ 当社グループの主要株主(当社の総株主の議決権の10%以上を直接又は間接的に保有している者)又はその業務執行者ⅶ 当社グループの役員・従業員をその役員に選任している法人の業務執行者ⅷ 当社グループの会計監査人又はその所属者ⅸ 過去3年間、上記ⅱからⅷのいずれかに該当した者ⅹ 上記ⅰからⅷのいずれかに該当する者の近親者(配偶者、2親等内の親族及び生計を共にする者)ただし、上記ⅰからⅲ、ⅴからⅶの「業務執行者」は「重要な業務執行者(業務執行取締役、執行役、執行役員等)」に読み替えるものとする。xi 当社の社外取締役又は社外監査役としての在任期間が通算8年を超える者 社外取締役は、取締役会への出席及び工場・研究施設の見学や研究発表会等への参加の機会並びに監査役及び会計監査人との間で定期ミーティングを通じて、当社グループの現状と課題を把握し、必要に応じて取締役会において意見を表明しています。

※ 出典: EDINET DB API より取得した有価証券報告書(2025年度)。 全文は 金融庁 EDINET でご確認ください。